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湖は乾涸びて、

夕陽を見ることができるフライトかどうかはタイミングだ、窓側の席に座っていても、今日の帰りの飛行機では見えない、日本の時間の深夜に飛び立って、着くのは昼過ぎだから見れない。ただそれだけ。

ロサンゼルスはいつも混んでる、ロサンゼルスに憧れていた時期もあったけれど、それは年を重ねることで、どうやら過ぎちゃったみたい。けれどこの2週間でサンディエゴの虜になった。虜になるように家族が色んなところに連れて行ってくれて、美味しいローカルなところに連れて行ってくれて、これでもか、というほど甘やかしてくれた。

私は世界を甘く見ていて、自分に驕り高ぶっていて、世界にはきっとまだまだ沢山美しいところも見たいと思う景色も沢山あるはずなのに正直この旅行に行く前は、ある程度時間があって自由もあってある程度どこかに旅行できるお金も多くはないけれどそれなりに充分にあったのに、旅行に行きたいと思えなかった。ヨーロッパも何回か行ったし、大好きなタイには5回も行ったし、なんだか世界をみた気になっていた。旅行はこの機会くらいしかゆっくり行くことなんで当分、次の2.3年ではないと思うから、行こうと思っていた。でも、タイに一人で3週間くらい行くか結構割と本気で悩んだ、けれど良いタイミングだったし、彼の家族に会いたかったし、行ってみるかぁ、くらいの気持ちだった。そうこうしているうちに今回のサンディエゴ行きも結局チケットを買ったのは2種間前だった。けれど、地球の裏側に出会ったこともないのに、ぜひ会いに来てね、といってくれる人達がいることにとても心が温かくなる。

久しぶりの海外で、長時間フライトだったのにいきなり入国審査に引っかかって3.4時間くらい別室に行かされたときは流石に肝が冷えた。今まで入国審査に引っかかるなんてなかったから、ここ数年の中で一番やばいかも、と震えた。今思うとランダムで選ばれたのか、(最初の入国審査官は私が一人で来たのか聞いただけでパスポートをスキャンして指紋をスキャンして、あら別室に行かないとね、という感じだったので質問に不審に答えた訳ではなかったから…尚更謎だった…)もしくは彼のお父さんが政府関係の人だから私が滞在するにあたって書類を提出しなければならなかったらしくて、それから引っかかったのか、よくわからない。なにぶんその時は前述したように、久しぶりの世界なのに舐めていたから頭を冷やすには充分すぎた経験だった。今思い返せばまた人に話せるエピソードが増えたぞ、くらいだけれど。また一つタフになれたかな、

サンディエゴの気候は最高で湿気がない。湿気が無いのがこんなに素晴らしいのか知らなかった。
とにかく良い天気で日差しが温かくて、風はぬるくなくて心地よい冷たさだったから本当に最高だった。私は夏バテがひどいから尚更こんな夏が世界にはあるのか、とただただ感動した。

砂漠があって、ビーチがたくさんあって、海岸線があってカニもたくさんいて、公園にはリスがいて、美味しいブリトーと沢山のフルーツ、人は穏やかでリラックスしていて、夕焼けが綺麗で、間違いなく私の中で1番のお気に入りの場所になった。

彼の両親は面白くて優しくて本当に温かい人達だった。この二年間、会ったことも無いのにクリスマスプレゼントを送ってくれたり、彼のお父さんは日本語で手紙を書いてくれたりして、出会う前から優しい人達だと知ってはいたけれど、直接私と会って、違うな、、と思われたらどうしようなんて会う前に心配してたのが本当にちっぽけに感じる。彼のお姉ちゃん達も優しくて面白くて、いつか家族になれることを本当に楽しみにしている。特にKelseyは私と同じ歳で、深夜リビングで一緒に残りもののカニを食べたり、Kelsey特製の夜飯を食べたり、Kelsey の働いてるところのワインを飲んだり、メキシコのカクテルを作ってくれて、二人でアメリカのこと、日本のこと、政治や国のこと将来のことを夜な夜な話したりした。大人になって友達が増える機会を持つことは格段に少なくなる、だから出会った人が深い友達になる予感がすると心の底から嬉しい。そしてそういう予感は大抵本当に当たることも知ってる。

彼に出会えていなかったからこんなに素晴らしい人達に出会うこともなかったのかと思うと、沢山の偶然ともし運命があるなら運命に感謝している。ありがとう。

これでようやく私はまた走れそう、また全力で数年走ってみるよ。毒抜きが終わってゆっくり休んだ今はまた、沢山の変化を感じたい。痛みは多く無い方がいいけれど少しだけなら耐えれる。作っていた海は荒波はなくなり、完全に湖になった。湖は干からびて、新しい形になれる準備ができてる、また海を作ってもいいし、湖に水を溜めてもいい、大地に変化もできる。醜い日があっても、また飾れば良いね。嵐が来て、雨が降ればその雨を感じて踊ればいい、

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