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リズムとグルーヴの違いを料理で例えたヨ

#一平リズム田んぼー その6平

グルーヴという言葉がある。音楽を聴いたり演奏したりする上でのノリみたいなのを指す事が多いと思う。グルーヴという言葉に馴染みが無い方は「ノリ」に置き換えちゃっても意味は通じると思う。基本的に俺は文章ではグルーヴという言葉は使わないようにしている。人によってグルーヴの意味や感じ方が違うなと感じているからだ。縦ノリ・横ノリ・モタる・ハシる・タメる・レイドバックなども同じく。特に文章だと意思疎通に限界があるし、誤解を生みやすい気がする。リズムとグルーヴって似てるようでなんか違う。それを料理で例える事ができたらわかりやすいんじゃないかと思ったのがキッカケ。

リズムは4分音符といったら4分音符だし3連符といったら3連符なので人によって意味が違うという事はあまりないと思う。速さもメトロノームを使えば認識を同じにできる。ロックのリズム、サンバのリズムみたいに使っても譜面で説明すれば認識がずれる事はないと思う。ここに個人の感覚が入り込んで来る事は少ない。

これが例えばロックのグルーヴ(ノリ)、サンバのグルーヴ(ノリ)となると人それぞれの感じ方で違ったニュアンスになってくる。リズムとは違い個人の感覚が入ってくる。感覚の話なので譜面にも書いていない。普段一緒に演奏していたり同じ音楽の聴き方をしている人同士だったら感覚が共有できるのかもしれないが、人生経験も音楽の聴き方も違う人同士ではグルーヴという明確な定義が無い言葉を使うと感覚の違いからズレが生じる時も少なからずあるんじゃないかと思っている。もっとも、「この曲のグイグイくる感じ最高〜!」みたいなのって言葉にできないのかもしれないが。

そんなところで今回のテーマ、リズムとグルーヴの違いを料理で例えてみた。俺は料理が好きで(食べるのはもっと好き)よく作るんだけど、音楽と料理って似てるなーと思う事が多い。こだわろうと思うとどこまでもできたり、世界中にいろんな文化があったり、だんだん上達してくると人に聴いてもらいたい(食べてもらいたい)と思ったりするなど。色々コピーしてるうちにオリジナルが作れるようになってくるところとかも。

リズムとグルーヴの違いを料理で例えると、リズムは味、グルーヴは旨み(美味しさ)なんじゃないかと思っている。味覚の一つであるうまみではなく美味しいと感じる感覚の方の旨み。その他にメロディーは材料、ハーモニーは調理方法かなと思っているけどこの2つはまだ考察が不十分なのであとで訂正するかも。

カレーの味、といえばカレーの種類によって違いはあれど何種類かのスパイスが効いた香ばしい味を想像すると思う。しかしこれがカレーの旨み、になるとそれがインドカリーかビーフカレーか家庭的なカレーかで違ってくるし人それぞれカレーの旨みがあると思う。どんなカレーもカレーの「味」だけど「旨み」はカレーによって違う。スパイスの旨みなのかビーフの旨みなのか、はたまたリンゴやチョコレートなどを気分で入れたその日だけの旨みなのか。そして人によって好みはあってもどのカレーの「旨み」も上下などなく素晴らしいものだと思う。リズムとグルーヴの違いはこれに近い気がする。

ロックのリズムといえば8ビート、16ビート、4つ打ち、などを繰り返したものを思い浮かべる事が多いと思う。そのどれもがロックのリズムだと言える。しかしロックのグルーヴとなると細かいジャンルやバンドによって多種多様だし同じバンドだったとしても人によって受け取り方が違ったりする。そこが非常に面白い。

同じカレーでも「このカレー辛くて美味しいよねー」とサラッと共感できたり、「クミンがこうでターメリックがあーで」みたいに深く考察したりできる。どちらも素晴らしい楽しみ方で優劣つけられないと思っている。グルーヴのそれも同じく「激しくてかっこいい」も「このドラマーのシャッフルの感じ最高」もどちらも素晴らしい楽しみ方だと思う。

以上、リズムとグルーヴを料理で例えてみたらこんな感じになった。色んな旨み、色んなグルーヴがあってそれが良いと思うけど、違和感があるのはそれのおしつけ。この旨さが分からないようじゃまたまだだよ、とかこのグルーヴが分からないとダメだよ、みたいになっちゃうのは興味の幅を狭めてしまってもし自分の好きな旨さ・グルーヴを知ってもらいたくて話をしているのであれば逆効果なんじゃないかと思う。この少し苦いところが疲れてる時に美味しく感じるんだよ、とか単純なリズムの繰り返しだけど聴いてるとだんだん気持ちよく感じるんだよ、みたいな話し方だと良いのかな。受け取る人や状況によって違うと思うけど。かくいう俺も誰かと話をするときにおしつけにならないように気をつけようと思う。

しかしこれが聴く事や演奏する事を本当に極めたい人同士でなおかつお互いに尊敬の念を持っていれば、ディープでバチバチな議論も手段としてはアリかなと思う。特に演奏する人同士であればより良いものを作るために感覚を合わせる事が大事だと思うのでリズムについての建設的な意見交換は必須だと思う。個人的には真剣になっても深刻になるなという言葉に感銘を受けてからは楽しく議論してワクワクしながら頑張る方向を目指している。

リズムのブログを始めたのは俺がリズムについて普段考えてる事を文字にしてみようと思ったから。いくつか書いてみたけど、読んでもらった方の感想がすごく気になっている。コメント欄でも良いしツイッターやFacebookもやっているのでどこかで書いてもらえるととても嬉しい。

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#一平リズム田んぼー その6平
※リズム田んぼーとは、字の通り田んぼを耕すかのようにリズムへの考えを深めていく(探訪)事なのだ

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