プロローグばっかりのオリジナルSFを書いていく。《わたしの宇宙への旅》
宇宙が好きで、SFを書いてみたくて、まずはプロローグばっかりをたくさん書いていきます、というお話です。
とにかく宇宙が好きなのです
◆子どものとき
子どものときから、宇宙のはなしが好きでした。
宇宙の本は、大きくて重かった。
太陽系。太陽からはじまって、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星。海王星の青さには、とりこになってしまった。惑星探査機ボイジャーの探検をワクワクしてテレビで見ていた記憶。いまは太陽系を飛び出したってね。すごい。太陽系を飛び出せば、そこには星団、銀河、銀河団。遠くどこかにある、不思議な恒星や惑星。
SPACE SHIP PEQUOD CREW さんの note で見つけた海王星の記事。この青さ、いいでしょ。同時にボイジャーのことも書いてあって嬉しい。海王星フライバイ30周年。節目の年だったのね。記事の内容もとても素敵でした。
宇宙の本にはワクワクする言葉がたくさん散りばめられていた。ビッグバン、インフレーション、クォーク、ニュートリノ、ダークマター、シュヴァルツシルト半径。踊るカタカナたち。カタカナに子どもは憧れる。とりつかれる。ダークマターってなんだ、かっこよすぎる。シュヴァルツシルトは声に出したい。声に出して、友だちに自慢したい。ヴァ!
とにかく宇宙のすべてがかっこよかった。
このリンク先にあるような、知らない惑星の想像図が大好きでした。
大きなポスターにして、いつまでも眺めていたい。
◆おとなになって
おとなになってからは、SF小説をたくさん読んだ。「2001年宇宙の旅」でお馴染みアーサー・C・クラークから、アシモフ、ハインライン、カート・ヴォガネット…。そうそう、伊藤計劃を初めて読んだときは衝撃だった。
SFといえばハヤカワ文庫で、本屋さんに行けば、かならず水色の背表紙が並んでいるコーナーがある。いつも吸い寄せられる。誘われる。
読者をつき離すようなタイトルがけっこうあるのがまたいい。たとえば、アシモフの「ファウンデーション」。なんだよそれ、ぜんぜん想像できない。化粧品か。
いいんだ、そのくらい宇宙は広いんだ。想像できないくらい何だというのか。
写真は、そのハヤカワ文庫の背表紙。この水色を伝えたかったから本は横むき。ちなみに、短編集『紙の動物園』はアジア独特の“湿気”が感じられるSFで、すごくいいよー。『あなたの人生の物語』は映画にもなってたね。
映画も、SFものが好き。スターウォーズとかもいいけど、それこそ「2001年宇宙の旅」とか、最近でいえば「インターステラー」みたいなほうが好み。わかりますか。なんというか、どんちゃか大騒ぎしているのではなくて、静かなやつ。不思議なやつ。考えちゃうやつ。
『インターステラー』は、“静か系”のSF映画でもトップクラスだと思う。古いけど『コンタクト』も好きだったな。
◆宇宙の絶望的な広さに憧れる
なんでこんなに宇宙が好きなんだろう、と考えた。
人間の手の届かなさみたいなものに憧れているからかもしれない。ある意味、それは絶望感に近い。絶望感といっても、希望がないとかそんなヤワなものではない。もっともっと絶望している。何に絶望しているのか。それは、宇宙のどうしようもない広大さにだ。宇宙の絶望的な広さ。これだ、これに圧倒される。憧れる。なんて人間は、ちっぽけなんだろう。
絶望の宇宙へ、ありったけの知と想像力を働かせて人間は挑む。
宇宙からみたら、そんなのはぜーんぜん取るに足らないものだ。なんかひょこひょこ動いてるやついるなあ、くらいのものだろう。
でも、そんな人間たちが、かわいいし、かっこいい。その挑みつづける姿そのものが人類賛歌だと言ってしまっていいと思う。人間たちがかわいいって、わたしはいったい誰だ。
とにかく、わたしは宇宙が好きなのです。
好きすぎて、SFを書きたいのです。
この取り組みのせつめい
◆「ちゃんとしてから」をやめる練習
この『プロローグばっかりのオリジナルSFを書いていく』という取り組みは、ただの思いつきです。あとさきも、けいかくも、なんにも考えていません。
なんかすいません。
でも、わたしが《いぬとぴあ》でやりたいことは、なんでもいいからちょこちょこカタチにしてみることで、それは完璧主義なところから脱してみるという練習、心がけです。
「ちゃんとしてから」をやめて、とりあえず出していく。出してみなきゃ分かんない。出してみたら意外に大きく育っちゃうかもしれない。そんな感覚を自分のなかで育てていきたいのです。
だから、この取り組みもその一環です。だってね、わたしの場合、SF書きたい書きたいと思っていても、「ちゃんとしてから」書こうとしてしまって、なんにも始まらないのです。だからもう、始めてしまえ、やっちゃえ、散らかしちゃえ、宇宙だって「ちゃんとしてから」始まったわけじゃない(たぶん)、わたしの宇宙のインフレーションだ、ビッグバンだ。というのが取り組みの趣旨です。
インフレーションとビッグバンのイメージ図。宇宙が「ちゃんとしてから」始まったのだとしたら、準備が大変そう…。
*イメージは NASA / WMAP Science Team から。
◆わたしの宇宙への旅
見たい世界がたくさんある。だから見たい世界を書く。アタマのなかで完成してからじゃないと見れないんじゃ、一生かかっても見れないかもしれない。そんなのイヤだ。ぜんぶ書ききれなくてもいい、たくさんの宇宙を見たい。
だから、SF小説“未満”のようなことをこれからやっていこう、じゃあプロローグだけでも書いていこう、とこういう次第でございます。
次回から始まります。
わたしの知らない宇宙、わたしの見たい宇宙、わたしの宇宙への旅。
完全にわたしのための取り組みで、とりあえず書くという練習です。
でも、いくら「ちゃんとしてから」をやめると言っても、
わたしだっていいものを見たい。
だから、いいものを書いていこうと思います。
できるだけ、ね。
書いてるうちにだんだん上手になっていったらいいな。
ぜひ、お付き合いくださればと思います。
見出し写真および文中文末の宇宙写真は NASA / Hubble Space Telescope Images からのものです。
2019/9/21
SPACE SHIP PEQUOD CREW さんの記事を追加&加筆修正しました。
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