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なぜ「CapsLock」キーがあるのか? いろいろ調べてみた

今、パソコンで読んでいる方は、CapsLockというキーをご覧ください。このキーはどのくらいの頻度で使われていますでしょうか? おそらく、ほとんどの方は使ったことが無いのではないでしょうか?

このCapsLockキーですが、たまに「A」キーを押すときに間違えて押してしまう……なんてことも。使わないキーなのに、なぜキーボードに採用されているのか疑問です。

ということで、今回はCapsLockキーがなぜ存在するのかについて調べてみることにします。

アルファベットの大文字・小文字を切り替える機能

そもそも、CapsLockキーの機能は以下の通りです。

アルファベットの各文字のキーを押した時に大文字・小文字のどちらが入力されるかを切り替える働きがある。CapsLockキーがオフの状態では小文字、オンの状態では大文字が入力される。

CapsLockキー(キャップスロックキー)とは

CapsLockは英字の大文字と小文字を切り替えるためにあるのです。しかし、英字の大文字は、Shiftキーを押しながら各々のキーを押すだけでも入力可能。わざわざCapsLockを押す必要はないと思いますが……。

Shiftキーと共に押したときの動作に近いが、Shiftキーによる切り替えは数字・記号キーなどでも有効なのに対し、CapsLockキーは英字のキーのみで有効となる(「1」が「!」になることはない)。

CapsLockキー(キャップスロックキー)とは

CapsLockは英字キーのみ有効で、数字や記号が切り替わることはないとあります。しかし、英字キーのみ有効にするメリットも少ない気が。

CapsLockの原型はタイプライターにあり

Wikipediaで調べていると、興味深い記述がありました。

1978年1月発売のレミントンNo.2タイプライターは、「Upper Case」キーで大文字に切り替え、「Lower Case」キーで小文字に切り替えるタイプライターだった。この「Upper Case」キーがCapsLockキーの原型だとされる。

「Lower Case」キーが無くなりシフトキーに代わってからも、タイトルやトップページ等の大文字が長く続く部分をタイピスト(タイプライターを打つ専門の職業)が入力する際に、手動でシフトキーを押し続ける労力を省くためCapsLockキーとして継続した(タイプライターのキーは打鍵が直接印字となるため、コンピュータのそれと比べればピアノのように重いキーであった)。
Wikipedia「CapsLockキー」

タイプライターのキーは重く、シフトキーを押しながら英字キーを押すのは負荷が掛かっていたようです。そこで、大文字で固定すべくCapsLockキーが存在したとのこと。ちなみにCapsLockはCapital letters(アルファベットの大文字)の略です。

CapsLockキーは世界でもイジられている

海外では「International Caps Lock Day(世界CapsLockの日)」なるものがあるそうで、完全にイジられています。

世界CapsLockの日のWebサイト上では同キーを無効化する方法が紹介されており、CapsLockを礼賛しているわけではありません。おそらく、“うっとうしいだけの役立たずなキー”を斜め上の方向に祭り上げて、ネタにしているだけのようです。

君は「世界CapsLockの日」を知っているか 年に2回もあるんだぞ

世界CapsLockの日は、6月28日、10月22日の年2回もあります。最近ではTwitter上で「#CAPSLOCKDAY」というハッシュタグで遊ばれている模様。

大文字で書かれた文章=叫んでいる表現

海外では、大文字で書かれた文章は「叫んでいる表現」になるそう。だからこそ、CapsLockは「叫んでいる感じが出てしまうキー」としてイジられているんですね。

海外ネットユーザーのあいだでは「大文字で書かれた文章=叫んでいることの表現」と捉える向きがあるとのことで、言ってみれば、ポチッと押すと絶叫が止まらなくなる困った魔法のスイッチのようなものとして認識されているようです。

君は「世界CapsLockの日」を知っているか 年に2回もあるんだぞ

ちなみに6月28日が記念日になっているのは、ある通販番組出演者の命日。この人物があまりにも大声で話すことから、まるでCapsLockを押しながらキーを叩いているかのような印象を受けるため、この日を記念日としたそうです(参考記事)。10月22日の由来は、ソフトウェア開発者のDerek Arnold氏がそのように定めたからとのこと。

10月22日の方の世界CapsLockの日は、ソフトウェア開発者のDerek Arnold氏によって2000年に誕生。以前は“自称”公式サイトも公開されており、そこには妙にゴキゲンなGIF動画とともに、「私たちは毎年、CapsLockと愛し合っている」などの文章が並んでいました。意味はさっぱり分かりませんが、全て大文字になっており、CapsLockを使って書いていたものと思われます。

君は「世界CapsLockの日」を知っているか 年に2回もあるんだぞ

CapsLockを必要としている人もいる

このように、あまり機能していないCapsLockですが、必要としている人もいます。例えばCOBOL使いの人ですね。最近では小文字でもコーディングできるようですが、CapsLockを多用している人もいるみたいです。

また、指に障がいがある方は、Shiftキーを押しながら入力するということが困難な場合があります。ですから、CapsLockキーを使うわけですね。

依然としてCapsLockキーが存在しているのは、まだ需要があるからなのです。ただ「CapsLockキーなんて要らない」ではなく、想像力を働かせて物事を考えたいものです。

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