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「彼氏(彼女)が入院してしまって」と会社を休めますか?(シン・時事恋愛)

以前連載していた、「時事恋愛」をプレイバックする、この企画。第2回の原稿を読み返して、むむむ、とうなりましたね。

10年たっても社会は変わらないというか、なんというか。

でもまあ、少しは変わったかな。身のまわりに事実婚の人も(そして、それを普通に言う人も)増えました。

同性のパートナーへの意識も、少しは変わりましたかね。

「結婚していること(法律婚)=正義(幸せとか、そういうことじゃなくて、あくまで社会制度的に)」という風潮が少しでも変わることが、この国のいろんなことをよくするのでは、と思うのですが、どうなんでしょうね。

いずれにしろ、恋愛コラムの新連載第2回目で、こんな内容書いてたなんて、当時の僕、硬派だなあ笑

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みなさん、こんにちは! 働き女子の”恋愛解放宣言”にサインする「時事恋愛」、今回のテーマは「恋人と夫婦の境目」です。
 
 「恋と仕事のキャリアカフェ」を訪れる女子たちの中にも、「籍を入れる前に、親公認で”お試し同棲”をしている」「5年つきあっている彼がいて、結婚はしていないけれど家族よりも誰よりも大事な人」など、結婚とは異なる形のパートナーシップを築く人が増えてきました。
 
 形式や呼び方はどうあれ、ピンチの時に支え合い楽しいことを分かち合い、一生一緒にやっていこうと思える相手と巡り会って、一生懸命幸せな関係を築いている彼女たちの姿を見ると、心の底から応援したくなります。
 
 ところが、この国ではまだまだ「夫婦」「家族」以外の男女関係に対する理解は不十分といわざるを得ません。法律や税制度はもちろんのことですが、普段の生活、とくに会社でもそういう空気があると思いませんか?
 
 たとえばあなたが仮に、
 
 「子供がインフルエンザをこじらせて入院したので、早退します」
 
 と言うと、周囲の人は「それは大変だ、ぜひそうしてあげなさい」と言ってくれるかと思います。
 
 次に、
 
 「夫がインフルエンザをこじらせて入院したので、早退します」
 
 と言った場合。これも、「あれあれ、それは大変だね」となりそうです。
 
 ところが仮に、
 
 「彼氏がインフルエンザをこじらせて入院したので、早退します」
 
 というと、とたんに「?」とけげんな表情をする人が増えるはず。中には「職場に恋愛の話を持ち込むな」と怒り出す人もいるかもしれません。本人にとってはどれだけ大切で、どれだけ病院に付き添ってあげたい人であろうとも、周囲からは「家族かそうでないか」で判断されてしまうのです。
 
 ある会社の福利厚生施設の利用規約には、「同伴者は家族、または婚約者に限る」という但し書きがあり、思わず首をかしげてしまいました。
 
 もちろん、どこかで線引きするのが秩序であり社会というものでしょう。が、それでもことほどさように、”恋人”(彼氏、ダーリン、パートナー、相方)への世間の目が不当に冷たいことを、とても悲しく思っています。
  
 夫婦別姓の動きや、事実婚や同棲・同性カップルが増える中で、日本のパートナーシップ観も少しずつですが変わりつつあります。
 
 「夫ではないけれど誰よりも大事な彼」のことを堂々と他人に話し、自分の人生に欠かせない人として誇りに思う女性がもっと増え、それに呼応するように”恋人”の社会的地位が向上すれば、現代の硬直・疲弊した日本経済・社会もいい方向へ動き出すのではと、期待してやみません。
 
 みなさんは、彼のことを公の場で話せますか? 照れずに、パートナーを自慢できますか?


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