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値段と価値2

⭐️⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)


皆さんこんばんは
フリックフラックの髙橋壱歩です。

いつも僕の記事をお読み頂き
ありがとうございます。

さて、今日の記事は
『値段と価値』の第2弾です。

僕の記事を毎日のように
読んでくださっている方々は


ん?


と思われたのでは無いでしょうか

理由は分かります。


そんなタイトルの記事、今までにあったっけ


これですよね。


僕は今までに同じタイトルで
第2弾、第3弾とシリーズ化して
記事を投稿する事が何度もありました。


しかし、
『値段と価値』というタイトルで
記事を投稿した事は一度もありません。


じゃあ『値段と価値2』じゃないじゃないか!

1はどこ行ったんだ!

1は!


という声が何処かから聞こえてきそうですが


答えを発表すると
第1弾は僕の小学校の頃の卒業文集です。


僕は小学校の6年生の
卒業を控えたちょうど今くらいの時期、

卒業アルバムの巻末に載る文集で

『値段と価値』というタイトルの
作文を書いたのです。


なぜこのようなタイトルにしたのか
全く覚えていないですが

そのタイトルにしたという事実だけは
なぜか覚えていたのです。

担任の先生にめちゃくちゃ
反対されたことも覚えています。

それも当たり前

他の同級生は

『小学校の思い出』

『将来の夢』

『みんなありがとう』

のような量産型のタイトルで
文章を書いていたわけですから。


そしてあれから約11年経った今日

記事を書き、投稿する前にタイトルを
考えようとした時

「あれ?この記事のタイトル、
『値段と価値』でええんちゃうん?」

となり、10年以上を隔てた
シリーズ第2弾として投稿する事にしたのです。


そう、
僕は文章を書いてから
タイトルを決める派です。

さあ書く文章がどれほど
変わっているのか

読者の皆さまは読み比べはできないと
思いますが
もし奇跡的に小学校の同級生や
その親御さんなどが
読まれていた場合は
是非比較してみてください。

それではスタートです。




僕はいくつかのアルバイトを
掛け持ちしている。


これはその中でもコンビニでの
アルバイト中に起こった出来事である。



数週間前のある日

その日も僕はあるコンビニにいた。

僕のコンビニアルバイト形態は
少し特殊で
1つの店舗にだけ入るのではなく

毎回違う色々な店を回るのだ。



レジに入り
次々とまばらにやってくる
お客さんの対応を行なっていた。


その日は確か休日で
近所に住んでいて
お遣いを頼まれたのだろうか、
子供たちが多かった。

何人かの子供たちを見送った後で
僕は気がついた。


この辺りに住んでいる
子達はみな素直で良い子だ。


ちゃんとした親のもとで
教育を受けているのだろう。

みな一様に
ちゃんと大きな声で
「ありがとうございます!」
と言ってくれるし

もはや僕の声よりも
大きかったかもしれない。


これをできない大人が何人いるだろうか

感心しながら
何度も小さな背中を見送った。


そして15時頃


再び違う子供たちが店内に入ってきた。


3人組だった。


お兄ちゃん
お兄ちゃん


一番上のお兄ちゃんでも
おそらく6歳くらい

妹は4歳くらいだろうか


3人が足並みを揃えて入ってくる様子が
なんとも可愛らしかった。


数分後

3人がそれぞれに
両手一杯に駄菓子を抱えて
レジにきた。


どさっと机の上に置く。


僕は聞いた。


「これは全部一緒で良いんかな?」

「はい!」

妹が言った。



バーコードを順に読み込んでいく。


「あのな、うまい棒好きやねん!」


妹が僕に話しかけてきた。


確かにうまい棒を6本も購入している。


「そうか!美味しいもんな!」


「お兄ちゃんもうまい棒好きなん?」


「うん、お兄ちゃんも好きやで!」


レジのピッピッという音にも
負けず妹が話しかけてくる。


可愛い


合計金額が確か468円
とかそんな額だった。


これだけ買っても駄菓子だと
こんなもんなのか。


少し懐かしい気持ちになった。


金額を伝えると3人
それぞれが自分の財布のようなものから
お金を取り出す。


上のお兄ちゃんと下のお兄ちゃんが
マジックテープのついた財布から
出した合計金額が335円だった。

僕はその時思った。


え、割り勘!?


めずらし!


「この財布な、開けずらいねん!」

お兄ちゃん2人がお金を出し終えた後も
妹ががま口の長財布から
懸命にお金を取り出そうとしている。

そうか

この子だけまだ自分の財布を持っていないから
親にそのまま財布ごと渡されたのだろう。

可愛すぎる

「もうええわ」

妹が諦めたように
千円札を出し、トレーの上に置いた。



トレーの上に置かれた合計金額
1335円


商品の合計金額は468円

どう受け取ったら良いんだ?


電子画面に表示された数字と
トレーの上のお金を
交互に見る。


わからない。


どうすればお釣りがいい感じになるのか


そしてこの子たちにとって
お釣りがいい感じになる(枚数が少なくなる)
という事が果たして
最善の事なのか


どうしよう


「んーこれはどうしよう
1000円札からでいいんかな?」


「うん!いいよ!」


妹が言った。


良いのか?

君が最終手段を下すのか?


「お願いします!」


見兼ねた一番上のお兄ちゃんが言った。


よし、わかった!
もう僕も腹を括って普通にお会計するぞ!

レジに10 00円札を入れると、
自動的にお釣りの
532円が返ってきた。


トレーに載せ渡す。


「やったー!500円玉や!」


再び妹が声を出す。


「やったーちゃうわ!」


一番上のお兄ちゃんがツッコんだ。


「500円玉な、わたし好きやねん」


「キラキラしてるもんな」


「お兄ちゃんありがとう!」


3人がそれぞれのポケットに
お菓子を入れ、店を出て行く。


「バイバーイ!」


僕も精一杯手を振り返した。


なるほど、あの妹ちゃんくらいの
年齢だと500円玉の方が
価値が高そうに見えるのか




正直、めちゃくちゃ共感できた。




500円玉は重たいし
デカいし色も金ピカで豪華だ。


それに対して
1000円札はおっさんが描かれている
ただの紙切れである。


500円玉の方が
価値がありそうという気持ちも
理解できる。


しかし、あの上のお兄ちゃんくらいの
年齢になると
ある程度お金の種類も把握できるのだろう

それを
「やったーちゃうわ!」

だけで済ませるのは
ちょっと説明が足りなすぎるし
冷たい印象を受けるが
そういう空気感で
仲良くしている兄弟なのだろう。

僕は一人っ子なので
共感はできないが




それにしてもいい感覚を
取り入れる事ができたなと思った。


僕は紙幣と硬貨の違いは
もちろんわかっているし
普通に使ってもいるが


もしかしたら
わかっているフリをしているだけで
実はそこまで
わかっていないのかもしれない。


一仕事を終え、
考え事をしていると
その店のオーナーである
年配の男性が話しかけてきた。


「いやぁ楽しそうな子たちやったね。」


「そうですね!今日は子供たちが多いですね」


「もうそろそろ時間だから上がっていいよ。
なんか飲む?好きなの持って行っていいよ。」

店の方から何かを頂くというのは
はじめてのことだった。


「ありがとうございます!」


ありがたくホットコーヒーを
頂いた。



僕には仕事終わりに飲むそのコーヒーが
いつもより何倍も美味しく
いつもより何倍も価値のあるものに
感じてしまった。


やはり歳を取るにつれてものの価値は
変わっていくものなのだろうか。


僕があのオーナーの年齢になった頃、
また違う感覚を得る事になるのだろうか。



外に出ると冷たい風が強く僕の体に吹きつける。



コーヒーを一口飲み、体を温める。



また、このコーヒーの価値が
上がった気がした。


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