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♯1 AV女優になった私のお金の価値観

毎月、収入が安定せずに変動幅がある職の事を水商売と呼ぶ。

水商売に就くと、就く前に比べて収入額はぐっと上がる。

突然使えるお金が増えた事により、そのお金の使い方が分からずに、大金を手に入れたのにもかかわらず人生を破綻させてしまうという話をよく耳にする。

人生を破綻させてしまう人、それは“金銭感覚が狂ってしまった”人だ。

結論から言うと、私のAV女優になる前となった後のお金に対する価値観は、自分的には変わったつもりはない。

収入で言えば、正社員として会社に勤めていた時の何倍ものお金が毎月入ってきていた。

初めてAV女優として働いたお給料が振り込まれた時、「うわあ、多いなあ。これって現実なのかな?何に使えば良いんだろう」と思ったのを覚えている。

俗にいう“金銭感覚が狂う”に対しての私の認識は、手元にある金銭以上の浪費をしてしまう事。

要は、与えられたお給料の中でやり繰りする事が出来ず、生活が困窮してしまったらそれに該当していると思う。

あくまで持論だ。

逆に言えば、与えられたものの中で支出を収められているのなら、金銭感覚は狂っていない認識だ。

これに関しての意見は、十人十色だろう。

私はタクシー病という病気にかかった事がある。

AV女優の人がなりやすい病気だと教えてくれたのはマネージャーだ。

タクシー病とは、全ての移動にタクシーを利用してしまうという病気である。

他にお金の使い道が無かったので、本当にすぐそこの距離までだとしても必ずタクシーに乗っていた。

なるべく歩きたくなかったという理由もある。

寒い日は寒いし、暑い日は厚い。

そんな中、歩いて移動するのは苦痛だった。

これは我儘では無く、ごく普通の感情だと思う。

いや、やっぱり訂正しておく事にする。

ごく普通の感情でもあると思うし、我儘でもあると思う。

何年間かタクシー生活が続き、ある時、その行為が勿体無いと感じてからは乗車を控える様になった。

AV女優として働けるのは若い間だけ。

それに、若かったとしても仕事のオファーが届かなくなってしまえば、そこでAV女優人生は終わってしまう。

もしこの仕事を辞めたら、毎日タクシーに乗るなんて生活は出来なくなるだろう。

そんな事を思い、年を重ねる内に、そろそろタクシーはやめておこうかな、と思える様になっていった。

スーパーを利用する際には、今でもセール品を狙ったりする。

敢えて%OFFシールが貼られる時間に訪れる事は無いが、偶然見つければ迷わずセール品の方を購入する。

昔からこのスタイルは、ずっと変わっていない。

因みに食費はいくらまで、と毎月の収入額によって決めている。

今月は収入が多いからこれくらい、でも先月ちょっと予算オーバーしちゃったから今月はここから少し少なめにしよう、と試行錯誤していくのが何とも楽しい。

完全に自己満足ではあるが、食費の設定は大切だ。

職業的に、お金の価値観が変わりやすい事は間違いないだろう。

ただ、変わらない人達が一定数居るのもまた事実。

変わらない為の努力をしている人達が居るのも、事実。

他人事かと思うかもしれないが、誰しもが将来、突然大金を手にしてしまう可能性がある。

そんな時、無駄なお金を使わず済む様、事前に対策を練っておくのに越したことはないだろう。

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