見出し画像

なぜ成功している男に限って話がつまらないのか。(シン・時事恋愛)

その昔、「時事恋愛」という連載をしていました。当時はまだ珍しかった、都会の働く女性のための等身大のコラムで、身のまわりの女性から見聞きした話や、以前開いていた「恋と仕事のキャリアカフェ」というサロンでの話をもとに構成していました。

実質的に、物書きデビューとも言える作品で、思い入れもたっぷり(当時はコラム一本書くのに一日かけてた。。。)なのですが、それを掲載していたサイトは、いまはなくなり(統合され)、読むことはできなくなっています。

それはもったいないよな、ということで、その内容をベースに少し手を加えた、「シン・時事恋愛」をnote上でスタートしようと思います。

記念すべき第一回をと思い、過去の原稿を引っ張り出してみたところ、ずいぶんとまあ、タイムリーな内容でびっくり。

どうやら2010年の原稿らしいのですが、そのころから、「雑談について考えてたんだなあ」と、感慨深いです。

新連載のスタートにして、新刊「超雑談力」にもつながる、なんなら「察しない男 説明しない女」の原点とも言えるコラム、どうぞお楽しみください。

それにしても、10年たっても言うこと変わってないなあ。。。笑

 みなさん、こんにちは! 働き女子の”恋愛パラドックス”を解明する「時事恋愛」、今回のテーマは「話のつまらない男」です。
 
 みなさんがオトナになる過程でもっとも株が上がった男性の条件、それは「面白い男」ではないでしょうか。
 
 「恋と仕事のキャリアカフェ」を訪れる女子たちと話していても、「かっこいい」「優しい」などの条件よりも、「話が面白い」「場の空気が読める」「一緒にいて飽きない」など、ふたりのコミュニケーションタイムを重視する声が高くなっています。
  
 逆に、「すごくいい人なんだけど、話がつまらない」「条件はいいんだけれど、一緒にいて退屈」など、面白くないことはまるで罪かのように、痛烈なバッシングの対象となっているのが現状です。
 
 この背景には近年のお笑いブームの影響もあると思いますが、もちろん、女子のみなさんも男性たちに芸人レベルのギャグや突っ込みを期待しているわけではないはず。ではなぜ、男性は女性から話がつまらないと思われてしまうのか、その仕組みを詳しく見てみたいと思います。
    
 まず第一に、男性の中には純粋に話すことに慣れていない人がたくさんいます。男性はもともと感情の表現が活発ではありません。その理由として小さいころから、「男なんだから我慢しろ」「男なんだからガタガタ言うな」「ぺちゃくちゃ話すな」と育てられてきていることが挙げられます(今のこども達は分かりませんが、昭和の時代には多かれ少なかれそういう空気がありました)。
 
 感情を発露することに不慣れなままオトナになり、仕事でも要求されないのでコミュニケーション能力がストップしている男性はたくさんいて、そういう人はとにかく、思ったことを言わないし、気持ちを表現しないし、何を考えているか分からない。そこが女子としてはシンプルに物足りません。  
 
 次に、いざ話し出したと思ったら、自分の功績をとうとうと自慢してくる男性もよく見かけますよね。「自分の話ばかりする」というのは、女子がもっとも忌み嫌うコミュニケーションスタイルですが、功なり名を遂げた人であればあるほど「すごいですね」と褒めて欲しくて、つい話してしまいがちです。結婚式のスピーチなどを聞いていても、自慢話を織り込むことを我慢できない偉いおじさんって、見かけますよね?
 
 また、自分の専門分野についての知識を垂れ流すタイプの男性も多くいて、これも一方的という点では自慢話と同じです。こういう博識タイプの人は、「物知りの人ってかっこいい」「自分の知らないことを教えてくれるから得した気分」と評価された時代もありますが、これだけ情報が簡単に入手できるようになった現代では、「ウィキペディアさん」などと揶揄され急速に株を落としている印象です。
 
 さらに、自分の話はイマイチにも関わらず、人の話を聞こうとしないのも極めて男子的。話の一部を聞いただけですぐに結論づけて頭の良さを誇ろうとしたり、出口のない会話やおしゃべりというプロセスそのものを楽しめずイライラしてしまう人は、やはりどちらかというと男性に多いように思います。これも、女性が男性を「つまらない」と感じてしまう要因です。

 ところで、こういった話の面白くない男性が、つきあう相手として好条件の人に多いというのも、女子としては頭の痛いところではないでしょうか?
 
 友人に、「顔のいい男は100%話がつまらないから嫌い」と言い切る女性がいますが、確かに「ルックスがいい」「お金持ち」などの好条件を備えた男性は、そこにあぐらをかき、他のスキルを磨くのを怠りがちということは言えるかもしれません。
 
 また、ビジネス社会で求められるコミュニケーションが、楽しいおしゃべりというものと微妙にずれている点も見逃せません。仕事ができて、自分に自信があり、押し出しの強い魅力的なビジネスマンであればあるほど、自分の意見を押し通す、短時間で議論をまとめようとする、興味のない話題は無駄と切り捨てる、など普段の肉食的コミュニケーションに没頭しがちです。
 
 もちろんそれ自体は悪いことではないのですが、切り替えができずにデートや仲間との飲み会でもそれを貫いてしまい、周りから残念がられるケース、みなさんの周りでもありますよね?
 
 初対面の人でも構わず軽々と垣根を超え、一方的ではなく双方向的に会話を広げ、わいわいと会話やおしゃべりそのものを楽しんで笑い合う・・・。近年「雑談力」などとも言われるこうしたコミュニケーションが、多くの男性にとっていかに至難の業であるか、分かってもらえたでしょうか?
 
 かっこよくって、仕事ができて、優しくって、なのにきちんと”おしゃべり”ができる男性って、一体どこにいるんでしょうね・・・。

察しないカバー表

超雑談力cover


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?