乾 隆/INUI Takashi

インディーズ 小説家・劇作家。Amazonなどオンラインストアで紙の本・電子書籍を発売…

乾 隆/INUI Takashi

インディーズ 小説家・劇作家。Amazonなどオンラインストアで紙の本・電子書籍を発売中。 https://inuitakashi.myportfolio.com/about

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1/19開催の文学フリマ京都に出店します!

文学フリマ京都に【出店名:inuibooks】として参加します! 新作は特別企画で、バレンタインに向けて、掌編小説『ラヴレター』をご用意しています。手紙を模したデザインで、プレゼントやインテリアにもおすすめの作品です。当日ご来場の際は、ぜひお手にとってみてください! 皆さまのお越しを心よりお待ちしています! 【第七回文学フリマ京都】 ■入場料 無料 ■開催日 2020年1月19日(日) ■開催時間 11:00〜16:00 ■会場 京都市勧業館 みやこめっせ 1F 

    • 小説『惑う部屋』試し読み

      『惑う部屋』あらすじ 時間が食い散らかされて、ほんとうに心もとない。 怪物は、ガラスを砕いたギザギザの歯をしていて、ぼくの胸もとを食いちぎりにやってくる――。 ひとり暮らしの男が、手帳の日割りの欄にちっちゃな字で言葉を埋めていく。最近、記憶がとびやすい。夜ばっかりがループしているような、繰り返しの日常に嫌気がさして、引越しの準備を始める……。 「閏」「日和」「修一」三人の男女の一人称告白体で構成された中編小説。 -------------    Ⅰ 「怖! 階段急すぎ

      • 小説『レインの匂い』試し読み

        『レインの匂い』あらすじ レインがぼくをこわしてもかまわない。願いが叶わないのであれば、おなじ――。 真冬の深夜、「ぼく」は自分の部屋の鍵を落とし、アパートの廊下にすわりこんでいた。ひと晩泊めてくれた隣人の部屋で見かけた、Rainという名のお香の匂いは、懐かしくせつない遠い雨の記憶を呼び起こそうとするが...。いとおしく、恋しく、かなしい。雨の日のまどろみにも似た恋愛文学。 ------------- Ⅰくちびるの隙間から、白い息が溢れでる。 黄色いビニール袋から、外

        • 小説『千切る月』試し読み

          『千切る月』あらすじ 夏休みのあいだ、伯父の家で暮らしている隼一は、慣れない土地に馴染めない。暗闇がにがてな少年・隼一は、深夜の線路道で、太陽がにがてな少年・初に出会う――。太陽とプールの水飛沫が輝く昼間と、深夜の線路道での初との遊び。光とも闇ともつかない、十才の少年の心のゆらぎをみずみずしく描く、純文学中編小説。 ------------- 1空ごとくずれ落ちてくるかのようなどか降りの雨と轟音が視界をけむらせ、ぬれた衣服が体にべとべとまとわりつく。傘を持っていない隼一

        1/19開催の文学フリマ京都に出店します!

          純文学シナリオ『神様にしか解けない智慧の輪』試し読み

          『神様にしか解けない智慧の輪』あらすじ わたしが昔、住んでいた町。通りかかった空き地で、同い年の美しい「有実」に出会う。降ったり止んだりの俄か雨みたいな蝉の声が降り注ぐ、真夜中の空き地。当時近所で起きた凄惨な少女の死。今はもうなくなってしまった黄色い道。ピンク色のビーチサンダル…。絶望的な真実を思い出すまでの、つかのまの物語。 ------------- 1黄色い道(回想) 赤い、重たいランドセルをしょっていた。 延々につづいているかのような線路沿いの道。後ろから、

          純文学シナリオ『神様にしか解けない智慧の輪』試し読み

          純文学シナリオ『まわた』

          ○ プロローグ少女の手の中にある、不気味なほどに美しい、二体の人形。きめ細かに再現された肌の質感と血色。関節の曲がる角度まで忠実で、一本一本丁寧に植えつけられている髪の毛は、人毛を使っているようにしか見えなかった。 どちらも痩せぎすの女の形をしている。同じ、腕や足の長さ、背丈。同じ髪型、顔立ち。同じ重さ。服装だけが違った。右手の人形は、肌着に裸足の姿。左手の人形は靴を履き、大人が出掛ける時のきちんとした身なりをしている。

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          500

          純文学シナリオ『まわた』