速くなるためにしてはいけないこと(初心者向け)
どうもこんにちは。いのりと申します。アラサー市民ランナー(♀)でラン歴は20年です。
28歳。社会人としては若造とカテゴライズされるでしょうが、ラン歴20年はベテラン扱いされても良いのではないかと考え、今回このような記事を書きました。
そんな私ですが、前述のとおり競技人生で全くもって華々しい結果を残しておりません。
代わりに、毎日真面目に練習しているにも関わらず、中1夏から高2春というみんなが成長期真っ盛りで伸びまくっていた約5年間に自己ベストを一度も更新しなかったという非常に苦々しい経験をしたことがあります。
いま、冷静に振り返ると、その時期、『ランナーとしてしないほうがいいこと』をきっちり丁寧にこなしていたな、と思います。
『これをすれば速くなる』は知りませんが『これをすれば速くなれない』は、身を持って知っておりますので、速くなりたい中高生含む初心者ランナーの皆さんにお伝えできればと思います。
①真面目に走り、思い詰めること
まずはこれ。
絶対NGです。
これはランニングを『自分との戦いだ』と捉えている方向きの話です。
経験上ですが、長距離選手というのは少し真面目になりがちです。(年齢が低いと、不真面目な子はフェードアウトが多いですが)
『走るの大好き!仲間と楽しく!爽快!』
みたいなフレーズをたまに目にしますが、冷静に考えてみてください。走るのはキツいに決まってるでしょ。仲間と楽しむことは良いことですし、それでいつも調子良ければ問題ないのですが全然タイム更新できなかったりすると、なんでこんなキツイことをしてるのに速くなれないの?楽しくない!と、爽快もクソもない、最悪です。
『苦しいことを』『真面目に』『日々取り組み』『思い悩み』『もがき苦しむ』
こんなの、鬱まっしぐらです。
人によってはさらに自身の受験だったり、子育てだったり仕事の悩みなんかがプラスされるのでしょう。鬱です。
そもそも数万払って数時間の苦痛を味わいに遠征するだなんて、マラソンは普通の人間の所業ではありません。
そこで私は、ここはいっそ無感情で日々の数字を見比べ、たまにちょっとふざけるくらいで取り組んだほうが速くなるのではないかと結論付けた次第です。
https://twitter.com/runruninorin/status/1756567374520811954?t=r5GDYWfBHZCcq4dNZkYNvg&s=19
私の練習投稿ではなるべく感情を差し挟まないようにし、約半分はふざけていますが、これにより健忘効果(=練習中に苦しかった記憶が減る効果)があります。(※私調べ)
練習を不真面目に行うこと、とはまた少し違いますので、そこは自分なりのいい塩梅を見つけてください。
先日、『月間走行距離が300km以下は遊び』という発言が何故か炎上していましたが、遊びで何ら問題ないのです。元の発信者がどういう意図なのかは知りませんが、月間300km程度で練習するレベルのランナーが『本気の趣味だ』なんて思い詰めるのは速くなることへの遠回りです。
②太っていること
高2の春、私は身長160cm・体重56.5kg・体脂肪率26%ありました。
見ての通り、数値で言うといわゆる『普通体型』です。しかしながら長距離選手としてはかなり太っている部類でした。
これを私は高2の秋に向けて6ヶ月かけて
体重49kg(-7.5kg)、体脂肪率18%(-8%)
に落としたところ5年ぶりの自己ベスト更新、そして体重が安定してきた10月には前走から1500mで-13秒、3000mで-23秒と大躍進し、秋の県体で1位※という単勝万馬券レベルの快挙を達成しました。(※3年生と県駅伝上位2校の出ない県体)
練習してもしても伸びなかった5年間が
ただのデブ解消で一気に打破されたのです。
健康にまつわる仕事をしておりますので不健康なダイエットを勧めるわけにはいきませんが、やはり走る上で体重はかなり重要な要素です。
過剰な脂肪は無駄な負荷でしかありません。
本気で速くなりたい、そして現在太っている自覚があるという人は、標準体重の下限くらいを目指しても良いのかもしれません。
まじで、世界が変わりますよ。
③毎回本気で走ること
これは私も長らく勘違いしておりました。
しかも私の場合これを長続きさせてしまったわけですが。
①にも関わってきますが、身体にも精神にも悪いです。
しかも、この本気の方向を間違い、負荷をかけ続けていると本当に何年でもタイムは縮みません。『若くないから』とかではなく、若さの塊とも言える中高生でも伸びなかったんです。
私は、今では、毎回本気で走りきるのではなく、ダニエルズのVDOTをもとに練習タイムを設定し、そのペースを守り走っておりますが、それでも順調に走力は上がってきています。今は本当に緩い練習をしておりますが毎日朝晩全力で走り伸び悩んでいた中学生(成長期終わり)の頃よりも遥かにタイムが良いです。
適切な練習メニューの選択、ペース設定というのは死ぬ気で走ることより遥かに重要です。
④感傷に浸ること
レース終盤、例えば35km地点で脚が動かなくなったとき何を考えますか?
『くっそー、あんなに練習したのに』
『えっ!やばい、ゴールできるかな』
が一番最初に来る人は、まだまだ気づいていない伸び代があるかもしれません。
『痛みがあるのかないのか、あるならこれは
走り続けても大丈夫な痛みか』
『何分までペースを落として、落ち着いたらどこまで戻すか』
など、次の1手、2手を考えることが、まず最初に来るようになると良い👍です。
(ちなみにこれはマラソンに限らずいつでも大事だと考えています。全員これができれば夫婦喧嘩然り、世の中のいざこざの2/3はなくなります。)
本番で思った走りができなくて辛い、最近うまく走れず悩む。速くなりたいならそれは時間の無駄です。
思い悩む暇があれば、まずは、状況を整理しその上で書籍なり論文なり探し出して解決策を調べるか、整骨院なりランニングアドバイザーなり専門家にみてもらう時間に充てるべきです。
『マラソンは自分との戦い』だなんて言葉が出回っているからかわかりませんが、初心者ほど先に感情が出てしまう人が多い気がします。
全く自己ベスト更新できず数年が過ぎた挙句、シンスプリントと腰を痛めてしまい、練習もできずメソメソしていたところ、高校の顧問から部員全員の前で『感傷に浸るな!』とめちゃくちゃ怒られたことがあります。
まじでそのとおりです。
乱暴ですが、上記に心当たりがある方は一度マラソンに関する情緒という情緒を捨ててみてください。世界が変わります。おすすめです。
最後に。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
実はここからがいちばん大切な話なのですが、私の仕事に関連する分野では『エビデンス』を重要視します。
例えば病院で皆さんが受けている『標準治療』というのは診療ガイドラインに基づくものです。
証拠(evidence)には段階があり、もっとも評価が高いのは、無作為化で比較した臨床試験の報告が多数ある場合だと言われています。
このピラミッドの下に動物実験やin vitro(試験管内)での研究が続くわけですが
ここまで私が述べてきたことは専門家でも何でもない一般人が自分の経験をもとに述べているだけの、上記図でいうと底辺よりも遥か下の信憑性にあたります。十分に考察されていないバイアスだらけです。
どうか鵜呑みにしないでください
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?