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JR西日本のホテル新快速で電車中泊した話

生まれてこの方電車通学したことない。どうも普通の理系大学生です。そもそも幼小中高全部徒歩で通えるほど近く、大学生になって初めて自転車通学をするという始末。(高校の時は朝8時半に家を出ていてたので周りにいろいろ言われましたね。)そんな電車に無縁だった僕ですが、歴史に残りそうな電車に関する大事件に巻き込まれて、割と珍しい体験をしたのでnoteに残そうと思います。(タイトルにもある新快速は追加料金のいらない特急みたいな電車のことです。)

列車閉じ込め事件の始まり

2023年1月24日のことでした。(1/24は9年前にも僕にとって別の事件が起きた記念日で、その話もいつかしようと思います。) 
日本には10年に一度とも言われる寒波が到来し、普段雪の降らない所もかなり雪が積もるほどの吹雪でした。用事を終えて帰るため、JR西日本の新快速に乗ろうとすると、既に120分以上の遅れが。この時点で嫌な予感はしていましたが、これまでの経験からJR西日本において割とそういうことは日常茶飯事だったのでとりあえず来た新快速に乗ることにしました。時刻は20時。これが地獄の始まりになりました。1つめの停車駅には予定通り着いたものの、そこで次の駅にいる列車が進んでいなかったため出発までに数分を要しました。その後も新快速が止まるはずのない駅で何度か停車して、前の電車が進むのを待つ状況が何度も発生し、約1時間後に家までの道のりの半分より手前の駅についてから動かなくなりました。本来なら家についてるはずの21時ですが、列車は進む気配がありません。電車のアナウンスは「ポイント切替の故障で運転を見合わせています。運転再開の目途は立っていません。」の定型文を数分に一回繰り返すのみでした。

以前JR西日本の広島支社にお邪魔させてもらう機会がありました。お世話になりました。

閉じ込め事件の実態

それ以上の情報はないのでSNSを見てみるともっと悲惨な列車も複数見受けられました。駅と駅の間で停車して外に出られなかったり、満員電車で立ちっぱなしだったり、長時間の閉じ込めで体調を崩した人も現れ始め、車内トイレの故障で失禁といった惨状が浮かび上がって来た深夜0時頃。本来ならそろそろ終電も終わろうとしている時間だが、未だに運行再開の目処は立たない。僕らはまだ座席に座れたし、ホームのトイレも使えたし、コンビニへ行って食料も調達できただけ幸いだったのかもしれない。ここで皆さんに知ってもらいたいのが、ニュースで取り上げられた16両の閉じ込め列車以外にも立往生を食らった何十もの電車に、何万人もが乗っていたということです。そしてそもそも電車に乗れず帰宅難民になった人も居たことでしょう。つまりめちゃくちゃ大変だった人の後ろにもかなり大変だった人とそれなりに大変だった人とちょっと大変だった人がいたということです。

見てわかる通り夜明けまでずっと関西全域の路線図は真っ赤でした。

深夜の車内の様子

その頃、車内の様子はと言うと、段々と帰宅の方法を模索して降車していく人が増えて行きました。しかし、タクシーは出払っているしバスはない。誰かに迎えを頼んだり、ホテルやネカフェを探しに行った人も。長区間並走する私鉄に流れた人もいました。しかし、その私鉄は僕の自宅までは伸びていません。僕の自宅付近はJR一択なのです。外は慣れない氷点下の寒さで、お金もかかるのでとりあえず電車に残ることに決めました。段々とイライラが募り、外に出るか出ないかで言い合いを始める夫婦やカップルも現れました。寝る体勢を整え始める人も。幸いその日は午後から出かけていたためか、疲れも少なく僕はあまりイライラしませんでした。僕も少し仮眠を取りました。(もし一人だったら地獄だっただろうし、一緒にいた人によっては喧嘩になっていたかもしれない。)

いわゆる自動ツイートと思われるが、すぐには消されなかったため、「運営は寝たのか」と言われた問題のツイート。15分どころかこの時点で380分ぐらいは遅延してるwww

翌日ポジティブ思考でいいものを見に行って帰宅した

気づけば朝の5時。まだ同じ駅にいました。幸い、電車の中は暖かい。しかし新幹線と違ってコンセントまでは用意されていない。スマホの充電が切れそうだったので、近年急速に増えているモバイルバッテリーのレンタルを使いました。マジで助かった。(個人的にはどこでも返せるのが便利すぎて好きです。)朝食はコメダに行きました。あのソファの柔らかさに涙すら出そうでした。(出た訳では無い。意外と新快速のシートも悪くない。寝るにはちょっと頼りない。)とりあえず私鉄に乗り換えて行けるところまで行くことに。お昼になっても運行再開の目処は立たず、こうなったら雪景色が綺麗な場所に行こうと、金閣寺まで足を伸ばしました。それが表紙の写真です。夕方になってやっと動き始めたJRで帰宅しました。18時でした。最初の駅を出てから22時間が経過していました。(前日の終電がまだ終わっていなかったので42時とも言えるかもしれない。18時なのに21時台の電車が走っててなかなかカオスだった。)

やはりコメダといえばこの木の温かみと赤いソファである

JR側の過失なら返金ぐらいあって欲しい

実は夜を明かした駅を出る時は運賃を返金してもらうことが出来ました。(実際にはICカードの乗車歴取消。)しかし、最後の駅では「運賃を払って頂くのはルールだ」と言われ取り合って貰えませんでした。本来払う予定だったので、どうしても払いたくないほどのケチではありませんが、今回は報道を見る限りかなりJR西日本の対策、対応に原因があったように見受けられます。早く楽に移動できるから運賃を払っているのに、本来1時間の区間を22時間もかけておいて運賃を全額取られるのはなんだか晴れない気分でした。長時間車内で待たされた側の身にもなって欲しいし、お詫びとしてその分ぐらいの返金はあって然るべきだと思います。(同じく政府の指導があったKDDIの通信障害の時は日割り計算で返金されています。)駅員さんは悪くないし、むしろ長時間対応に迫られた被害者側でもあると思うのでそれ以上言うことはさすがにできませんでした。

KDDIの通信障害ではUQユーザーでも200円返金されていた

ちょっとやりすぎな3つの教訓

  1. 雪の日は外出しないこと
    今回はチケットの日程が決まっていて、普段会えない人との2か月前からの約束だったことから対策は難しかった。

  2. できれば私鉄を使うこと
    過去にも車内に2時間程度閉じ込められたし、そもそも私鉄の方が安い。

  3. 電車が止まりそうな日はICカードではなく切符を購入すること
    ICカードは返金対象外とのこと。都会では90%以上ICカードの時代に大半の鉄道会社はなかなかせこいです。

定期は払い戻してくれるみたいです。

なんだかんだ良かった3つの思い出

  1. ホテル新快速という珍しい体験をした。
    新幹線ホテルはたまに聞くが、普通列車で夜を明かすことは先にも後にもなさそう。

  2. 普段会えない人と1日長く一緒に居られた。
    本来なら翌日解散予定だったが電車が止まっていたことと、疲れていたことからもう一泊していくことになりました。

  3. 雪の金閣寺を見れたこと
    やはり絶景です。なかなか見に行く機会もないので最高でした。おまけとしてはデカすぎるぐらいの満足感です。

雪に埋もれそうな金閣

まあまあ散々いろいろ言いましたが、なんだかんだ言って僕は速くて快適な新快速が好きです。単線しか走っていない田舎から関西に出てきて、観光地だと思っていた大阪、京都、神戸に日帰りで行けるという優れものです。これからも使い続けると思います。そういう意味でもJR西日本には期待していこうと思います。

最後に今回便利だったモバイルバッテリーレンタルのCHARGESPOTを使うのにお得な方法を見つけたので紹介しておきます。下のリンクに飛んで電話番号を登録すると、初回は無料で利用できるみたいです。充電がなくなってからだとレンタルできなくなるので、まだ登録してない人は今のうちにぜひ登録してみてください。PayPayやクレカで決済出来て便利です。
https://api-jp.charge-spot.com/v2/h5/share/10676774?language=ja_JP

最近コンビニとか駅でよく見るヤツ



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