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ビートたけし・明石家さんま・タモリ…なぜビッグ3は今もなお売れ続けているのか

ビッグ3と言えば、芸能界の大スター、ビートたけし・明石家さんま・タモリの3人を指す言葉。一説には1988年頃からビッグ3と呼称されるようになったとされ、すでに30年以上もビッグ3として君臨し続けていることになります。

1988年といえば、たけし41歳、さんま33歳、タモリ43歳の年。2020年現在、第一線で活躍する芸人・タレントの年齢を考えると、ナインティナインの岡村が50歳、くりぃむしちゅーの上田も50歳、有吉弘行も46歳ですから、いかにビッグ3が圧倒的な若さでトップの座に就いたかがわかります。

ビッグ3の3人は、バブル期に比べれば露出は減ったものの、今もなおゴールデンに冠番組を持ち、大活躍しています。そして「面白い」。さんまに至っては、現役バリバリで番組を大回ししています。なぜビッグ3は今もなお売れ続けているのでしょうか?

ビートたけし著『テレビじゃ言えない』では、ビートたけし本人が「なぜビッグ3は売れ続けているのか」を分析しています。

まァ、オイラたちがいまだに重宝されるのは「とらやの羊羹」や「伊勢丹や三越の紙袋」と同じ理屈だよ。手土産を渡すほうももらうほうも「老舗ブランド」のほうが安心ということでね。もう「名前」で事前に判断されちゃって、受け手のほうにも「笑う準備」ができているんだよな。

ビートたけし『テレビじゃ言えない』 p159-160

確かに、ビッグ3が出てくるだけで視聴者はワクワクしますし、安心感があります。すでに、出演するだけで面白いという雰囲気が醸成されているのでしょう。これが、ビッグ3が未だに需要がある理由です。

一方、ビッグ3の次の世代はどうなのでしょうか? 本書では、次のように語っています。

この世代(筆者注・ビッグ3より下の世代)ってのは意外と礼儀正しくて、「ビッグ3の寝首を掻いてやろう」なんて考えはあまりなさそうなんだよな。ありがたいことではあるんだけれど、あの辺の世代が難しいのは、みんなビッグ3あたりがやってきたスタイルの踏襲だったり亜流だったりすることなんだよ。だから、オイラやさんまが伊勢丹や三越だとしたら、それじゃどう上手くやっても「一流半の新興デパート」になってしまう。

ビートたけし『テレビじゃ言えない』p160

その上で、ビッグ3に取って代わろうとするなら全く新しいやり方を考えなきゃいけないと語っています。しかし、今のテレビ業界では、そのようなチャンスはなかなか与えられないと話すたけし。ビッグ3を超えるには、踏襲や模倣ではなく「創造」していく必要がありそうです。

しかし、ビッグ3というブランドは、そう簡単には超えられないのではないかとも思うわけです。とらやの羊羹が数百年のブランドであるように、ビッグ3もブランドとして後世に残ることでしょう。それは代々襲名していく名跡のようなものであり、(おそらく誰も襲名しないでしょうが)今後も残り続ける名前なのです。

となると、ナイナイ岡村やくりぃむ上田は独自のブランドを構築し続けるのが良い選択肢だと思うわけです。岡村は「2代目志村けん」、上田は「司会王」という称号を貰っているわけですから、それに磨きをかけていくことが求められます。

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本書では、「たけしルール」なるテレビ放送の基準も明らかにされています。ほかの芸能人ならアウトになる発言も、たけしならセーフとなるという謎のルールです。それをOKにしてしまうたけし本人の人柄が、社会全体に浸透しているからなのかもしれませんが、そのルールの存在も、いまだにたけし本人が売れ続けている理由なのかもしれません。


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