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障害者家族の視点から

私は精神障害の当事者ですから、障害者の側からの視点で社会に精神医療を訴えていますが、障害当事者の家族の視点から観てみますと話は単純ではありません。

薬物、アルコール、ギャンブル、借金、モラルハラスメントの依存症患者というのは「手に負えない」ケースが多いからです。

関係機関(例えば警察など)が何度も連行して注意しても依存を辞めず、家族や親族に手を挙げたり、おカネの苦労をかけたりする場合がとても多い。

薬物事犯は即、懲役ですが再犯率は五割から六割にも及びます。

文字通り「懲りない」服役経験者が多いですし、アルコールはコンビニで簡単に手に入ります。

ギャンブル依存に至っては破産するまで街金からカネを借りまくりますし、家族や恋人が注意しようモノなら相手を半殺しにするまで殴りつけたりする場合もあります。

夫婦や家族間、職場でのモラルハラスメントは立派な暴力ですし 精神疾患ですが、それをしている本人にはその自覚すらありません。

ですから、一度入院が決まると妻や家族は「二度と退院させないで欲しい」と病院サイドにクギを刺す場合が多いですし、病院側が退院させようと入院患者に外泊を薦めると、家族が引き取りを拒否したり行方をくらませたりすることすらあります。

文字通りの「厄介払い」ですから、そのまま死亡するまで病院に留めおかれる事もあるのです。

かつては私立の精神科病院には「問題患者専門」というか必然的にそうなってしまう病院もありました。

治安維持の観点から警察や役所ですらそういった病院を利用し、暗黙の了解で認知し、問題患者を押し込めて骨になるまで留めおく......。

まさに「現代の姥(うば)捨て山」

そんな病院が実際にあったのです。

これは複雑な問題で、患者の扱いに困って疲弊の極みにある御家族や親族に「患者の人権うんぬん」といったところで、お困りの御家族からは、「だったらあなたが面倒観てください」という答えが返ってくる。

問題ばかり起こす障害者が死んでくれたらどれだけ良いだろうか、と毎晩泣いておられる。

そんな御家族が実際にいるのです。

だからといって精神障害者すべてを死ぬまで閉じ込めてしまえ!というのは極端で乱暴な話ですし、依存や暴力に走る障害者は ほんの一部だと御理解下さい。

その一部が目立つからといって「あいつらはどいつもこいつもみんなクズだ!」とはどうか思わないで欲しい。

精神科の利用者の九割以上は物静かで、真面目で、従順なストレスに弱い人々なのです。


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