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「好みのタイプは漁師です!」(シン・時事恋愛)

最近、こんな文章を読みました。

鈴木涼美さんは、菊地成孔を彷彿させる書きぶりが、いい意味でうっとうしい(褒めてます!)書き手の方で、注目してます。

https://www.gentosha.jp/article/15511/

90年代終わりからゼロ年代の米国でまさにホット・トピックだったのが、セクシャル・ハラスメントやLGBTの問題だったわけで、当然、セクハラ、パワハラ、ゲイがらみの珍妙な訴訟が次から次に登場するのだが、その様子がまさに全世界でその後繰り返される終わりなき議論と一致する。

これは、ほんとそうで、日本という国は「アリーマイラブ」を見ても、「セックスアンドザシティ」を見ても、変わらない。歴史は繰り返すというか、状況は変わらないというか。

約10年前、僕は36歳で、身のまわりのアラサー女性たちは、たくさんいろいろなことを考えていました。

話を聞きながらそのリアルをすくい取ったコラムが、時事恋愛なわけですが、10年経った今でも、いまの悩める女性たちにも、多少でも意味があると信じて再掲し続けています。

今回のテーマは、異文化恋愛です。どうぞお楽しみください。

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みなさん、こんにちは! 働く女子のリアルな恋模様をつづる「時事恋愛」、今回のテーマは「異文化恋愛」です。

最近、友人女性が立て続けにふたり、結婚しました。この結婚難の時代によくぞ!と、お祝いがてらランチをしてその経緯を聞いてみると、どちらも、「なるほど!」とひざを打ちたくなるような結婚ストーリーだったのです。

マユミさん(仮名・31歳)は、テレビ局で派遣事務として働くふくよかでにこやかな女性。もともとマスコミ志向のある彼女は、これまでつきあってきた人はプロデューサーや編集者など年上の業界人ばかり。お約束の不倫も、人並みにたしなんでいました。

ところが、30歳を目前にしたとき突然、「はっ! 私、なにやってんだろ!?」と目が覚めて、それからというもの、「どうせつまらないだろう」と相手にもしてこなかった真面目タイプのサラリーマンと、きちんとデートをするようになったのです。

ま、結局のところ、実際つまらない男が多かったらしいのですが、とにもかくにも、そうやって社会復帰を計っていたころに、出会ったのが現在の夫さん。職業は調理師、年齢は5歳年下とのこと。インテリアの趣味に若干のヤンキーテイストは感じるものの、一緒に暮らしていると大きな優しさに包み込まれるのだそうです。

サオリさん(34歳)は、保険会社で一般職として働く、すらっとしたモデル体型の超美人。育ちのいいお嬢様で、大学生時代から医大生や官僚、外資系証券マンといったハイステータスな男性とばかりつきあってきました。結婚のチャンスも何度かあったのですが、なんとなく見送っているうちに30歳を超え、周囲も本人もと焦ってきた昨年末、ようやく今の夫さんと出会いました。

職業は、広告制作会社のデザイナー。7歳も年上のバツイチで、仕事は忙しいし独立したてで収入も不安定。当然両親は大反対しますが、一目見たときから「この人と一緒にいると不思議と気持ちが安らぐ」と思った自分の直観を信じ、鉄の意志で親を説得。このたび見事ゴールインとなりました。

このふたりのように、30歳を過ぎたあたりで、意図的あるいは偶然に、自分がこれまで生きてきた世界(学歴、職業、業界、趣味、年齢)とはまったく違う、異世界の人と恋に落ち、結婚する女性が増えています。

確かに、住む世界が同じ人のほうがなにかと安心です。これまで歩んできた軌跡が似通っているほうが、話も合うし、親への紹介、同居してからの生活などのことを考えると、結婚へのビジョンも見えやすいものです。

なのにそういう、自分と同じような出自・階級の相手とだとなかなかうまくいかず、さっぱりモテなかったり、つきあってもすぐに別れたりしてしまう。そんな話をよく聞きます。

狭い交友関係の中で、同じような男性とばかり短いつきあいを繰り返し、「私はうちの業界の人たちとはノリが合わない」とジレンマを抱えたまま、ぐずぐずと煮詰まってしまっている女子、身の回りにいませんか?

中学や高校生のころなら、クラスが同じ、音楽の趣味が同じというだけで、相手のことを好きになることもあったでしょう。ですが、これだけオトナになってくると、趣味や好みも細かく分化され、こだわりポイントや意固地な信念もがっちりと固まってしまうので、「住む世界が一緒」というだけで、イコール、価値観が合うということには、なかなかならないはずです。

ですから、もし自分が普段接する男性たちになんとなく違和感を感じるのであれば、思い切って、普通なら一緒に話すこともないような職業・世界・年齢の人と一緒に飲んでみると、状況を打開できるかもしれませんね!

まったく期待してなかったのに、奇跡のように価値観が合う人と出会い、「もぅ〜、一体、今までどこに隠れてたの〜?」「お前のほうこそ〜!」と、お互いをイチャイチャとなじり合う、そんなほほえましいカップルを、これまで何組も見てきました。

最近、「恋と仕事のキャリアカフェ」を訪れた一流広告会社に勤める女子も、24歳(入社2年目)という若さにして直感的にそのあたりを看破。同じ会社の、物腰が柔らかく弁が立つけれど、どこか線の細い高学歴男子達に辟易したのか、「好みのタイプは漁師です!」と言い切っていました。

釣り糸を垂らしてもアタリがなければ、ポイントを変えてみるのは釣りの基本。そのとき、中途半端に何メートルか移動するのではなく、いっそこのこと海釣りから川釣りに変更、いや、もうこの際釣りなんてやめて、果物をもぎに山に入ったほうが、意外にいいことがあったりして・・・。

「30過ぎたら異文化恋愛」

みなさんはどう思われますか?

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※6月2日(火)に、エッセイやコラムを書くには、「考える」行為が欠かせない、というワークショップをします。

※こちらの記事もどうぞ。


https://note.com/iotatatsunari/m/m6907d44faea4


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