見出し画像

ローカルビジネスマニア北川智博の推し食材。すべての赤身肉好きにオススメしたい「岩手県山形村の短角牛」

普段は秘密にしておきたいお気に入り食材をこっそり教えてくれるプロジェクト『#わたしの推し食材』。
Vo.6はローカルビジネスマニアの北川さんです。

フードセレクター紹介

こんにちは!東京と香川の2拠点生活をしながら、日本全国いろんな地域や産地のプロデュースに関わらせてもらっている、北川と申します。子どもの頃から地域に遊びに行ったり、採れたて食材をいただいたり、生産者さんのリアルなお話を聞いたりするのが大好きな子どもがそのまま大人になって遊びが仕事になった感じです。
普段は月の半分以上いろんな地域に伺って各地のプロジェクトに参加させてもらっているんですが、新型コロナ感染拡大の影響で外出できない日々が続いており、地域には赴けないけれど地域のことを紹介することで気分だけでも地域と繋がって、皆さんにも知らない地域の素晴らしい魅力に出会っていただきたいなと思っています!

画像1

わたしの推し食材

商品名:岩手県山形村の短角牛
販売者:有限会社 総合農舎山形村

画像2

赤身肉は好きですかぁ〜!!!!!

「焼肉行ってもハラミばっかり」
「年齢とともにあぶら身や脂肪がしんどくなってきた」
などなど、ここ数年で赤身肉の人気が上昇中!

僕は子どもの頃から魚を主食として育ってきたので、お肉の脂や刺しが非常に苦手でした。それはもう、鶏肉の皮やトンテキの脂の部分もとにかくダメで給食とかも最後まで食べられないくらい。。。(今はだいぶ慣れましたw)

そんな僕が是非オススメしたいのが「岩手県山形村の短角牛」です!
見よ、この鮮やかな赤!これは宣材写真をお借りしていますが、実物も本当に遜色ないんです。

画像4

軽めに焼いて、粗めの塩胡椒がオススメ!

まあ騙されたと思って食べてください。とにかく旨味が半端ないんです。「グルタミン酸やイノシン酸と言ったアミノ酸含有量が多い」というのは赤身肉をいただく際によく聞くフレーズですが、この見たこともないグルタミン酸とイノシン酸が脳内にガシガシ旨味を伝えてくれるのです。(想像)

赤身肉は焼き方が難しいらしくその辺はプロのシェフの方々にお任せするとして、僕は、サラダ油と購入したらついてくる牛脂をホットプレートで熱して油をいっぱい出します。油が暖まったら中火くらいで表面から肉汁が2〜3滴出てきたら裏面を焼いて粗塩で食べる!!!!!

画像5

購入はこちら!

総合農舎山形村公式HP

※ご注文締め切りは毎月10日、発送は第三木曜日とありますが、早く食べたくてしょうがない方は「なる早発送希望」と備考欄にご記入ください。

※総合農舎山形村の川村さんより「ご希望の方は「焼肉カット希望」とか「ステーキカット希望」など購入希望の方のご希望に出来る限り対応しますので、遠慮なくご希望を記入いただければと思います。」とのこと!

山形村短角牛に出会ったきっかけ

山形村短角牛に出会ったきっかけは以前、岩手県主催のいわて農林水産躍進大会(一年に一度、先進的な取り組みなどを行う農家さんを県が表彰する大会)で基調講演をさせていただいたとき、講演後にガチガチスーツ姿の一見コワモテなお兄さんに声かけられ、恐る恐る名刺交換したのが山形村短角牛の肥育部会部会長、中屋敷さんでした。(山形村短角牛は種付して出産した子牛を育てる繁殖工程と子牛から成牛まで育てる肥育工程に分かれ、中屋敷さんは肥育部会の会長さん。)

画像6

その後、中屋敷さんと仲良くなりお茶したり、現地に伺わせていただいたりする中で、山形村短角牛の魅力にどんどん引き込まれていくわけです(笑)
いろいろ特徴はありますが、上の写真は「山上げ」という伝統的な飼育手法で初夏から秋にかけて牛さん親子を放牧します。牛さんたちは広大な自然の中で生の牧草を食べて育つのです。このプロセスを経ることによって自然のエネルギーを蓄えるんでしょうね。

赤身肉について知ってほしいこと

よく日本の美味しい肉=和牛と言われますが、日本には4つの品種にわかれるそうです。
・黒毛和種
・褐毛和種
・日本短角種
・無角和種

この和牛の中で90%以上が黒毛和種と言われる黒毛和牛です。黒毛和牛は良質なサシが多くなるほど評価が上がり(A5ランクとかよく聞きますよね)、赤身とサシを楽しむお肉ですね。この黒毛和種が評価されやすい仕組みということも(需要が大きいということでも)あるので流通時の単価は高いのです。

※日本の評価システムを詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

一方で和牛評価制度では評価されずらいのが赤身肉です。
赤身肉は赤身の部分と脂の部分がはっきりとわかれるそうで、下処理の段階で脂の部分を切り落とすので歩留りが悪く、「A5ランク」だと「A〜C」の部分の評価が下がり、サシがあまり入ってないので「5〜1」の部分の評価が下がるそうです。(もっと詳しく知りたい方は上記リンクを見てね)

ということは、生産者さんとしてはより高く売れる黒毛和牛を育てたほうが合理的だよね!って話になるし、一部の生産者さんによっては短角牛やあか牛などの赤身肉になる品種と黒毛和牛を並行して育てるわけです。もちろん品種によって餌や育て方も異なるのですが、さらに一部の生産者さんによってはより合理的に経営するために黒毛和種の頭数を増やし肥育方法も黒毛和種のやり方で統一しないと経営的に成立しない農家さんも出てきています。

そうすると、「短角牛」や「あか牛」の品種なのだけど肥育方法が黒毛和種と一緒なので黒毛和牛のようなサシが入っていたりして赤身肉感がない・・・なんてことが起きるわけです。僕も生まれ故郷のあか牛が大好きだったのですが、最近のお肉はサシが普通に入ってて大好きだった頃のあか牛ではなくなってきているのかと感じます。
※もちろん、真面目に品種に合わせ肥育方法を貫き通している生産者さんもたくさんいますし、評価や経済の仕組み上で経営判断をされている生産者さんを批判する意図は一切ございません。

自分の評価基準を持とう!

僕もいろんな地域に伺わせていただいて知らなかったことをたくさん学びました。でも、何が悪いとか良いとかって話じゃないと思うんですよね。上記のような既存評価システムが時代の変化や世の中のニーズに追いつけていないケースって1次産業だけでなく、政治・経営・経済・文化などいろんなところにありますよね。評価システムって影響力絶大で、評価システムがうまれた背景やそのシステムによって解決したかったことを知らないと、全ての思考や行動が既存のシステムから逆算して考えてしまう。

あくまで評価システムはそれであって、自分にとって何がよくて、何が好きで、何が正しいと思うのか?多様性の時代だからこそ、そんな思考も大事なのかと。

ということで、この愛情たっぷりに育てられた希少な山形村短角牛を是非皆さんのご自宅で楽しんでいただけると嬉しいです!

さて、次はどの食材を書こうかな〜♪



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集