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「ネガティブ本能」を味方につける

今年(2019年)初頭に、ある本が出ました。

「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」という本で、かなり話題にもなりましたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

どういった内容かといえば。
人は世界に対して、様々な思い込みや勘違いをしている。
データや事実を元に世界を見ることで、その思い込みや勘違いから解き放たれ世界を正しく見ることが出来るようになる。

というのが簡単な概要です。

間違いなく読んで損するものではないので、是非読んで下さい。
(僕は、Amazonで予約していたのを忘れて本屋で発売日に買ってしまい、2冊買ってしまいました)

その中でも、2章に出てくる「ネガティブ本能」について今日は少し取り上げたいです。

子供の命が狙われる国になっているのか?

今年の春頃、子供の命が奪われる非常に辛い事件がいくつかありました。
川崎の通り魔事件や大津の交通事故など、非常にショッキングな事件が短い期間で連続で報道された。

連日ニュースで事件が放送され、ワイドショーなどでは不安を煽るような表現やコメントが多数取り上げられた。
その時によく僕が耳にしたのは「どんどん危ない世の中になっている」とか「子供の死亡事件が増えている」とか。
このままいったら世の中はどうなってしまうのか?という様な不安の声を耳にした人や、そう感じた人もいるのではないでしょうか。

しかし、実際には子供の死亡事件の件数はこの60年近く減少の一途をたどっている。(舞田敏彦さんのTwitterから引用)

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もちろん1件も無い状態であって欲しいのでこれでいいという事ではないですが、少なくとも「子供の命が奪われる痛ましい事件が増えている」というのは事実とは異なります。

子供の人口自体が減っているからでは?という反論もありますが、それを加味しても圧倒的に事件数は減少しています。(同じく舞田敏彦さんのTwitterから引用)

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つまり少なくとも「子供の死亡事件が増えている」というのは思い込みであり事実とは異なる。

「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

ファクトフルネスの中で登場する「ネガティブ本能」とは、人間は物事のポジティブな面よりネガティブな面に注目しやすいという特性だ。

それによって限られた情報からネガティブな考え方が過剰に高まり、結果「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み・勘違いを誘発する。

もちろん、世界にはネガティブな事実は数え切られない程存在します。
内戦、貧困、海洋汚染、地球温暖化、経済破綻、絶滅危惧種。上げればキリがないでしょう。

しかし、これらの問題全てが悪くなっていっているのでしょうか?

極度の貧困の人は増えている?減っている?

我々が今取り組むテーマの1つにあるSDGs(持続可能な開発目標)の17のゴールのうち1つ目は「貧困」です。

さて、皆さんに質問です。
世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は過去20年で増えているでしょうか?減っているでしょうか?


実は、大きく減っています。

実際に世界に「極度の貧困」の中で暮らす人は多くいて、それは我々世界中で取り組む課題です。
2015年の段階で8億人以上の人達がまだ極度の貧困の中で暮らしています。

あらゆる形態の貧困の根絶は依然として、人類が直面する一つの重要課題となっています。全世界で極度の貧困の中で暮らす人の数は、1990年の19億人から、2015年の8億3600万人へと半分以下に減少しましたが、未だに多くの人が、人間の基本的ニーズを満たせないでいます。

しかし、このデータから見えるもう1つの事実は「この20年で極度の貧困の人達は半分以下に減少している」ということです。

もっと長いスパンで見るならば、1800年には極度の貧困で暮らす人口は世界の85%でしたが、2017年には9%であるという調査があります(Our World in Data)

これは、めちゃくちゃ凄いことではないでしょうか?

もちろん、8億人の人達の貧困に世界全体で取り組んでいくことは必要です。しかし、なぜか我々は「世界は貧困で溢れかえっていて、それは遅々として進まない課題である」というイメージを持ってしまっていないでしょうか。
それは事実とは異なります。

「悪い」と「良くなっている」は両立する

今日最もお伝えしたいことはこれです。

極度の貧困に苦しむ人達は多数存在する。これは悪い事実です。

しかし同時に、この20年間で極度の貧困で苦しむ人達は半分以下になっています。これは良くなっている事実です。

「悪い」と「良くなっている」は両立します。

ネガティブな情報は広まりやすいし意識にも残りやすい。それは我々が生物である以上必然的なことかもしれません。
ただ、我々は人間でもあるので、その直感的感覚的な反応を理論的に考え、意思の力で乗り越えることも可能です。

ネガティブなニュースばかりに気を取られ、自分たちが本当に取り組む課題やテーマを見失わない様にしたいです。


あまりに長くなったので、ここからの強みの話はまた明日!

サポート頂いた分は、みんなが自分の強みを知る機会になるイベントとかの費用にします〜!