隙とは”好き”のこと。(シン・時事恋愛)
「クラッシィ(CLASSY.)」というファッション誌があります。光文社から出ている、きれいなお姉さん向けの雑誌で、1年ほど前からここで恋愛相談のコラムを書いています。
実は、僕自身、最初雑誌の編集者だったこともあって雑誌が大好きです。中でも、昔から女性ファッション誌に目がなく、周囲から不審がられたものです。
昔は、JJ、CanCam、ViVi、Rayといわゆる赤文字雑誌を毎月チェックしてました(会社に置いてあったのです。。。)。そもそも赤文字系とは、青文字系と双璧をなす派閥で、赤文字系はいわゆる男ウケを意識したリア充っぽいファッションで、青文字系とは個性を打ち出した同性ウケを意識した・・・。
と、語り始めると長いのですが、ともかくこの「クラッシィ」は「JJ」のお姉さん世代にあたる雑誌です。出版社は光文社。光文社が出している雑誌の系譜というモノがあって、さらに上が「VERY」、そしてさらに上が「STORY」・・・と、まあ、そんな話はいいのです。
ともかく、そんなクラッシィで連載しているのは、ちょっとうれしくて、毎月楽しく書いています。
そこで最近来た恋愛相談が「隙がないって言われる」というものでした。それを読んで、ため息が出ましたね。
まだか、と。恋の悩みというのはいつまでも普遍だな、と。あるいは、ようやく来たか、と。
なぜなら、僕自身、もう10年以上前に、この「隙」ということについて、答えを出していたからです。
働く女性、自立した女性、しっかりした女性、自分を磨いた女性、素敵な女性、ハイスペな女性、大人な女性。
みな、一様に、この問題にぶつかるのだな、と。それがついに、というか、10年遅れで「クラッシィ」読者にも来てるのだな、と(クラッシィは、いわゆるコンサバ目=男性受けを意識したファッション誌です。いわゆるキャリア女子向けではありません)。
というわけで、10年前に発見し、最近、連載コラムでも書いた、「隙」の正体について、今回は語ります。
前置きが長くなりました、今回のシン・時事恋愛(2010年〜11年に日経ウーマンオンラインにて連載していたオトナ女性のための恋愛コラムの再掲)、どうぞお楽しみください。
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みなさん、こんにちは! 働き女子に”恋愛寒稽古”をつける「時事恋愛」、今回のテーマは「隙のある女」です
「恋と仕事のキャリアカフェ」では、これまで長年にわたって「隙」について考えてきました。まじめできちんとした女子に限って、男友達や同僚から「完璧すぎて隙がない」だとか「なんとなく隙がなくて近寄りがたい」だとか言われる、あの”隙”です。みなさんも一度は「もっと隙があればモテるのに」などと言われたことがありませんか?
ところが、この「隙」というのが実にやっかいなしろもので、「なるほど」と素直に受け止めて作ろうにも作り方がよく分かりません。
「愛想をよくすればいいの?」「スキンシップをもっと取れってこと?」「笑顔をもっとおおげさにしたほうがいいのかな?」・・・疑問は深まるばかりです。
次第に、「要は、男たちの好きな”ドジっ子萌え”ってこと?」「『誘われたらいつでもOKよ』っていうサインを出せってこと? そうなの?」「結局、露出の問題なんでしょ?」と、キレ気味に混迷を深めてしまう女子は少なくありません。
また、確かに”男好き”する雰囲気を振りまいているコは身の回りにいて、彼女がチヤホヤされているのを見ると一瞬「うらやましいな」とは思うものの、すぐに「でも、ああまでしてモテたいとは思わないな」と冷めてしまい、いまひとつ乗り気になれないのも事実。
こうして「隙」とは恋愛における永遠の謎の一つとされてきましたが、このたび、ついに「隙の正体」が分かったので、みなさんにお伝えしたいと思います。
(その前に、そもそも「隙」を辞書で調べてみると「つけ入る機会」「油断」などといった意味で、これはもう完全に受け身モード全開、相手からの「攻め待ち」姿勢の言葉であることが分かります。この時点ですでに時代遅れであり、現代の積極的な女性には「隙」なんて不要なのだと言い切ってしまうことも出来るのですが、そうは簡単に行かないのが恋愛の妙ですから、ここはもったいぶらずにお教えしましょう!)
ずばり、「隙」とは「好き」です!!
・・・・・・ええと、別にダジャレ・語呂合わせの類ではありません。これから順を追って説明していきますので安心してください。
そもそも恋愛における「隙」とは、相手にどれだけ心を許しているか、心を開いているかというバロメータ。ですから、相手の男性のことを「好き」になれば、自然と「隙」は生まれるというのが僕の考えです。
好きな人の前では誰しも、表情が柔らかくなり、愛想もよくなり、言葉づかいも優しくなりますよね。その人に見られていると思うと、つい緊張して普段はしないような失敗をしてしまったり、ちょっとしたきっかけでほほが赤らんでしまったり。
誘いがあればついていきたくもなるし、飲み慣れないお酒だって無理して飲んでしまうはず。およそ「完璧」という言葉とはほど遠い状態になるでしょう。これが「隙」です。
「隙」とは、好きな人の前で自然と表情や態度に表れてしまう、じんわりと温かなオープンマインドさ、なるべく一緒にいたいなという静かな欲求のことなのではないでしょうか。
となれば、別に好きでもないそこら辺の男性相手に「隙」なんて作ってあげる筋合いはありませんし、そもそもそれは無理なことなのだと納得がいきます。
別に恋愛相談を持ちかけているわけでもないのに、何かというと「○○ちゃんは、もっと隙を作ったほうがいいよ」だとか「なんか隙がなくて、とっつきにくいんだよねぇ」と無神経なことを言いつのってくる男性には、内心「そりゃそうですよ、だって、あなたのこと好きじゃありませんから」と毒づきつつも、「ほんとにねえ、困っちゃうんですよ~」とにこやかに受け流すのが、オトナ女子の余裕というもの。
「隙のある女」になってモテたいのであれば、無理にキャピついてみたり、慣れないボディタッチを試みるのではなく、まずは好きな人を作ることから始めてみましょう!・・・もちろん、実はそれが一番難しいのですが・・・・・・。
みなさんの健闘と幸せを心から祈っています!
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