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3月14日放送分『青天を衝け』プチ解説

2021年の大河ドラマ『青天を衝け』が面白いです。通常の大河ドラマだと、物語の序盤(1月~3月)はあまりストーリーが展開しないので、退屈に思う人も多いように感じます。しかし、本作は脚本がしっかりしているからなのか、序盤から引き込まれます。

今回も、『青天を衝け』のプチ解説をお送りします(前回の記事は以下)。今回は、3月14日放送分に関する記事です。

1.流行り病

劇中で紹介された疫病の流行。最近話題になった"アマビエ"も登場するなど印象的なシーンでしたが、幕末に流行したのはコレラです。1822年(文政5年)の「文政コレラ」、1858年(安政5年)の「安政コレラ」が有名。1862年(文久2年)にもコレラの流行がありました。特に安政コレラでは、江戸だけで10万人が死亡したと言われています。

2.水戸藩邸と一橋邸の距離

水戸藩は参勤交代は免除され、常に江戸に居住していました(「定府制」と言います)。御老公こと徳川斉昭(演・竹中直人)が住んでいたのが、水戸藩の上屋敷(現在の小石川後楽園)です。一方、一橋徳川家の屋敷は、江戸城平川門の付近(現在の丸紅新本社ビル)にありました。なので、この2つの藩邸の距離は、現在の竹橋駅と後楽園駅くらい離れていたと言うことができます。歩くと20分くらいでしょうか。幕末当時としては、近い距離であると言えます。一橋邸にいた慶喜が、水戸藩邸の斉昭の無事を確認しに行くのは容易だったということがわかります。

3.安政江戸地震

今回のラストで発生した地震。1855年(安政2年)に関東地域で発生しました。現在の千代田区丸の内付近で震度6以上、中央区日本橋・銀座付近で震度5規模の地震だったと推定されています。江戸市中の死者数は1万人、大名屋敷では266家のうち116家で死者が出ています(参考)。劇中でも、藤田東湖(演・渡辺いっけい)が死亡していますね。

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以上、3月14日放送分『青天を衝け』プチ解説でした。今回は疫病に地震にと、ここ10年の日本でも起きたことを扱っていましたね。

まだ栄一は慶喜に出会っていませんし、時代は幕末とはいえ、徳川幕府のほうが力を持っていた頃です。『晴天を衝け』も、まだまだ序盤。ここから長州・薩摩などの雄藩が、いかにして倒幕を進めていくのか大注目です。

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