折れたお札
⭐️⭐️
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これは僕がまだ
フリックフラックではなく
前のコンビを組んでいた頃の話。
当時僕は
元相方の行動で一つ
気になることがあった。
彼の癖なのか
何なのか、よくわからないが
お札のやり取りをする時
必ず折って渡すのだ。
コンビを組んでいると
エントリー費など
お金のやり取りをする事は
よくある。
その時に毎回、
人差し指と中指の間に
二つ折りになった
お札を挟み、渡してくる。
この行動に僕は少し
違和感のような
懐かしさのような
嫌悪感のような
何かを抱いていた。
その理由がなぜだったのか
最近わかった。
僕が中学生の頃
あれは休日だったのだろうか。
よく覚えていないが
僕はその日の夜
母親と近所の
餃子の王将に来ていた。
いつものように食事を済ませ
レジに行く。
すると母親が驚くべき発言をした。
「あっ、財布忘れた」
「え?嘘やろ?」
勘違いされないように
一応言っておくが
我々は決して
食い逃げ家族ではない。
(万引き家族的な)
その時たまたま忘れてしまったのだ。
しかし店員さんからすれば
何のこっちゃわからないし
僕の発言も母の発言も
どことなく
また、わざとらしく
白々しい感じすらしていた。
これはヤバイ。
日常にこんなピンチが
潜んでいるとは
「あんたお金持ってない?」
持ってない。
それは母もわかっているはずだ。
「いやいや、持ってるわけないやん」
中1が
家族と食事に来て
お金を持っているわけがない
持っていて1000円くらいだろう
このやりとりが
店員の疑心感を
さらに煽ってしまった。
ヤバイ
どんどん追い込まれていく。
普段から準備していれば
色んな判断が出てくるだろうが
2人ともパニックで
冷静になれない。
しばらく考えた末
父親を呼ぶ事にした。
(もっとはよ思いつけ)
電話をかけると
父親は10分ほどで来ると言う。
助かった。
店の中の
待合席に座って待つ。
こんな形で待合席に座る日が
訪れるとは
数分後
父親がきた。
真っ黒の車に乗って
颯爽と現れる父
車の窓を開け
左手でハンドルを握りしめたまま
右手だけを外に出し
スナップをきかせるような形で
こちらを全く見ず
真っ正面を見つめたまま
人差し指と中指で1万円札を
挟んでこちらに渡してきた。
ノールックパス
僕と母はなぜが感謝よりも先に
何カッコつけてんねん!
がきた。
支払いを済ませる。
その後帰り道でも
僕たちの頭の中は
よかった、助かった
よりも
何やねんあの渡し方
が支配していた。
この時僕は決意した。
これから大人になり
人に何らかの理由で
お金を渡すときも訪れるだろう。
そんな時絶対に折って
渡すような事はやめよう。
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