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24/5/15 米国PPI解説(速報)

主に全世界に影響する米国株式市場の毎日の動向を、
各種経済指標や様々な指数を基に解説、分析しています。

■米国生産者物価指数(PPI)説明(サマリー)

5/14(火) 21:30に米国生産者物価指数(PPI)が発表されました。
結果は予想よりも高い数字となり、インフレ再燃が意識される数字となったことで発表直後の株式市場はリスクオフ(下落)方向に反応しました。
ただ、中身をよく見てみると一部の主要項目は落ち着きを示しており、投資家目線ではそこまで悪い結果ではなかったことで米国金利は低下し、株価は上昇となりました。

【主要株価指数の推移】
△ナスダック100指数は+0.68%
△S&P500種指数は+0.48%
△SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)は+1.68%

本日発表のCPIの結果を見るまでは注意が必要ですが、引き続き堅調な値動きとなっております。

■米国生産者物価指数(PPI)内容詳細

米国の生産者物価指数(PPI)の結果は以下の通りです

PPI
  • PPI前月比:+0.5%(予想:0.3%、前回:0.2%)

  • PPI前年比:+2.2%(予想:2.1%、前回:2.1%)

食品とエネルギーを除いたコアPPI
  • コアPPI(前月比):0.5%(予想:0.2%、前回:-0.1%(確報値))

  • コアPPI(前年比):2.4%(予想:2.3%、前回:2.1%(確報値))


これらの結果から、生産者物価指数は予想を上回り、インフレ圧力が高まっていることが示されています。
この結果は、一般的には金利の上昇を引き起こし、それが株価にネガティブな影響を与える可能性があります。
なぜなら、金利が上昇すると、企業の借入コストが増加し、利益が減少する可能性があるからです。
しかし、前回結果の確報値が下方修正されている為、その分今月の結果が強く見えているところもあり、まちまちな結果だったと言えると思います。


■生産者物価指数とは?

米労働省が発表する生産者物価指数(PPI)は、
国内生産者が販売する商品やサービスの価格を測定する指標です。
PPIは製造段階別(原材料、中間財、最終財)や品目別、産業別などで分類されていて、
PPIが上昇=インフレ傾向
PPIが下落=デフレ傾向
と見ることができます。PPIの変動は連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を推測する手がかりとなる為、投資家はその推移に注目しているわけです。

尚、FXの観点から見ると、PPIが予想より高い結果となれば米ドルにとって買い材料とされ、予想より低い結果であれば米ドルにとって売り材料と解釈されます。

■生産者物価指数が株式市場に与える影響について

①金利の上昇
PPIの上昇は、インフレ率の上昇を示す可能性があり、この場合は米中央銀行(FRB)が金利を引き上げる可能性があります。
金利が上昇すると、企業の借入コストが増加し利益が減少する可能性があり、結果として株価にはネガティブな影響を与える可能性があります。

②企業の利益率の低下
PPIが上昇すると、企業の生産コストが増加し利益率が低下する可能性があり、結果として株価にはネガティブな影響を与える可能性があります。
特に、原材料コストが大きな割合を占める企業(例えば、製造業)は影響を受けやすいです。

③消費者支出の減少
PPIの上昇は、最終的には消費者物価指数(CPI)の上昇につながる可能性があります。これにより、消費者の購買力が低下し、消費者支出が減少する可能性があります。
消費者支出が減少すると、企業の売上が減少し、株価にネガティブな影響を与える可能性があります。

以上がPPIの上昇により考えられる株式市場への影響となります。
ただ、必ずしも全ての企業や株式に当てはまるわけではありませんし、株価はその他の多くの要因(例えば、企業の業績、経済の全体的な健康状態、地政学的なリスクなど)にも影響を受けますので、あくまで一般論としてご認識ください。

■まとめ

今回発表されたPPIは株式にはネガティブな結果ととなりましたが、前月の結果が下方修正されたことにより相殺された格好となりました。
PPIが予想よりも上振れして出てきたことから、本日(5/15)発表予定のより重要な指標であるCPIも良い結果は出ないように推測します。
しかし、現在の市場センチメントは強気に変化している真っ最中のため、私と同じく市場がみな悪化を予想していた場合は、例え結果が悪いものでも株価は悪材料出尽くしで上がっていくかもしれませんね。
本日21:30に発表されるCPIも注目してみていきましょう。

■最後に

私は、日々忙しい個人投資家の皆様に代わって市場動向を調査、分析し、
1日1記事を見れば株式市場の現在地(買い場なのか、売り時なのか、暴落が発生しそうなのか、株価が急上昇しそうなのか等)が分かるように内容をまとめて投稿していきます。

その他、マネーリテラシー向上につながる情報発信や、各種テクニカル分析の解説なども行っていきたいと思っておりますので、資産運用に興味のある方は是非フォローをお願いいたします。

※実際の投資判断については自己責任でお願いいたします。
※特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。

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