見出し画像

随筆(2020/6/15):基礎を固める「ための」動機作り(2)基礎固めに導く準備

4.まずは面倒でなくし、魅力的であるようにする

さて、どうすれば勉強の時に、面倒くさい基礎固めを、なおも、したい。と思うようになるのか。
これには二度手間が必要になります。
何かというと、
「まず勉強の内容に魅力を感じてもらい、その面白さにのめりこんでもらう」
ということと、
「その面白さにのめりこんでから、「より楽しむためには、うまいところを食い残さずに食う方法があり、基礎固めとはそういうのにバッチバチに効いてくるので、やっていきましょう」と伝える」
ということ。この二つです。

***

つまりは、最初は勉強の内容そのものに魅力を感じてもらわなければなりません。
分かりやすく、よく馴染んだ、しかし切り口を変えれば「マジか!」となるような、フックとして効き目のあるネタを、満遍なくバラまく。
出来れば、それらの間に少し関連を持たせるように。

***

一見見えない関連を持たせるために、正に基礎固めが必要になってくるものもありますが、そこは後で橋の存在を語ります。今は語らないようにしましょう。
今語ると「今渡れ」という意味になりかねないし、ふつうの子はこのタイミングでそれをやると脱落しちゃうからです。
むしろ、賢い子「はて。何でここに橋がかかっておらぬ?」となり、自分で橋の存在をググったりするでしょう。
(もちろん、「賢い子以外は勉強から脱落してあれ」とかいう話は、基本的には受け入れがたい訳です)

だから、キャズム(溝)の間のを、ここで無理矢理整えないでも良いものとします。

個人的な感触としても、ここに力を入れても、
「黄泉路めいた、異世界につながる、帰って来られなくなる橋だ。
面倒くさいし、薄気味悪いし、気持ち悪いなあ」
で終わってしまうし、そうなったら今までの
「分かりやすい、馴染みやすい」
という話は全部になるからです。
そういう信頼を損なうような真似をしちゃいけない。

***

「は? なぜそんな迂遠な回り道を!? そういうのが非効率的でムカつくから、初手で基礎固めしろっつってんだ。それすら反故にするのか!?
何をフワフワしたこと言ってやがる! 勉強で誤情報を、それ以上に誤った手法を、誤った土台を積み重ねるよう導くやつ、○すしかねーんだよ!! ○ねばいいのに!!!」

あのー、まー、気持ちは分かりますが、それ、勉強の内容に馴染んでいる人の言い分ですよ。
勉強の手法でつまづいている人をうまく導くのに、その理屈、ふつう有害やんけ。
これをやって、意志力や努力がへし折られた人、たくさんいるんですよ。

だから、その話、カテゴリーエラーだ。

***

そういう善導は、そもそも導入というキャズム(溝)越えてからにした方がいいですよ。
「導入と善導を同時にやろう」という、難易度も失敗率も高い、実質的には手間を省きたいだけの、ただの横着を、
「成功したら効率的だから、これは効率的である。成功しなかった時の効率については考えないでよいものとする」
と抜け抜けと考える人、困る。
もし、その人の職場がデスマーチになったら、高確率で労力の9割方を、廃案ということで無意味なゴミにさせられて、やってた本人は価値観が崩壊して廃人になるよ。
だから、そうなる前に、そういう考え方、あらかじめテキパキと捨てた方がいいですよ。落差が低いうちが安全だ。

(続く)

(画像はお台場の科学テーマパーク、『日本科学未来館』です)


応援下さいまして、誠に有難うございます! 皆様のご厚志・ご祝儀は、新しい記事や自作wikiや自作小説用のための、科学啓蒙書などの資料を購入する際に、大事に使わせて頂きます。