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胎界主系(2023/7/11):胎界主初見実況ログ(第二部三幕最終話『胎界主ピュア』後編5vs.ピュア前編)

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、22冊22頁以降、vs.ピュア前編とでも呼ぶべきパート、開始します。形を備えた命と心の緒を腕に巻きつける新生ピュアたま。カッコイイ。

冷や汗をかくアドニス。(なっ…なんだこの存在級位は…)何も理解できていないアスちん。「なっ…なんですか アレは?」稀男に事情を訊こうとする二人。稀男は…沈んでいる。リースも、そんな稀男を見て、全て理解したようだ。そう、負けた…負けてしまったのだ…! #犬界主

ピュアたまも宣告する。「わからないかな 勝敗は決した 稀男くんにはもう 抗う気力は残っていない」困惑のアスちん。そして、気付く。「あらがう! じゃあやっぱり 全て嘘! ピュアを騙すための芝居だったんですね!」…ああー。そっちに喰いついてしまうか… #犬界主

稀男のムーブは、仲間(と読者)の猜疑心をもたらすものであった。実はそれは抵抗のためのブラフだった。そりゃあリースだってホッとするよ。大事な話だ。だが、「わからないか」困ったなあ、まずは現状を見なよ、と言わんばかりの冷めた目と顔で言うピュアたま。そこはまあそうだけど… #犬界主

と、乱入者あり。ニキ! 「さっきゃー不意打ち食らったがよ 真の胎界主に 同じ手は通じねーぞぉ」アドニス、ドン引き。間が悪すぎる! 空の異変は見たが、気絶中で司神マート=テミスを見てすらいないニキは、状況なんか何一つ分かっちゃいまい。「「暴れる力」全開ぃぃぃぃ!」うぜええ! #犬界主

しかし。ピュアたまの形ある命の緒が、ニキを弾く。尻もちをつくニキ。…地べたに激突した尻が、赤いガラスのように変質し、ひび割れる。え? 何!? ニキのからだが、折れる。形を保てなくなり、砕け溶ける。「不合格 君は要らない」…カラテ演武の瓦の試し割りみたいに、粉砕…!? #犬界主

呉越同舟で脱出した後は、呉越戦争にならざるを得ないし、ニキがピュアたまの見た<主流>に適合するとは到底思えない。衝動的、刹那的、瞬瞬必生すぎて未来もへったくれもない。世界を混沌に導くだけの存在。まあ、不合格判定、残念ながら当然であろう。 #犬界主

しかし、暴れる力の四大神獣エトンの力と天肢飲血躰化不老不死を同時に兼ねそろえた最悪の存在・ニキを、こうも呆気なく滅ぼすとは。何だこれは…形ある命の緒を能動的に使うと、いのちを「終わらせる」ことができるのか? どうも単にそれだけの話ではないようだが… #犬界主

「何を…?」アスちん、怪訝な顔になる。アドニスはもう少し見えている。察した。吐き気をこらえながら。「おそらくもう ニキは復活出来ない」アスちんは唾を呑み込む。理解できないながら、ピュアたまがとんでもない脅威となったことだけは理解したようだ。 #犬界主

「「崩壊」!」今更ながら、崩壊魔法則、詠唱! 「崩壊 崩壊 崩壊 ホウカイ! ほおかーい!」…全く発動しない。ナンデ? 「無駄だよアス ピュアの許し無しに生成世界で 「形」を保つことは出来ない そういう「法則」を定めた そういう世界に成ったんだ」 #犬界主

つまり。象る力は、物の形を在らしめることができる力だというのだ。崩壊させる? 形を在らしめ、無くす力がある以上、崩壊のしようがないし、同等のことがピュアたまにもできる。…そういうことかよ! 象る力! 生成世界に存在する物に対する、ほぼ万能の力じゃねーか! #犬界主

アスちんも、ようやく、ピュアたまの言ってることを、そのまま受け止める。「じゃあ 本当に 負け…」稀男は背を向けたまま、黙して語らない。そして…影二つ。デュラハンとデカトン! #犬界主

心配そうなデカトンを横に、デュラハンは見る。形ある命の緒を伸ばして佇む、そこだけ光り輝く、美少年の姿を。魔剣シャミールを長く長く伸ばして立ち上がり、自分を鼓舞し、進むべき指針を命令として下した、あのハオウ君の姿の如き風景。 #犬界主

あの法則の司神マート=テミス、そしてこのピュアたまを見れば分かる。自分たち骸者たちではなく、ピュアたまが、遂に、成した、ということだ。デュラハン、目を閉じて…言う。「デカトン 我らの負けだ」おお…! #犬界主

あの長い苦しい戦いの末、それでも、負けた…! 負けを認めざるを得ない…! 負けを認めてしまった…! あの、賢明にして頑迷、つまりは不屈の将帥、デュラハンともあろう者が…! #犬界主

デカトン、肩を落とす。「そうか 負けたか…」…そして、それでも、せめて、将帥らしく、鷹揚に笑って見せる。「よかろう! 今回は負けを認めて」その姿勢は立派でしょう。しかし…デュラハンはそんなレベルの話をしているのではなかった。 #犬界主

デュラハン、目を閉じたまま、憔悴しきった、そして、手放した顔で、己の負けを、否…「先に逝く」…死を認める。今までピュアたまに出し抜かれないために、致死ダメージがありながら、それをおそらくは否認し、なお見苦しく足掻いたのだろうか。もういい。全てが終わった。 #犬界主

そして、最期まで、ピュアたまには何もかも敵わなかった。弟子も弟子なら師も師だ。忌々しい話ではある。だが、なんて素晴らしいんだろう。そして自分は、それに触れることができたが、ついにそれそのものではなかった。そう、「成れ」なかった。#犬界主

せめて、素晴らしさに灼かれ、素晴らしさを目に焼き付け、己は逝く。 …そう。レイスは、己が死を認めたら、死ぬのだ。デュラハン、崩れ去る。骨と繊維質が崩落していく。自ら敗けを…死を…受け入れてしまった…死の主神の四大神獣レイス筆頭、デュラハン、死す! #犬界主

へたり込むデカトン。「なん…で…?」長きに渡って共に戦ってきた、賢く頼れる、しかし近年錯乱してきていて不安な戦友が、事ここに至って、自死を選んだ。それはもう、途轍もない衝撃、絶望であろう。 #犬界主

そこに…ピュアたまの声。「デュラハン様 それとデカトン様も」ピュアたまは二柱に気付いていた。だからこそ、ああして形ある命の緒を伸ばしていたのだろうか。それが…デカトンの方を向く。 #犬界主

「永きに渡りあなた方に協力して頂いたおかげで」形ある命の緒が、デカトンの額に触れる。「ピュアはとても助かりました 心より感謝いたします」確かに一礼するピュアたま。デカトンはそれどころではない。「デュラハン どうして…」なおも戦友の死を悼む。 #犬界主

ピュアたまは最期の別れをする。「さようなら」…いのちと形を失い、赤く砕け散り圧し折れるデカトン。あまりにも…あっけなさ過ぎる…死の主神の四大神獣、デカトン、死す! デュラハンもデカトンも、本当に恐ろしいやつらだったが、ここは正直グッと涙腺に来てしまった。 #犬界主

ピュアたまの力はやはり圧倒的だった。ソロモンさえあれほど手を焼いた、ああまで圧倒的だった、あそこまで恐ろしかった、死の主神の四大神獣、デカトン。そんな彼すら、自ら死を認めようが認めまいが関係なく、ただの形のない肉塊と化して、死んだ…! #犬界主

あまりの事態を目にしてアスちんもアドニスも動けない。リースは不安気に稀男を見る。稀男は…ピュアたまに勝てなかった理由を探って、沈思黙考している。反省なら、今さらもうそれどころじゃねーだろ、と言いたいところだが…ひょっとして、まだ何かしようとしているのか? #犬界主

深層意識に影響を及ぼした出来事があるはずだ。記憶。今までの記憶…生まれてすぐの記憶。第一部第一話プロローグの記憶! そんな記憶が残ってるもんなの!? そして、見る。謎の影を。それがソロモンだとは認識できないが。「ピュアの元まで運ぶのだ 運べ……」 #犬界主

ソロモンは、アスちんの補助、ピュアたまの元へ運ぶための車として、稀男を手配したのだった。そんな事情までは知らないが、それでも気付く。「ここから…じゃあ「俺」もか」己も駒だったのだ。最初から。 #犬界主

まさか、生まれてすぐに、こんな呪いめいた仕込みをされていたとは。さすがにゾッとする。だから認知が歪んで誤った対策に全部振ってしまったのだし、ピュアたまの司神降臨を妨げることができなかったのだろうか。オイ! こんなのってねえぞ! #犬界主

だが、まあ、それはそうなのだ。ソロモンとしてはピュアたまとその成果を丸ごと簒奪したいのだから、ピュアたまには成功して成果を出してもらわねばならない。稀男の願いなど知ったことではなかろう。だから稀男は負けた。…オイ! こんなのってねえぞ!! マジかよ!!! #犬界主

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といったところで、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編内、vs.ピュア前編、一旦中断です。ニキも、デュラハンもデカトンも、手も足も出ずに、死んだ。新生ピュアたま、そして彼の司る形象素、あまりにも圧倒的に強い。いや、強すぎますよ。これ。

「象る力」。抽象を真の意味で具象に導く機能。その力の媒介粒子たる、アカーシャ球体、「形象素」。…ひょっとするまでもなく、これ生成世界では、割とガチ目の最強の力なんじゃないですか?  #犬界主

当然これは、「創る」上でも当然重要にもなってくる、ものすごくデカい力だ。これさえあれば、何なら、「象はいる」という仮定を、そして<主流>そのものを地上に在らしめることも、きっと不可能ではないだろう(ピュアたまに目利きと根性さえあれば) #犬界主

そして、ピュアたまは目利きも根性もあるやつだ。間違いなく「やる」だろう。だからこそこのような力を欲したのだ。(説明しても理解できないから、自分でやってみようとしたのだ、ということもあるだろうが)まさかそんなことを考えていたとは…気宇壮大さのスケールが違う… #犬界主

あと、抽象的概念を具体的実在として「象る力」が、マート=テミスという、抽象的概念である真実に関わる、「正す力」の司神を介して出てきたものなのも、なんか面白いですね。正しいイデアを現実にもたらすための力、というか。確かにピュアたまにはピッタリだよなあ。 #犬界主

そして。形は、境界を伴い、内と外を分けるものだ。そういう胎界であり、またピュアたまに限って言えば、これは<主流>と傍流を分ける性質のものでもある訳だ。主流だけパッケージングし、実現できる。 #犬界主

つまり? その他は滅ぼす! ニキも! デュラハンも! デカトンも! …ものすごい差別主義と選民思想の現れであるように聞こえる。が、価値ってある程度そういうものでもあるよ。善きものは残れ。悪しきものは滅べ。価値の実現とは、ある程度そういうことにならざるを得ない。だがなあ… #犬界主

というか、血を見るのも嫌なピュアたまが、惨死体を生じせしめているの、読者の俺としてはかなりショックが大きいんだよな。ピュアたまにこんなことをするところがあったとは…うおおお(俺の中のスピードワゴンが恐怖している) #犬界主

もうオタク騎士団を従えるサークラの姫とか、野心と血の気の多い粗暴な家臣団に囲まれた囚われの姫とか、そういうのではない、自らが最強の存在! これはヤバイ。ヤバイし、ピュアたま、ソロモンみたく、全能感でおかしくなったり主流を見失ったりしないよな…? ダイジョブ…? #犬界主

あと、おそろしく野暮なことを言うが、これ、今後、ドローネの圧倒的優勢だよな…ファントムは虎の子の(猛虎のごとく手がつけられない、とも言うが)殺技軍団を失ったのだし…とはいえ骸者としては完全にジリ貧になったから、そんな中での優勢、実は大して嬉しくはない訳だが… #犬界主

あと、「ここぞという時に、稀男がピュアたまを失敗させるような選択肢を選ばないよう、もし妨害したいのなら効き目のない選択肢を選ぶよう、深層意識を歪める」仕込みを、生まれた時点でソロモンが施していたとは、まさか夢にも思わなかったんだよな。つーか、ジジイテメッコラー! #犬界主

まあ、分かりますよ。道具として、車として使う以上、リスク要因は最初から封じるに限る。そして事態は成ってしまった。ピュアたまの、そして成果を簒奪したいソロモンの意図通りに。ついでに稀男はバカを見た形になる。そんなんアリかよ。ひでえぞそれ… #犬界主

ともかく、ピュアたま、このままではどうにもならないほど強い。手がつけられない。そしてピュアたまはおそらくロックヘイムやソロモンヘイムの<主流>による浄化に着手するだろう。それが「善い」とも思い難いが…? といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vs.ピュア前編、23冊4頁から再開します。復活ピュアの脅威。しかし、そこに現れる者あり。ハッグ! やはりニキにボコボコにされて、魔法則の詠唱のために大事な喉すらやられている。しかし、全殺しされてないだけマシだ!

アスちんもピュアたまも、ハッグに気付き、備える。そして、ハッグ、声を振り絞る! 「ぺ…ペトベ=ネメシスの名において」禁忌魔法則! #犬界主

ニキにボコられていたハッグは、司神マート=テミスを目撃はしていないが、ピュアたまがマート=テミスの司神降臨には成功して、生還してスーパーパワーを手に入れたことは、おそらく理解しているのだろう。 #犬界主

そして、いかなスーパーパワーであろうと、例の如くペトベ=ネメシス系禁忌魔法則を使えば、ピュアたまの抵抗は封じられるし、結局は掌握できる。そして、ピュアたまにさらに次に闇の司神アポピス=オピオンを召喚させれば、最終的には目的は達せられる。そういう横取り大作戦だ。 #犬界主

つまり、ピュアたまの真の名を、今こそ使う、ということだ! そして、その名前とは… #犬界主

(これは大昔に読んだ直後の走り書きになりますし、これ、三幕後半のネタバレの要の一つだと判断されるので、ソロモンみたいに認識ロックを掛けます)ピュアたまの真の名! ユート・ピュア・〇〇〇〇〇〇! …えええええ!? #犬界主

(これは大昔に読んだ直後の走り書きになります)確かに、〇〇〇〇〇〇、いわゆる〇〇〇〇の名は、おとぎ話の世界(ロックヘイムのことではなく、本当に我々が子供の頃、幼稚園とか図書館とかで読むことのある、本当のおとぎ話)の中で、広く知られたものだ。 #犬界主

(これは大昔に読んだ直後の走り書きになります)そして、〇〇〇〇寓話は、宗教とは別のやり方で、たとえ話で人の世の智慧を説き、目を開かせる、「規範の物語」の祖だ。…まさかの「本人」かよ! 「だから」それを説いていたのかよ! 超特大認識アンロックが来ちゃった! #犬界主

アドニスは実は紀元後の人間だ。紀元前の〇〇〇〇は名前でしか知らない。アドニスは「最古にして最強の人間」「真の胎界主候補」と呼ばれていたが、それより古い「最古の人間」が存在していた。そして、同様に、〇〇〇〇、ピュアたまこそが、「真の胎界主」かも知れないのだ。 #犬界主

さて、ハッグはピュアたまの隣に立つ。禁忌魔法則があるから骸者殲滅部隊は自分に逆らえない。さらに、ピュアたまに命令する。「全ての攻撃からアタシを守るんだ」ピュアたまは足元を一瞥する。稀男の蹴飛ばした靴の片っぽ。しかし、今はハッグが己の横に立つ。ボロボロになりながらも。 #犬界主

「さぁ どこだい? アタシの神獣石は…」闇の司神アポピス=オピオンの、縦につながった円環型の四大神獣。それの入った神獣石。そういえばピュアたまが、爆心地からつながっていた底なし沼に投げ捨てたのだった。そこの中にあるはずだ。 #犬界主

ハッグは中和ゾルを使って生体金庫の超酸の沼を降りて神獣石を回収したのだった。だが、あれはいつ中和が切れて超酸に呑まれて死ぬかの綱渡り、伸るか反るかのおっかないミッションだった。なるだけやりたくない。「こっ 今度はお前が取ってきな!」 #犬界主

ピュアたまは不思議にも笑っている。「あの時…ピュアを身震いさせたのは 神獣石と 見事成し遂げたお前を見たからだ」たましいのない一介の神獣たる妖魔が、それでもやり遂げた。なんて素晴らしいんだろう。ハッグ本人はそれを味わっている余裕などなかったかもしれないが。 #犬界主

ハッグはそんな話に興味がない。「はいはい そういうゴタクはいいから さっさと取ってくんだよお おっと その前に 危険は全部消しとかないとね こいつらはもう要らないんだろ?」ピュアたまは哀しそうな眼をする。やはり、ハッグには、たましいの震える素晴らしさへのセンスはない。 #犬界主

「無駄です ハッグ 逃げなさい!」アスちん、なんと怨敵のハッグに警告する! ピュアたまは余裕だ。ハッグに従うそぶりもない。確かにピュアたまはそういうやつだが、それでもおかしいと思うべきところだ。ハッグはピュアたまを、実際のところは無抵抗にできていない。そう見たようだ。 #犬界主

が…「はぁ? どうして自分の胎界から逃げなきゃならないんだい 今から『ロックヘイム』は『ハッグヘイム』に成るってのに!」ハッグは分かっていない。ピュアは冷たく失望したように言う。「分かるかい アス これが『たましい』を持たぬ獣 動物の作り出せる物語の限界だ」 #犬界主

遠い目をするピュアたま。「『〇〇〇〇〇〇』と呼ばれ生きた時代より 世界へ広めた寓話の数々は <主流>を翻訳したものだ 正しい流れを最小単位で見え易くしたもの…」怪訝になるハッグ。さすがに何かを察したのか。 #犬界主

「だがそれですら 表面的な意味しか読み取られず 徒労に終わった」羊飼いとしては二流だったと自嘲するピュアたま。世の人々を導くことには、結局失敗し続けて来たのだ。 #犬界主

「結局 単純な物語しか理解できないからね 君たちが信じてきた物語は その延長か組み合わせに過ぎない」ピュアたまの<主流>の規範の物語に比べて、単純で取るに足らない物語たち。 #犬界主

「成功譚だとか復讐劇だとか なんてつまらないんだろう」なんて素晴らしいんだろう、ではなく、なんてつまらないんだろう、ときた。ピュアたま的には、成功譚だとか復讐劇だとか、実にちっちぇえことらしい。 #犬界主

しかし、この二つが出てきたのも面白い。復讐譚云々はアスちんを諭すために、成功譚云々は…「分かるかいアス ピュアの失望が ほとんどの人間には かのソロモン王ですら 自分の「物語」を作ることはできなかったんだ」ソロモンへの嫌味だ。い、イヤミーーーー! #犬界主

(こっ こいつやはり ワシが見えている…?)ソロモンも気付く。ピュアたまは、結局ソロモンに対して認識アンロックできているし、食い物にされて使い潰される気も毛頭ないのだ。(そうか わかったぞ! そういう魂胆か……)魂胆のある側が言うことじゃないんだよこのジジイ。 #犬界主

「くっそお 『ユート』かっ! この名はすでに変えられて…」禁忌魔法則は無効だった。なぜなら…ピュアたまは真なる名を書き換えていたからだ! ピュアも〇〇〇〇〇〇も正しいが、ユートは現在使われておりません。こんなこともあろうかと、あらかじめ備えて、すりかえておいたのさ! #犬界主

まあ、そういうこと、やるかやらないかで言えば、こいつはやるやつだけど。確かにここの名前はほぼ知られていないし、他の二つに比べたら、存在承認の凋落はそこまで大きくないだろう。そしてそれが図にハマり、結局ハッグはピュアたまを無抵抗にすることに失敗した。つまり… #犬界主

「ちくしょおおお! ここまで…ここまで来たのに 全部無駄に終わっちまった」ハッグ、賭けに大敗北! 圧倒的死地! アスちんも動揺している。あの憎い恐ろしい強い仇のハッグが、負けた…! #犬界主

そして…形を持つ命の緒。「ハッグ様 貴女に助けていただき ピュアはとても助かりました」ピュアたまにとっては、ハッグはここまでの存在だ。用済みでもある。ハッグ、絶体絶命…! #犬界主

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といったところで、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編内、vs.ピュア前編、一旦中断です。いやー、最初読んだ時はポカーンとしていました。〇〇〇〇〇〇!? そいつ!? 何でまた!? というか。正直、最初は意味が分からなかった。

だが、イエスやシッダールタとは別の角度から、そして言われてみれば納得せざるを得ない存在承認のやつ、という意味では、意表を突く、ハッタリも効いた人選だ。よく思いついたな鮒寿司(尾籠憲一)先生… #犬界主

そして、〇〇〇〇だということは、これは規範の物語の語り手だ。<主流>に沿う者はともかく、そうでないものには厳しいだろう。そしてハッグはつまらない成功譚に失敗した外れ値だ。おそらく容赦なく処理されるだろうが…では、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vs.ピュア前編、23冊14頁から再開します。たましいの震える素晴らしさを遂に理解することなく、つまらない成功譚に失敗して負けたハッグを、ピュアたまが処理せんとする。しかし…なんと、意外にも、アスちんが止める! えええ!?

アスちんも自分の咄嗟の制止が意外だったらしい。ルーサーは戦慄している。今ここでピュアたまを刺激して大丈夫なのか。リースはもう少し別のことを考えている。アスちんの咄嗟の制止に、本人でも気づいていない理由に、外から何かを感じ取っているようだ。何だ? #犬界主

「その………」言葉を探すアスちん。「私はその最低最悪の妖魔を倒すために 今まで……ここまで来ました」そうだった。ピュアたまにつまらない復讐譚と言われようとも、そのためにここまで来たのだ。「ハッグが私にしてきたことは許せません! 今も殺そうとしてきましたし…」 #犬界主

ふと気づくアスちん。「あっ 私もピュア様を崩壊しようとしましたが…」そこで謝っちゃう。やはり根はいい子なんだよな…「いいよ そういう勝負だったのだし そんなつまらない私情でピュアは評価を変えない」ピュアたまもそこは弁えている。「お前は合格だよ」だそうです。 #犬界主

「はい…ですがその」アスちん、ここから、言語化しづらい何事かを、言語化しようとしている。リース、見守る。 #犬界主

「あぁ わかったわかった 憎きハッグを討ちたいけど 禁忌で手が出せないから 明日まで待って欲しいというんだね」…今までの流れでは、ふつうに考えればそうなるだろう。しかし、アスちんが止めたのは、そういうことではなかった。アスちんの考えていることとは、なんと… #犬界主

「いいえ 討つ気はありません」おお…! 悪辣な支配者であり、友の仇であり、除くしかないと思い定めていたハッグに対して、殺すことに抵抗がある、殺したくない、というのだ。マジか…! #犬界主

アスちんの心の機微に潜んでいた、こんな優しい性根に、感銘を受けるリース。ロックヘイムの治療師、特にリースにとっても、『医は仁術』なのだ。こういうある種の慈悲は、もちろん善きものとして評価できる。身近なちみっこ、アスちんの中にも、それはあった! なんて素晴らしいんだろう。 #犬界主

「なるほど嬉しいよ ようやく「間違い」を認めて 復讐なんて無意味だとわかったわけだ お前も成長したんだね」…こっ、こいつ! そりゃピュアたまにとっては復讐譚はつまらないだろうが、そういう自分の価値観の超上から目線の捉え方に丸めるんじゃねー! 実に嫌そうな顔のリース。 #犬界主

「いいえ…復讐心がなくなったわけではありません」アスちんにとっても、ここは微妙な心の機微だ。それに、「魔王に操られていたことを差し引いても その悪行には責任があります」ハッグは依然として裁きを受けるべき者だ。ピュアたまは不思議そうな顔で聞いている。じゃあ、ナンデ? #犬界主

アスちんがふつうにハッグを倒していたら、その時はよくても、バンシー牧場は、純バンシーはふつうに滅んでいただろう。ハッグは少なくともそういう自認でいる。もっともピュアたまはそうは思っていない。アスちんは優秀だ。彼が代わりにバンシー牧場と純バンシーを守護(まも)っただろう。 #犬界主

ピュアたまはハッグに言う。ちゃんと聞いてやれ。アスちんは復讐譚を終わらせようとしているのだ。もちろんハッグとしては「じゃあ自分の成功譚はダメなのかよ」くらいのことは言いたい。そして、ピュアたまにとってはハッグにはもう価値はない。 #犬界主

バンシー牧場と純バンシーを守護(まも)る価値すら、アスちんで代替できる。そのアスちんのしこりを終わらせてやることが、ハッグの最後の役目だ。ピュアたまとしてはそういう幕引きを考えているようだ。しかし… #犬界主

アスちんは言う。「いいえ ハッグにしか出来ませんでした」ハッグ、驚き…憑物が落ちたような顔になる。まさか、これは、自分を仇として敵対していたこいつに、ほんものの慈悲を受けているのか。たましいがないと言われるハッグだが、さすがに、感じ入って、ないたましいが震えている…! #犬界主

今度はピュアたまの方が分からない。「えーと つまり その「罪」と「功績」を秤にかけろと…?」そういうことじゃねー。「…違います」(この人…)リース、険しい顔になる。(だめだ うまく言えない 伝わらない)アスちん、戸惑う。ここは本当に微妙な機微なのだ。 #犬界主

「あぁ わかった」そういうピュアたまの目利き「を」、リースは見抜く。(この人にはわからない)ピュアたまはバンシー牧場の運営の問題だと読んだらしい。「ハッグ亡き後のバンシーを守る自信が無いというんだね」大事な話だよ。でも今ここにおいては、そういう話じゃないんだよなあ… #犬界主

「それなら後任を用意してある 君たちも会ったことがあるだろう」キナモムム精神施療院長だ。寝ている。司神マート=テミスを見て意識が飛んだのだろうか。「彼女は優秀だ ハッグ以上にバンシー牧場を運営できるよ」でもガンギマリ千年王国思想だしなあ… #犬界主

「そういう話ではなく!」アスちんがなおもハッグを庇う。ハッグ、澄んだ目でうつむく。ハッグの中で、静かな、しかし重大な何事かが、起きようとしている。イソップ寓話風に言えば『北風と太陽』とでも言おうか。最期の時を前にして、アスちんの慈悲が、冷血なハッグを、融かしつつある。 #犬界主

確かに、外から見て、アスちんとハッグの過去の経緯も理解して、そのままアスちんの中で何も変化がなかったのであれば、ピュアたまの解釈は、基本的には概ね正しかったであろう。だが、少なくとも今この瞬間は、アスちんはそうは思ってないし、そんな理由で行動している訳ではないのだ。 #犬界主

今までの流れからすれば、アスちんのこれが異常行動なのは確かだ。ピュアたまに理解しろというのも難しい話であろう。が、ともあれ今、ピュアたまは、アスちんへの目利きに失敗したまま、的外れな解釈を一方的に返している訳だ。アスちん、ピュアたまに対する、「そうではない」の中にある。 #犬界主

まがい物、傍流を、主流の立ち位置からしか見られないと、こうなっちゃう。主流の人、傍流を理解出来ていないし、そういう翻訳では、傍流の中の意味も価値も見誤ってしまう。そういうことなのかもしれない。でも、それは、主流の、実はとても大きな弱点なんじゃないかなあ。 #犬界主

もちろんピュアたまにしてみれば、本来そんなもの理解しなくてもいいんだから、これはピュアたまからアスちんへのあえての温情、ねぎらいですらあるのだろうが…「そういうこっちゃねえんだよ」という気持ちで受ける温情もねぎらいも、「そういうこっちゃねえんだよ」でしかないんだよな。 #犬界主

「そのっ ピュア様の秤にかければ有罪でしょう 私もハッグは嫌いですが…」アスちんはハッグが嫌いだが、それでも慈悲は慈悲である。尊いことだ。しかし、ピュアたまは奇妙にもこう返す。「ピュアはハッグのことは嫌いではないよ」「え?」 #犬界主

「さすがにニキやガルゥみたいな奴は好きになれないけど デュラハン様 デカトン様 レイミア様 レムレス様 その他大勢の 人間以外の妖魔にも悪魔にも骸者にも ここまで力を貸してくれた方達には ピュアは本当に感謝している」 #犬界主

ピュアたまにとっては、おそらくそれは本心なのだろうし、本気でそう思っているのだろう。それは分かる。「だが 「正す力」の秤に私情は乗せない 人間的な弱さが入り込む余地は無い」そして、結局、何がどうあろうと、正しいかどうか、そこだけに帰着するのだろう。 #犬界主

「それで何度も間違って 失敗してきたからね」そして、おそらく、幻滅もしてきたのだろう。慈悲に価値を認めない。私情であり人間的な弱さだと見ている。「だからこそ」、ピュアたまは、アスちんのこの細かい機微が、逆に分からなくなってしまっている。それはー、良くないことですよ… #犬界主

「それでも…」なおも慈悲のまま振舞うアスに、ハッグは意外なことを言う。「アス もういいよ」自己保身が一番大事なハッグが、ここにきてなんと自分を守ろうとするアスちんの助命を、抜け抜けとは受け取れなくなっている! まさかハッグがここまで神妙になるとは…マジか…! #犬界主

そして、ハッグが神妙に拒もうとも、ピュアたまを説得できなくとも、なおもアスちんは言う。「それでもハッグは必要です」リースもルーサーも備える。決裂の予感がある。そして…「ピュアの世界には要らない」やはりピュアたまには分からない。今のアスちんも、ハッグも、見ていない! #犬界主

分かっているのかピュアたま。途方も無い、素晴らしいことが、起きようとしているんだぞ。たましいのない獣と呼ばれたハッグの、存在しないたましいが震えている。たましいの萌芽、変成の流れ、神の妙だ。それは、ピュアたまの捨てた、アスちんの抱いた慈悲がもたらそうとしているのだ…! #犬界主

そして…奇妙なことが起きる。アドニスがハッグを殴り飛ばす! 粉砕されるハッグ! ええ…!? ピュアたまは一瞬驚きの表情を見せ、そして目に哀しみの色を浮かべる。思い出は、私情は、やはり、ある。ロックヘイムの大いなる野心家、ハッグ、死す! ええええ…!? #犬界主

「最終決戦 これにて「終劇」かな いやぁ負けました 僕達の完敗ですよピュア…あっ「様」」…アドニスおめー、ピュアたまに取り入るために、そして皆の意を汲んだつもりで、自分だけは動けるから、膠着状態を破るべく、こんな手に出たのか? 何と言うことを…! #犬界主

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といったところで、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編内、vs.ピュア前編、一旦中断です。ハッグが死ぬことはだいたい予想できていたのですが、まさかここでアスちんが助命を行うとは、考えもしませんでした。正しくなかろうが、存在するものに対する、慈悲の心!

ここはソロモンの「ピュアが目的を達した時 ピュアの創る潔癖な世界に お前らばい菌の居場所は無い 骸者はもちろん 悪魔共でさえ滅ぼされてしまうのだ だが今のワシの世界は お前のようなユニークな存在を許容しておる」に通じる。親子だなあ。妙なところで納得させられた。 #犬界主

んで、やはり、「ピュアが目的を達した時 ピュアの創る潔癖な世界に お前らばい菌の居場所は無い」ということで、悪辣な野心家であるハッグが生き延びる余地はなかったと言える。そしてそこが正にピュアたまの問題点である訳だ。 #犬界主

少なくともピュアたまはアスちんの慈悲と、それに感応したハッグの心境の変化を、全く評価していないし、理解もしていないし、何なら認識すらしていない。主流の、傍流に対する、傲慢な認識ロックとも言えよう。困った人だなあ。それで世界をどうこうされたくないぞ。 #犬界主

そして、大局の見えない野心家であるアドニスが、こんなことをやらかしてくれる訳だ。おそらくアドニスのこれも、ピュアたま的には論外なのだろうが…では、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vs.ピュア前編、23冊24頁以降から再開します。ピュアたまが処理しようとし、アスちんが奇妙にも助命しようとしたハッグを、膠着状態を脱するために殺害したアドニス。しかし…

「なにをやってるんですか」アスちん、愕然。死なせたくなかったのに、何てことを…!? 「余計だったかなー でもここは 唯一禁忌のかかってない僕が…」アドニスはヘラヘラしている。だが、ピュアたまはアスちんを理解してくれていないが、アスちんはピュアたまを少しは理解できている。 #犬界主

「馬鹿チビッ! いいから早く逃げなさい!」「?」「どー見てもお前は「不合格」でしょ」「「不合格」って…この僕がー?」み、見えてねえ~…悪辣な悪魔たち相手ならこれでも良かったかもしれないが、今までのピュアたまの言動と価値観からすれば、こんなのNGに決まっとるやろ。 #犬界主

そして…ピュアたま、ものすごい表情を浮かべ、構えを取る。敵意! アドニス、取り入るどころではないことを直ちに理解したようだ。判断を切り替える。ピュアたまと交戦!#犬界主

…なんとアドニスのステゴロが全く通じない。ピュアたま、微動だにしない。挙句、ピュアたまを殴り飛ばそうとした自分の右腕が、衝撃で大破する始末。アドニス、離れる! 判断が速い! (これで目利きもあればもっとよかったのにねえ) #犬界主

しかし…形ある命の緒が、天から枝分かれし、雨霰の如く降り注ぐ! 避けまくるアドニス! 逃げる! …逃げ切れない! 赤い結晶片と化して、アドニス、死す…! 嘘でしょ!? あの、人間サイズでのステゴロでは作中最強クラスのアドニスが!? #犬界主

アスちん、ルーサー、リース、ドン引き。ピュアたまは、己の見た正しい主流を盲信し、より悪いことに、今そこに在る者への慈悲を認識できないし理解できないし評価できない。そして、こうして、殺るときは断固殺る、圧倒的強者なのだ。分かり合えないし、相容れない、絶対的脅威! #犬界主

ピュアたまは、自分がドン引きされていることくらいは理解しているようだ。哀しそうに、己の考えを理解してもらうべく、神妙そうに言う。「今はわからないだろうが 善良な君達と違い 彼やハッグの様な者は 周囲を巻き込みながら傍流に身を落とす」 #犬界主

ハッグはバンシー牧場のみならず、ロックヘイムそのものを自分の支配する利権の場にしようとしていた。アドニスもピュアたまの成果を簒奪して、悪魔勢力からの自由と安定のために使おうとしたし、その結果、存続さえできれば、世界がどうなろうが構わなかったはずだ。 #犬界主

周囲を巻き込んで、自由に振舞えなくし、どこにも行けなく、創ったものはただ単に食い物にして、破滅させる。ピュアたまはそういうやつに世界を蚕食されたくないし、そいつらに人々が吸われて破滅するのを防ぎたいのだ。「数多の人間を観てきたからね ピュアにはわかるんだよ」 #犬界主

…ピュアたまの、人々を主流に導き、脱線から守り、脱線を導く傍流を殺して回る方針は、彼なりの慈悲から出たものだったというのだ。出発点は、間違いなく、破滅せんとする人々を、見ちゃおれんので救う、ということだった。それもまた、慈悲だ。もう自分でも理解できなくなっているけど。 #犬界主

こいつにも慈悲のセンスがあったのだろうが、実際には忘れたのと同じだ。それでなおその目的を無意識に口にする。そのくせ慈悲を意識の上では理解できない。何だそれは。認識ロックとさして変わらん。 #犬界主

目的のための手段、慈悲のための正しさに自己撞着して、目的の慈悲は全く見えなくなってしまった。そんな無明の者が、どこに誰を導くというのか? ひどく愚かしい話に聞こえる。…ピュアたまの説明を遮り、リースはきっぱりと糾弾する。「あなたにはわからないと思います」おおお…! #犬界主

しかし。ピュアたま、冷めた目で返す。「わかるよ」依然、ピュアたまは理解していない。だが、「アスの…言葉にし難い本心 ピュアにも少しわかったよ」ハッグの死で、ピュアたまも正直、私情がある。神妙になりつつある。理解を試みようとしている! ここは大事なところだ。イケるか…? #犬界主

「ハッグへの復讐はお前の自我の礎だった それを失うのが怖かったんだね」…イケませんでした。そーじゃねー。依然として慈悲がわかってねー。理解、失敗! 「違います」当然、アスちん、バッサリ切って捨てる。当たり前だ。 #犬界主

「積み上げた時間と決別し」引き続き何事かを言おうとしているピュアたまに、アスちんは断固言う。「違います」ピュアたま、一瞬口をつぐむが、それでも続ける。「積み上げた時間と決別し 新しい物語へ踏み出すには勇気がいるからね 違わないよ」 #犬界主

ピュアたまオメー人の話聴けや。直ちに自分の解釈に当てはめるんじゃねー。そういうところだぞ。「認めなきゃ……」後ろでソロモンがあくびをしている。ピュアたまのズレた問答、さぞや退屈であろう。ピュアたまは苛立っているが、そこはズレているお前が間違っているし、お前が悪いよ。 #犬界主

「お前も…みんなわかっているはずだ もう先はない 出口は無いと ここが終点なんだから 乗り換えて ピュアと共に行くしか…」ピュアたま、腰を低くして言う。しかし、リースもアスちんも、こちらの話を聞いてくれる状態でも、理解してくれる状態でもない。 #犬界主

ピュアたま、喋りながらしょげていく。(また……またわかってもらえないのか)そりゃそうだ。人に話を聞いてもらって、理解してもらって、ついてきてもらいたいんだろう。だが、当のお前が人の話聞かんし理解も示さんのだから、こうして拒まれるのは、むしろ当たり前なんだよ。 #犬界主

一縷の望みと共に、ピュアたまは言う。自分によく似た相手。理解してほしい相手。「稀男くん 君ならわかってくれるよね」そして…なんと、稀男、気軽な笑顔で、いとも簡単に、言う。「わかるよ」…マジかよ!? #犬界主

アスちん、見捨てられたような顔になる。ルーサー、何かを察したかのように戦慄する。ピュアたまの晴れ渡る表情。リース、緊張する…そして、稀男は、こう続ける。「それでも俺たちは お前を信じるわけにはいかない」…おおお…! #犬界主

稀男はピュアたまを理解できるし、理解を示してやれるくらい優しい。だが、それでも、ピュアたまでなく、骸者殲滅部隊の側に立つのだ。ピュアたまの話を信じられるかどうかが問題なのではない。ピュアたまという一人の人間を、その言動に鑑みて、信じるわけにはいかない。そういうことだ。 #犬界主

アスちんもリースもホッとする。ルーサーはそれほど呑気ではなさそうだ。それはそうだ。これは決裂なのだから…ピュアたま、手を降ろす。もう一度、未練のように手を伸ばすが、稀男は応じない。ピュアたま、見捨てられた子供のように、消え入るような声で、しょんぼりと言う。「そ そう」 #犬界主

稀男はひどく哀しそうな辛そうな顔を浮かべる。同士ではあるが、分かってやれるが、それでも拒むしかないのだ。アスちんは稀男と違い、ピュアたまを理解してはやれない。それでも、辛そうな二人を見て、自分も哀しそうな顔を浮かべる。優しい子だ…そして、三者三様、辛い…! #犬界主

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!アスの慈悲!

といったところで、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編内、vs.ピュア前編、一旦中断です。色々思うところがあり、ここから後、益体のない話をたくさんします。というか、本編の初見実況より、感想の方が長いくらいだ。(どういう初見実況だよそれ)

今からここは俺のピュアたまに対する肯定感情と否定感情の二律背反お気持ち長文をアホみたいにダラダラ書くコーナーになります。覚悟? 俺はできてる(最悪の導入部) #犬界主

『胎界主ピュア』のこのパートは、ラスボスの大義を主人公たちが否定する最終決戦あるあるパートです。んで、『胎界主』では、大義の人のピュアたまに、慈悲に対するセンスがなく、そこで見限られる、という筋書きでした。ピュアたまの狭さを際立たせていて、構図がバシッとキマってますね。 #犬界主

アスちん、本来なら大嫌いなハッグを、それでも真理や善悪や規範とは関係なく、今ここにあるものが滅びるのは、やはり、嫌だ、という気持ちで救おうとしたのだ。元々優しい子であるアスちんの、理屈抜きの優しさ、人助けなんだ。 #犬界主

人助けを標榜しながらそれに有害な者は殺害するピュアたまや、助けて感謝されている間だけは生きていていいような気になる、ある種の下心ある稀男に比べたら、ほんものの人助けだ。(アスちんをそう作ったのだから、そこはソロモンはやはり大したやつなのだと思いたいところなんだよな) #犬界主

!慈悲と正しさ!

その、人助けに関してはまがいもののピュアたまが、ほんもののアスちんを、結局は真理や善悪や規範で捉えようとしている。ことばで切り分けようとしている。ダメだっての。 #犬界主

自分で言っただろ。価値と意味を言葉で分けられないものがあるって。それがピュアたまにとっての本物とか真理とかなんだろう。そして、アスちんにとってはそれよりもう少し深いところにある、生きて居る、在る、ということも、やはりことばでは切り分けられないものだろう。 #犬界主

存在などどうでもいい、そんな生命至上主義めいたものには興味がない、真理と善悪や規範だけが大事、そこから漏れたものは分からない、というピュアたまに、アスちんの到達した境地が分かる訳がないんだよな。分からないなりに「なんかが在る」ことくらいは察したらしいが… #犬界主

!理解力の限界!

ピュアたまにとっては、傍流に見えるアスちんとハッグの変化は、自分にも見えている主流とは異なる、それでもかけがえのない意味と価値に対して、理解を深めるチャンスだったのだ。が、それはもう永遠に失われてしまった。ア~ド~ニ~ス~、オメ~余計なことしやがって~… #犬界主

それにしても、ハッグは死んじゃったけど、ピュアたまの象る力でも、死んだ者を甦らせることは出来ないのであろうか。それとも、ハッグの死は悲しいが、蘇生させるだけの価値はやはり認めていないし、機微の理解も突き詰めれば別にどうでもよいのだろうか。(こいつ…) #犬界主

ピュアたま、理解している(が興味はない)傍流の枠組で、理解し難いアスちんの心の動きを、間接的にでも捉えようとした。しかし、自分の知識の枠内での解釈に終始してしまい、取り零してしまった。この罠には誰しも陥る。翻訳行為で原典に触れるような、尊いが限界のある行為だ。 #犬界主

ここがピュアたまの理解力の限界でもあったのだが、まーこれについて俺はとやかく言いたくないですね。お互い、真剣な説明も、真剣な理解も、試みはしたのだから。(んまあ、でも、お互い、どっちもできなかったし、ダメだったんだけどな。残念でしたね…) #犬界主

!解像度と真理と無理解!

変な話だが、物事を抽象化すると、つまりは解像度を落とすと、純粋な真実、正しさに至る、みたいな話があるのかもしれない。「だからこそ」、ピュアたまの解像度は、低い、ということなのかもしれない。(だいぶ最悪なこと言ってるな) #犬界主

現実から解像度を落として、真実を見ると、現実はあまり見えなくなる。少なくともそれは、目指すべきゴールではなく、うまく避けるべき障害物競争のコースでしかないからだ。そして、ピュアたまは今こうして、人の現実に対して、目利きに失敗している。 #犬界主

ということは、その真実の手法とやらのもっともらしさも、かなり疑わしいんだよな。(じゃあマニュアルとか作れよ)(言語化したらかけ離れるらしいんでその手も利かねーんだよな)(じゃあ、その正しさ、世界の真実なのか、ピュアたまの独善なのか、やっぱり区別がつかんやんけ) #犬界主

!人の話を聞かないと理解できない!

あと、ピュアたま、自分の話はしたいが、人の言葉にしがたい問題意識や主題を聞く気がないというか、聞きながら自分の言葉に逐次翻訳したがるよな。それ、メチャクチャアカン傾向やぞ。現にトラブルの元になっとるやんけ。 #犬界主

人の言葉にしがたいメッセージを、自信満々に勝手に捻じ曲げて決めつけんな。そういう姿勢、俺がリースでも「うわっ」てなるわ。そうじゃねーだろ。まず、ちゃんと、聞けよ。人の話。最低限そこからだろが。 #犬界主

アスちんの話は、決して下らなくはない、何らかの大事な流れを秘めたものだ。それを、「ああ、はいはい」と言いたげな態度で、要は安く見てるんじゃあない。そんな姿勢で自分の言いたいこと「は」聞いてもらおうとし、挙句信じてもらおうともするの、端的に盗人猛々しさが過ぎるんだよな。 #犬界主

人の話を聞かない無神経なアドニスを、形として存在できなくしたピュアたま。アドニスを上回る、人の話の聞かなさと無神経さ、そしておぞましさだけが残る。主流さえ見えていれば、人の感情などどうでもいい、という話は、感情的には全くどうでも良くないんだよな。 #犬界主

リースの反応は、感情の分からない系のおぞましいやつに対する、明確な拒絶反応だ。そりゃあそうだ。俺だって、その手のやつが、こちらに「感情なんてバカバカしいものを後生大事にしているの、バカじゃないの」とか偉そうなことを言い出したら、まあ「うわっ」とはなりますよ。 #犬界主

挙句、こちらを見透かしたようなことを言いながら、その実全く感情の機微を理解していない、分かってないのなら、そりゃそんなやつ、バカがバカにしてきているようにしか見えないだろう。 #犬界主

ピュアたまは感情を、私情だの傍流だのと低く見てるし、そこを真面目に理解しようとする意志はあっても、その資質はもうない。その上で、傍流(とみなしたもの)について、詳しくないままべらべらと論じてやがる。カテゴリーエラーもいいところだ。「すっこんでろ」としか言いようがない。 #犬界主

それに、リースは治療師だ。心優しく、『医は仁術』めいた職業倫理もある。だから、存在を正しさで蹂躙「した方がよい」と思うピュアたまのいうことを、リースとしては、畏れるどころか、「コイツなんもわかってねえ」と軽蔑するの、かなり当たり前なんだよな。 #犬界主

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!胎蔵界と金剛界!

話はだいぶ変わるが、胎界主概念の元ネタの一つは、もちろん、仏教密教両界曼荼羅における、子を慈悲によって育てて開花させるモチーフ、胎蔵(界)曼荼羅であろう。そして、その対として、真なる万物の根源を、実在として顕すモチーフ、金剛界曼荼羅というものもある。 #犬界主

そういう意味では、ピュアたま、胎界主というより、金剛界主とでも呼びたいところだ。が、金剛界中枢・大日如来と異なり、こいつは胎界ブツに対してほとんど愛着も慈悲もない。出発点は慈悲だったし、当初はそれは持っていたはずの価値観だが、失意の果てに忘れてしまった。 #犬界主

変な話だが、西洋哲学の正しさの流れは、仏教密教両界曼荼羅では、あくまで二つのうちの一つでしかない。そして、真理に則って正しい金剛の智慧だけでは、存在を否定しない胎蔵の慈悲を、正しく、あるがままに読み解くのは、おそらくは無理な相談なのだろう。 #犬界主

アスちんが、忌み嫌うハッグに示していたのは、復讐の彼岸に生じた、慈悲だ。それはもちろん途方も無い価値であるはずだ。そして、それは、ピュアたまにはもうよくわからないなんかだ。じゃあ、ピュアたまの世界観では、世の価値を完全に拾えている訳ではない。大きな取り零しがある。 #犬界主

要するに、ピュアたまの世界観には、存在を否定しないという、慈悲の価値観がない! そんな奴に世界をどうこうされるの、どう考えてもとにかくマズいし、メチャクチャヤバいんだよなあ。 #犬界主

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!主流と伏流水!

あと、密教はともかく、作中世界の価値観の1つ、主流に対しても、個人的には言いたいことがある。世界には主流そのものではないが、安易に切って捨てられない意味や価値が多々あるはずなのだ。 #犬界主

ピュアたまの見えている主流と、取り零されたものたちは、より大きな主流から割れたものに過ぎないのではないか。だって、広い世界全体の中での主流なのだから、意味と価値のあるものを取り零すほど狭いようでは、本当はおかしいのだよな。 #犬界主

ピュアたまのいう主流は、より大きな主流の、あくまででかい、目立つ支流に過ぎず、実は案外狭いのではないか。そして、取り零されたものたちは、ピュアたまの主流とは異なるが、きっと実はより大きな主流の別の伏流水であるはずなのだ。 #犬界主

より大きな主流の伏流水を取り零して、狭い主流そのものに固執することは、捨てがたき旨味を損なう行為だ。変な話だが、ピュアたまは古い真理と規範の物語の人だ。捨てがたきものを扱おうとする、イソップ寓話でない文学のある種の傾向に、興味がない、ということではないのか? #犬界主

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!処刑の理由の信ぴょう性!

そういや、「主流を実現するとどうなるのか」は、結局具体的には示されなかった。が、「主流に従ってやっていく者たちは素晴らしく、そこから傍流に外れて破滅の渦に巻き込まれる者は救うべきで、彼らを傍流と破滅の渦に巻き込む者は滅ぼすべき」という路線であることはまあ分かる。 #犬界主

それが、たましいを持たないが傍流を生きて人々を巻き込む危険な存在たちへの、何らかの基準による殺害を伴うことも明らかだ。それそのものは、危険な悪魔や骸者相手には、どうしたって要請されるムーブではあろうが、どう考えたって綺麗事でない。 #犬界主

綺麗事でなくても要請されるのは分かるよ。だが、じゃあ、「しょうがないんだ」という綺麗な面でやるな。そんな意識で滅ぼすな。それは結局、手段である処刑の正当化をもたらす。そして、死刑執行人かその背景の統治者の処刑の正当性は、当然ものすごく問われるものなんだ。 #犬界主

んで、ピュアたま、お前、その信憑性の構築を丸っきりすっ飛ばしてここまできたのに、「信じてもらえる」となぜ思った? 「信頼ならない独善的な異常者が超特大暴力を手に入れて自分たちに向かってくるんで、うっせーボケふざけんなこっち来んな、となる」の、当たり前だが…??? #犬界主

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!正義の為政者は迷惑!

というか、ピュアたまがやるつもりのこと、平たく言って、「個々の粛清、バンバン行います。分かってくれるよね」という意味だからね。「ばい菌も活かす」ソロモンに、そこはある意味大いに劣るところだ。(これはソロモンの度量というより都合の話だし、手放しで称える気にはならんが…) #犬界主

ピュアたま、残念ながら、「他人に任せない、私自らが出て幹部を粛正するタイプのポルポトことサロットサル」としか言えないんだよな。判断基準を自分ですらない何らかの「正しさ」に据えていて、会話の余地がある「だけ」の、本質的には慈悲を欠く生殺与奪死刑執行独裁者でしかない。 #犬界主

生殺与奪死刑執行独裁者といえば、何かあると餓球食殺刑即執行のリョースもそうだ。だが、ピュアたまはリョースと違って、統治者としての実績も何もない。部下たちのやらかしも多すぎる。「羊飼いとしては二流」だ。正直、リーダーとしても、政治家としても、信頼に値せんよ。こんなの。 #犬界主

ピュアたまの善意と能力はともかく、こんな潔癖で痩せた価値観と目利きである以上、そこからもたらされる実践は、かなり潔癖で痩せたものにしかならないだろう。きっと人もたくさん死ぬ。それを、信奉者は知らんが、外野としては諸手上げて歓迎したくないんだよな。正直、ド迷惑です。 #犬界主

さらに最悪なことを言うと、実際のところ、ピュアたま、真実が見えているのに、要は嘘や限定的な情報で、骸者を導いて目的のために利用して滅ぼした、マジで最悪な煽動者なんだからな。じゃあ、ますます信頼ならんよ。こんなん。 #犬界主

ピュアたま、知ってるか。死の神獣たち、デュラハンはともかくレイミア様まで、最後にはお前を信じたんだぞ。お前は感謝くらいはしたかもしれないが、要は利用して破滅させたのだ。こんなことしたやつが、自分を信じてもらいたい? あまりにも図々し過ぎるんだよな… #犬界主

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!見る、信じる、伝える!

何事かを伝えたい場合には、信頼が要る。「信じてもらう」ことが出来なければ、自分が「見た」ものを「伝える」ことは出来ないどころか、聴いてすらもらえないからだ。それこそ、イソップ寓話、『羊飼いと狼』の話だ。ピュアたまには、その、肝心の、信頼がない! #犬界主

そして、ピュアたまは、肝心の「何事かを伝えるための努力」にも乏しい。他人の機微も読めないし、自分の機微も伝えられない。そもそも難解な話をしようとしているのだから、大変なのは確かだろう。でも、そもそも理解以前の問題なんだから、信頼、まず無理な話ですよ。 #犬界主

それでも稀男は分かってやれるし、本当に分かる。が、稀男個人はともかく、世界はピュアたまを分かってやれないし、信じてやれない。ここまで世界観や価値観の濃淡が異なる相手を、信じる訳にはいかない。まして、そんな世界観や価値観で、人助けや救世をされても、人や世界はいい迷惑だ。 #犬界主

稀男は、人助けをして回ってきた、助けられる人に寄り添う側の者だ。人助けをする同士で、ピュアたまに寄り添うのではない!当然、人や世界の側につくし、人や世界にとって迷惑な、ピュアたまとその路線を、「信じない」ことにしたのだ。そういうことを、稀男はピュアたまに「伝えた」! #犬界主

理解できない者同士の、アスちんとピュアたまの決別も、砂を噛むように辛い。だが、理解できる者同士の、稀男からのピュアたまの突き放しは、さらに辛い。理解できようがなんだろうが、相容れないと決めたのだ。だからこれは、もう覆ることはない、ということだ。辛い…! #犬界主

といったところで(話なげーよ)、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vs.ピュア前編、24冊3頁以降から再開します。さて、アスちんが、ピュアたまが、稀男が、三者三様凹んでいる中、ルーサーは何か別のことに注意を払っている。さっきから様子がおかしかった理由。それは…

情叔父さん! 「そういうことだ こいつらはすでに俺の手下なのだからな!」いやいやいや。稀男たちがピュアたまを信じる訳にはいかないのには、もうちょっと心の機微の話がある訳でしてぇ~…(情叔父さんにも、その辺のセンスがないことはないが、まあ苦手な分野ではあろう) #犬界主

ルーサー、愕然。「阿呆かああ! なんでやねん! 不意打ちで飛ばさんかい」脅威の処理に限れば、それが最善手だろう。だが、情叔父さんに言わせれば「トップ会談中なのが見て分からんのか 平民がッ! 地ベタでも舐めてろッ!」ということらしい。(会談? これが…?) #犬界主

とはいえ、確かにピュアたまは、今回の骸者殲滅部隊の標的の筆頭であるし、情叔父さんは行きがかり上骸者殲滅部隊の側にいるのだ。「ピュアと言ったな いやぁ イソップと呼べばいいのか?」ピュアたまは答えない。そういう精神状態ではない。稀男もだ。 #犬界主

そういう雰囲気を、読みはするが、汲みはしない情叔父さん。「悲しむことはない」誰も味方しないピュアたまを、それでもその力は認め、「その力 東郷家の為に役立てればよいのだ!」東郷家の、というか自分の手駒としてスカウトしようとする! …根気強いのは立派だが、鬱陶しいです…! #犬界主

「お前には城下士の地位を…」かつてライバルである兄・正義パパ上が、獅子屋署長をスカウトしていた時も、こんなノリだったのだろうか。東郷家にとってみれば、城下士はかなり高い地位である。情叔父さんの感覚では大盤振る舞いなのであろう。(でも団の親父とかに絶対妨害されるよな…) #犬界主

もちろんピュアたまはそんな話になんの価値も認めていない。それに、今の心境で、外野にこんな風にガチャガチャとくちばしを突っ込まれたくない。静かにしていてほしいんだよな。そんなことを言いたげに、情叔父さんの下らない話を遮る。 #犬界主

「『東郷情』くん 君は合格だが 今は少しだけ 眠っていてほしい」…ハッグやアドニスと違い、情叔父さんは合格なのだそうだ。彼も周囲を巻き込みたがるやつだが、巻き込む影響力に乏しいからか、それとも巻き込んでも人畜無害な影響しかもたらさないからか(舐めてる…) #犬界主

そして、展開される、形ある心の緒! 枝分かれしながら迫り来る! 能動的に使えば、相手を眠らせることも可能なのだろうか。しかし、球体使いの情叔父さんにとっては、これは「見える」し「捌ける」攻撃だ。 #犬界主

情叔父さん、球体間転送級球体使いの真骨頂を見せる。ピュアたまと心の緒を、自分に届かないような位置に、平たく言うと自分の頭上少し上の空間に平行移動させる。えー! なんかお絵かきソフトでカット&ペーストしたみたいなことを!? (どういうたとえだよ) #犬界主

そして、流れるように、自由落下低空無責任飛行するピュアたまのおみ足を掌で支え…放り投げる! どこへ? それは…ピュアたま、ロックヘイム地球軌道上の、凍えつく真空へ投げ飛ばされる! …は? ええーーーーーー!? 何何何!? そんな超必殺技が!? #犬界主

――ピュアたまは――2度と地球へは戻れなかった…鉱物と生物の中間の生命体となり永遠に宇宙空間をさまようのだ そして死にたいと思っても死ねないので――そのうちピュアたまは考えるのをやめた…ってコト!? (勝手にJOJO第2部風にナレーションを入れるな) #犬界主

それに、ピュアたま、果たしてこれでリタイアするタマか? 第1部のレックスの最期同様、およそこれで倒し切ったとは信じられないのだが…ともかく、今、安全になったことは確かだ。生成世界級絶対脅威ピュアたま、無力化! マジかよ!? あの流れから、こうなること、あるか!? #犬界主

「交渉決裂 帰るぞ平民共」ルーサー、今起きたことが信じられない。「…嘘 嘘やん」「何が嘘かっ! 貴様も引力圏外に放逐してやろうか」ルーサー、未だに認識が追いついていない。「この情兄ィが?」情叔父さん、いい加減腑に落ちろ、と言わんばかりの顔だ。俺がやったのだ! #犬界主

「うおおおお 今度こそマジであかんて覚悟してたわ あんなんどうやっても勝たれへんやん ありがとうございます 神様仏様」ルーサーは今や拝まんばかりだ。あの緊迫した空間から、どうやっても勝ち目のなかったピュアたまの脅威から、解放された! #犬界主

情叔父さんはダメ押しで言う。「東郷様」そう、誰が成し遂げたのか。神様でも仏様でもない。東郷家の新当主候補(自認)情叔父さんが果たしたのだ。分かっているんだろうな。「東郷様ぁぁ」ルーサーは当然媚びる。みーっともねえーんだが、まあ偽らざる本心だろうねえ… #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、vs.ピュア前編、一旦中断です。最後の一手、情叔父さんが、ピュアたまに対して、まさかの特効性能持ちだった! 勝ったッ! 第二部完! (果たして本当にそうだろうか?)

ピュアたまは接触して形をなくしたら圧勝できるし、だからアドニスの肉弾的ステゴロでは勝てなかった。それほどのご無体な性能だった。だが、遠距離攻撃なら、緒に接触せずに処理できる。そして空間能力は図形能力に対してアドが取れる。(変なところで理に適っている…) #犬界主

空間ごと引力圏外まで隔離すれば、ピュアたまといえども無力だ。完封! 優勝! マージーかー。絶体絶命からの脱出に続き、最終標的の隔離による無力化まで成功させた! 情叔父さん、鬼つえぇ! とんだ奇貨、とんだカプセル怪獣だった! (それ褒めてるのか?) #犬界主

さて、果たしてこれで終わりなのだろうか。本当に…? といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vs.ピュア前編、24冊9頁以降から再開します。アスちんもルーサーも、本当にあの超絶おっかないピュアたまを片付けられたのか、気が気でない。事情を知ってそうな稀男に訊く。(情叔父さんは憤慨している。やったのは自分だしな)

リースも問う。情叔父さんは少し落ち着く。どうしたんだ? さっきうしろからハグされてときめいちゃったのか? (このガキおじさんは~…)「説明を許す」リースに説明してやれ、と言わんばかりだ。家父長的紳士的ムーブであることだなあ。(全然手放しではないが、一応褒めてはいます) #犬界主

「…あの日 ハオウに会った翌日に話した予想は 当たっていた ピュアが信じていた<主流>は 本物だった」『封印場』の回で言っていたことだ。ハオウはマジでピュアたまを信じていたし、ピュアたまの信じていた<主流>が、思い込みでなく本物だった場合、自分たちは太刀打ちできまい。 #犬界主

ピュアたまの説明が、稀男「には」聴けたし、届いた。ピュアたまの<主流>が本物であることを、稀男は理解「は」した。ピュアたまにしてみれば、自分の理解した途方も無い<主流>を他人に理解してもらうことは、大きな欲望であったはずだ。在野の賢人、欲望の達人、ササヤンの言った通り。 #犬界主

とはいえ、稀男はピュアたまに勝ち、自分たちの目的、躰化戒律無効化法則制定を果たすことを、別段諦めてはいなかった。じゃあ、どうすればいい? 勝てないのに? 「奴を出し抜く為に 本気で信じるふりをした でないと同じ土俵にすら立てないからな」 #犬界主

迫真の演技だった。確かにあの時、稀男はピュアたまと同じ土俵に立っていた。それでも最後に選択を誤り(というから、最初から、ここぞという時に選択を誤るよう、ソロモンクソジジイに認識ロックをかけられていたのだ。ひでーよジジイ)、負けてしまった。じゃあどうするか? #犬界主

稀男はピュアたまの目的、形象素法則制定を、達成させることにした。達成させた、事象を完結させた後なら、流れは一旦そこで止まる。リセットされる。その後で処理だ。運ぶ力そのものは稀男が少し強い。そこは稀男にも分かっている。だから、「後でなら」こうして勝てたのだ。 #犬界主

とはいえ、躰化戒律無効化法則制定は成せなかった。躰化者にとってはガッカリであろう。「できれば到達前に出し抜いて 戒律を無効化したかったが すまん また失敗した…」またしても己の本気度が足りなかったのだろうか。じゃあ、つまりは、己のせいだ。申し訳は立たない。 #犬界主

躰化者であるリースとルーサー、慌てる。「そんな…」それは、出来れば素晴らしかっただろうが、大それたことだ。「ええよ 俺もまた逃げるかどーか迷っとったし」それに、ルーサーの感覚では、生きてるだけでもめっけもんだ。ともあれ、自分たちは生還したのだ! #犬界主

だが、稀男は恐ろしいことを言う。「逃げろよ」稀男は警戒を解いていない。「もしこれで終わりじゃないなら ピュアには勝てんし…」そして。「俺もここまでだ」稀男、吐血! #犬界主

そうだった。禁忌魔法則に逆らって、ピュアに靴を喰わせて口を封じた報いが、稀男の内臓を損傷しているのだった。リースが診る。…そこまでの大きな損傷ではないらしい。良かった。治療開始! #犬界主

情叔父さんもバカではない。リースの気持ちが稀男をまず向いていることくらいは分かる。彼女の落とした治療師の帽子を球体間移動で拾ってやり、治療に専念しているリースに被せてやる。んで、情叔父さんじゅうはっさいはクールに去るぜ。(そんなスピードワゴンみたいな…) #犬界主

さて。情叔父さん、改めて、東郷家新当主継承大計画だ! そのためにはルーサーを通じて、やはり稀男とアスちんを手駒にしたい。協力しろ。ルーサーも、事ここに至っては、情叔父さんの庇護下で東郷家に投降するのが生存の道かもしれん、と真剣に検討しつつある。 #犬界主

情叔父さん、自分が危害を加えられたのに、少なくとも東郷家の感覚では大甘の態度だ。とはいえ、じゃあ、そんな居丈高にスカウトするのもやめたらどうですか。え? ナメられたら上たり得ないからそんなことはできない? そうだが、高飛車なのが正当化される訳でもなかろう。 #犬界主

さて…稀男の背中が、今にも消え入りそうに、弱々しく見える。アスちんは慌て出す。まだまだやるべき戦後処理はあるのだ。終わりじゃない。一緒にやろう。そう、子供っぽく言う。リースも稀男の背中を見て…万感の想いを込めて、頭を垂れる。そして。 #犬界主

「はい お終い! 徒弟の私には完治出来ませんけど 痛みくらいは止められましたよね?」リース、本当に良い子だ…純子人格、大喜び。そして、無我人格たる稀男は、難しい顔をして…立ち上がった! 「靴 拾ってきますね」ホンマええ子やリース… #犬界主

稀男は腐れ縁のアスちんに訊く。「満足か?」アスちんは訊き返す。「貴方はどうなんですか」稀男はアスちんの頭に手を置いて、人助けに身を張った、親切なお兄さんの顔で言う。「これでもうお前には なんの責任もないよ」 #犬界主

稀男に「馬鹿げてる」と評され、ピュアにも「なんてつまらないんだろう」と吐き捨てられた復讐は、アスちんの慈悲によるハッグへの助命と、死ぬ前のハッグの、反省とは言わないまでも、心境の変化という、復讐を遥か越えた境地で終わった。 #犬界主

一方で、アスちんの複躰くんの死に端を発する、躰化戒律無効化法則制定大作戦は、失敗に終わったということになる。だが、大それた願い事の失敗など、ごく普通にあることだ。 #犬界主

それに、躰化戒律無効化法則制定大作戦は、関わりのあるほんの数人の間でのみ語られていた話だ。少なくとも稀男は、これの失敗の責任を自分が負う気でいる。つまり? アスちんが負う必要はないと思っているようなのだ。ある種の、そういう、優しみ… #犬界主

ともあれ、アスちんの復讐も悲願も終わった。稀男がアスちんを、義務感と責任感から解放した。アスちん、不意に、涙を零す。デカトンを前にして、ゼントと違い生き残ったリースのように。感情が解き放たれた涙。そして…稀男、アスちんに別れを告げる。「あばよ タロット・アス」 #犬界主

そうだ。為すべきことが終わった。その中には、躰化者の救済策、躰化戒律無効化法則制定大作戦の失敗も含まれている。稀男の感覚では、堂々としていられるほどの成果からは程遠い。だが、じゃあ、また隠者めいた日々に戻れば良いのだ。誰とも一時的にしか関わりを持たない。今まで通りだ。 #犬界主

ということは、稀男はきっと、縁のあった人たちとの関係を丁寧に清算して、また独りになるつもりだ。つまり…? 稀男は、ピュアたまの口を封じたのとは別の、もう片っ方の余った靴を、宙高く蹴上げる! 沼の中に落ちる! リース、そっちも取りに行くが… #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、vs.ピュア前編、一旦中断です。マジか! 勝っても負けてもおかしくない中、勝った! マジで? マジだ! やったあああ! 今夜はスキヤキだぁ! …マジだよな? 本当に? レックス召集島イフリート砲撃爆殺の時くらい不安だが…?

そして、おそらく稀男は、成功も失敗も全て終わらせた今、存在承認の不動の礎となる成果の方は失敗したので、黙って元の生活に戻るのだろう。何も変わらない。それでもいい。慣れてる。(井戸ーズはさぞブー垂れるであろうが…)皆ともお別れだ。アスちんとも。そして… #犬界主

リースは、おそらく、シルフの指輪の時のように、靴も両方探して拾ってくれるだろう。こんないい子を…「やはり」、置いていくのか? といったところで、次回、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vs.ピュア前編、最終パートに続きます。ご清聴ありがとうございました。

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vs.ピュア前編、最終パート、24冊21頁以降から再開します。ともあれ、やるぞ…! 稀男に別れを告げられ、ぼんやりと腰を下ろして物思いに耽るアスちん。そこにこころの声、テレパシーが。…ピュアたま! ちょっと待てやオイ。マジかよ!

(ここには何も無い あっても希薄で…いろいろ試してみたんだけど……)ロックヘイム地球の引力圏外、軌道上の真空の中で、いろいろ足掻いてはみたようなのだ。だが、ダメ。うまく行かない。…こいつも、根気強いのは立派だが、心底鬱陶しいなあ。 #犬界主

(法則を定めたその「場」から切り離されてしまっては この僅かな『形象素』を広めることさえ出来ない)おそらく沼の付近なら形象素がたくさんあるから万能に違いが、真空ではそうは行かないのだろう。真空を空気で満たそうとするような、砂漠を水で潤そうとするような徒労だ。 #犬界主

(さすがは稀男くんの最後の一手だ 戻れないよう運ばれてしまった)(戻る……)戻るつもりなのだという。そしたらまたロックヘイムはピュアたまのいいように書き換えられるし、ピュアたまに不合格とされた者たちは問答無用で皆殺しだろう。それが良いとは最早到底思い難い。 #犬界主

(だから この肉体は捨てて「帰還」することにした)真空で意識を飛ばした顔のピュアたまのからだ。は、一旦捨てるのだという。JOJOの方の第二部のカーズよりしつけーなこいつ。(どうやって?)自力でやれるということなら、これはマズイのだが… #犬界主

しかし、なんかそうではないようだ。(それをお前に頼みたい)おいー。アスちんのピュアたまへの相容れない嫌悪感は散々見てるんだろーが。ピュアたまの言う事なんか、聞く訳ねーだろ。 #犬界主

ちなみにピュアたまの案はこうだ。(ピュアの複躰を作って…)(お断りします)アスちんは、複躰くんの件で、哀しく辛く苦い思いをしているし、ある意味彼のような哀しい身の上の者を救うためにここまで戦ってきたのだ。ますます聞く訳がない。何なら地雷もいいところだ。 #犬界主

(世界から必要とされてないのは お前の方でしたね さようなら)世界を要るものと要らないものに分けようとする、傲慢で独善的な、世界の仕分け人。世界のためのつもりなのだろうが、世界にとっては大迷惑だ。アスちん、ピュアたまを、冷たく見捨てる! #犬界主

さて。稀男はリースに礼を言う。「レンタ・リースさん」さん付けだ。これは…「なんの関係もないのに 今までありがとう」…確かにそうだ。そこは、リースは、掛け値なしの善意の人だし、それは不信の塊の稀男にすら届くものだった。だが…なぜ? 今そんな話を? #犬界主

リース、何かを察したのか、冷や汗をかき、首を横に振る。「最後になったけど 受け取ってくれ」稀男が人にものをあげる時。それは、贈り物であるというより、人間関係の短い「決済」だったりするのだ。悪い予感がする。困惑するリース。そして、これは… #犬界主

(そうか 残念だよアス では自力で還るとしよう)…オイ! ピュアたま、結局自力で帰れるんじゃねーか! やべーぞ! というか、そもそも自力で帰れるのに、なぜアスちんに頼もうとした? 何かデメリットがあるからか? 自分の側に? それとも、救おうとしている世界の側に? #犬界主

(どうやって…?)アスちん、戦慄。まずい予感がある。(そういう世界に成ったと言っただろう ピュアが『原典』へ繋がる48番目の扉を開き 翻訳した『象る力』はね 『形象素』を媒体にして 何にでも成れるんだよ)…チート! いんちき! #犬界主

(ただしここからその場へ還る為の「依り代」は 「法則を定めた後 形を成したモノ」に限られるようだ)…何かを形どったら、それを媒介に出来るというのだ。実験したとは思えないが、なぜこう言い切れる? 扉となりうる何かが、ピュアたまを引き寄せているのか? #犬界主

それにしても、ピュアたまの象る力、あくまで形相(かたち)だけで、質料(もの)そのものがないとどうにもならないのか? あるいは、どうやら、一度創った形あるものなら、同じものを創るのは簡単なことである、と言っているようだが… #犬界主

(この日の為に図鑑や標本で予習していたのに)あー、あれ、自分がそれらを創って、さらにそれを媒介としても使うための準備か。(それで「複躰を作れ」と…)もちろん複躰があればそれがペストなのだが、今そんなものがあるとは思い難い。 #犬界主

(失敗しましたねピュア お前がその身体以外に 特定の何かを成形したことは無いはずです)そんなことをしていた描写は今まで無かったはずだ。(無いはず…)不安気なアスちん。だが、ピュアたまは呆気なく追認する。(そうなんだよアス それで途方に暮れててね)ほっとするアスちん。 #犬界主

さて…稀男はリースに、包み紙に入った正方形のチョコを渡している。かなり遅まきながら、「ご褒美に お菓子をあげよう」だ。だが、それだけではないことは、リースも勘付いている。チョコの下に…何かがある。 #犬界主

ピュアたまは不思議なことを言う。(けれどもさっき お前が示してくれたんだ)(?)アスちんは訳が分からない。どうやら、ピュアたまは何かを創ったらしいのだ。ピュアたま本人にも、自覚のないうちに。それは…? #犬界主

稀男がリースに渡したのは…少し前、似た状況下でリースが拾ってくれた、シルフの指輪であった。稀男がリースにあげられる、人生を揺るがすほどには抜き差しならなくはないもののうち、最も価値あるもの。それを、稀男は、リースに渡す。なぜ? それは… #犬界主

(悪いけど これしかなかったんだよ)ピュアたまは申し訳無さそうに言う。なぜ? アスちんは訳が分からない。ピュアたまが、唯一創った、あるもの。一体、何を創った? それがピュアたま帰還の媒介となる? 何なんだ一体。 #犬界主

そして…稀男は、やはり、言う。関係のない相手なのに、どう考えても面倒であっただろうに、ここまでしてくれた、善意の人、リースに。万感の想いを込めて。そう…「さよなら」…嗚呼…やはり…! #犬界主

アスちん、ようやく思い出す。ピュアたまが、アスちんが、無意識に生成していたものを。別れを前にしたリースも、今、生成しようとしているもの。それは…涙! からだから生じた、からだではないもの。その手があるとは… #犬界主

アスちん、愕然とする。もしピュアたまが、涙を媒介にして戻ろうとするなら、それは単に涙から生じるだけのものではないはずだ。おそらく、人一人分の、複躰ほどのリソースを必要とするもののはずだ。つまり…! アスちん、リースの涙を止めようとする! もちろんそれは無理な話だ。 #犬界主

…からだの、形相(かたち)は、ピュアたまによって如何様にでもできる。だが、質料(もの)としてのリソースは、一体どこから手に入れるか。涙からの至近距離に、人一人分のそれがある。つまり…! #犬界主

リース、爆発四散!! そして、爆発四散したからだをそっくり奪って、ピュアたま、再度、爆誕!!! …ハァァーーーーー!? ピュアたま!!?? お前お前お前お前 おまえーっ テメッコラー!!!!!! #犬界主

「残念だ これは望んだ結果ではなかった」ピュアたまとしては、リースは自分を難じる相手ではあった。とはいえ、おそらくそこはどうでもいい。たった今新鮮な生成物があり、そのすぐそぱに人一人分のからだがあったから、使ったのだ。それだけだ。…つまりはモノ扱いじゃねーか。てめえ! #犬界主

「稀男くん 君に会えて嬉しかったよ」万感の想いを込めて、ピュアたまはたましいの抜けたような顔の稀男に言う。「さようなら」 #犬界主

…目の前で深い関係の者が死んだ無我、倒れる! 最愛の推しを喪った純子、錯乱! そして…奇妙にも活気付く井戸ーズ! 「ありがとうございますピュア様 全て思い出しましたよおおおお!」…何を!? #犬界主

今までのしっとりとしたエンディングの雰囲気が、一気にバトル空間に! ピュアたま、即、自分にアドを取れる情叔父さん相手に、形ある心の緒を飛ばす。情叔父さん、宙を舞い(どうなってんだ。球体間移動能力をハッキングされた?)、安全な場所で昏々と深い眠りにつく! #犬界主

「逃げなさい」アスちんはルーサーにそう言う。さっき稀男もそう言っていたのだ。ルーサー、一瞬の逡巡の後、逃げる。今度は間違えなかった。アスちんは微笑む。逃がせなかった仲間たちの顔を思い出す。今度こそ救えた。さて… #犬界主

リースを殺して、そのからだを奪って再構成して、顕現したピュアたま。服を生成して、倒れている稀男の横に着地する。アスちん、怒りの表情で、歯噛みしながら言う。「ピュア」…当のピュアたまも、険しい表情で立つ。こんな被害を出したくなかったのだが、と言わんばかりだ。 #犬界主

相容れない二人。一触即発! …犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、vs.ピュア前編、ここで終了です。おい…こんなのってありかよ…うおおおおお(大混乱)

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確かにピュアたまは、目的の為なら、そこに伴う私情も、感傷も、最終的には見捨てて、過程がムゴかろうが断固やるやつだ。それが、誰かの犠牲をもってしても、そしてそれがどこの誰であっても、だ。分かっていたはずだった。…なんちゅうことをしてくれやがる…ピュアたまテメッコラー… #犬界主

次回から、vs.ピュア中編編とでも呼ぶべきパートになります。…このヒキでかよ!? リースは!? 稀男は!? アスちんは!? ピュアたまは!? どうなる!? …続き、乞うご期待。(乞うご期待!? この流れで!?)それでは、皆様、ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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