ちょうど10年前、日本の恋愛に起きたこと。

ちょうど10年前、恋愛はどのような状況におかれていたでしょうか?

今回のシン・時事恋愛(2010年〜11年に連載していたオトナ女性のための恋愛コラムの再掲)は、「草食系男子」がテーマです。

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「草食系男子」の存在が指摘されてから、はや数年がたちました。
この傾向は、決して一過性のトレンドではなく、いくつもの社会背景を抱えた「時代の必然」。2011年、男子の草食化はますます進むことでしょう。

 みなさん、明けましておめでとうございます! 働き女子の“年間恋愛予報"を発表する「時事恋愛」、2011年最初のテーマは「草食系男子」です。
   
 もはや社会トレンドというよりも”前提常識”となった「男性の草食化」。恋愛やSEXに消極的な男性が増えたことで、アラサー世代を中心とした多くの女性が困惑。「恋と仕事のキャリアカフェ」にも、「草食系男子はどうにかならないの!?」というクレームが絶えません。
 
 しかしながら、この傾向は一過性のトレンドではなく、いくつもの社会背景が折り重なった、いわば「時代の必然」。残念ではありますが、この2011年も男性の草食化は歯止めが利かず、むしろ加速することでしょう。
 
 年明けから暗~い話題で恐縮ですが、今回はその理由をきっちりまとめてみますので、しばしおつきあいください!!
 
 ◆原因その1「不況」
 バブル崩壊以降、日本の経済は先が見えず、来る日も来る日も暗いニュースばかりが続きます。復活の兆しを見せては途絶える、の繰り返しに、多くのサラリーマンが自信を失いもはや諦めの境地に達しつつあります。
 
 そのことは当然、恋愛にも影響を及ぼします。「自分には輝かしい未来が待っている」と信じるのが難しい彼らに、勢いよく女性を口説こう、恋愛・結婚に持ちこもうというエネルギーはほとんど残っていません。
  
 終身雇用(と職場結婚)で支えてきた日本社会の繁栄=男子の恋愛パワーは、いまや風前のともしびというわけです。
 
 ◆原因その2「情報化」
 この20年ほどで、この国は圧倒的な情報化の波にさらされました。当然その影響は恋愛にも出ています。
 
 携帯電話やメール、SNSなどを通じて「常に誰かとつながっている」ことが可能になったこの時代。恋愛を加速させる大きな要因だった「さみしさ」意識が希薄になり、多くの男性が「ひとりと深く」ではなく、「たくさんの人とゆるく」つながることを好むようになりました。
  
 さらに、性情報の氾濫も見逃せません。恋愛を加速させるもうひとつの要因だった「男の性欲・妄想」が、ネット動画などを対象に手軽に拡散。「アイドルブーム」「萌えの流行」などとあいまって、生身の女性との恋愛・SEXにエネルギーを費やす男性は、極端に少なくなってしまったのです。
 
 ◆原因その3「少子化」
 この国で少子化が初めて注目されたのは1980年代のこと。いまの20代・30代男性は兄弟が少なく、一人っ子男子も多くなっています。
 
 当然、「5ポケット/7ポケット」(両親だけでなく、祖父母や親戚のお金がひとりの子に集中する)などと言われるように、愛情もお金もたっぷりと注がれ、欲しいものはなんでも与えられてきました。
 
 競争心を抑える教育(例:徒競走では順位をつけないなど)などともあいまって、ガツガツしたハングリーさよりも、周りに気を使えることを美徳として育てられてきた彼ら。
 
 そんな気の優しい彼らに「他の男と争ってまで、好みの女性をゲットする」というメンタルはそぐわないのです。
  
 これら3つの原因は、2011年に根本的に解消されることはなく、むしろ加速するはず。日本社会の変質とともに、恋愛のカタチも変わらざるを得ないというのが、現状です。
 
 じゃあ、どうすればいいか。女子としての選択肢は大きく分けてふたつです!
 
 ひとつは、こうした傾向にいち早く対応し、恋愛や家庭を自分で積極的に作っていこうとする方向。個人的にはこちらがオススメです。
 
 もうひとつは、数少ない、恋愛に積極的な男性を探し求めることです。この場合のキーワードとしては、「地方男子」が挙げられます。
 
 今回考察した3つの要因は、どれも都市部に顕著な傾向。端的に言えば「地方の男性であれば、まだまだガッツとエネルギーにあふれ、恋愛に前向きな男性がいるかも」ということです。冬休みに帰省して、早々と家庭を作っている同級生と再会した方も多いことでしょう。
 
 今年は、これまで以上に「旅先での出会い」に気を留めてみてはいかがでしょうか?
 
 2011年が、みなさんにとって実りある年になることを心から祈っています!


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