得体の知れぬシンドバット
日本の名曲には、時として「シンドバット」なるものが登場する。
サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」や、ピンクレディの「渚のシンドバッド」がその代表例である。他にも、モーニング娘。が「やめてよ!シンドバッド」という曲を出していたり、先日記事を書いたSTUも「俺たちはシンドバッドだ」という曲を出しており、今もなお、シンドバッドは、曲の題材に上がっている。
ただこのシンドバッド。
全く意味がわからない。
おそらくシンドバッドというワードを聞いたことが無いという人は、ほとんどいないだろう。誰しも渚のシンドバッドか勝手にシンドバッドのどちらかは聞いたことがあって、全く馴染みがないというわけでは無いはずである。
にも関わらず、シンドバッドの意味がわからないのだ。僕らは、サザンが勝手に何をしているのかもわからずに、「今何時!」などと、意気揚々と歌っているのだ。滑稽なものである。仮にシンドバットが、えっぐい差別用語とかだったらどうするつもりなのか。
とはいえ歌詞から探ろうにも「勝手にシンドバッド」には歌詞としてはシンドバットという言葉は出てこない。「胸騒ぎの腰つき」と言った歌詞があるため、シンドバッドはダンスのことかとも思ったが、STUの曲に「俺たちはシンドバッドだ!」という曲がある以上、この推測も外れていることがわかる。
そこで渚のシンドバッドの歌詞を見ていくと、こちらは歌詞にもはっきりと「シンドバッド」という言葉がでてくる。
シンドバットは...すぐキスする人...?
放送禁止の可能性が消えないだと?
渚の船乗り?俺たちは船乗り...?勝手に...船乗り...?
「月が綺麗ですね」以来の、カッコ良過ぎる由来。
放送禁止用語とか言って、すみませんでした。
シンドバッドは、アラビアンナイトに登場する船乗りでありながら、日本の音楽シーンでは男の中の男として、天才作詞家阿久悠によって生み出されたキャラクターであった。本来の意味、キャラクターと言うよりも、阿久悠が生み出したというところで、日本の音楽界に生き残っている存在であると言える。
これで、シンドバッドについてはわかった。ただ一つ、まだ疑問が残っている。
勝手にシンドバッドだけ、まだ意味が通っていない。
勝手に船乗りでは、意味がわからない。
ややこしいことしながら、名曲を作るな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?