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胎界主系(2023/7/26):胎界主初見実況ログ(第二部三幕最終話『胎界主ピュア』後編8vs.ピュア後編)

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、28冊23頁以降、vsピュア後編とでも呼ぶべきパート、開始します。

稀男の心象風景の中で、ピュアたまに触発されて再び目覚めた古き本物の無我と、もう崩壊を待つばかりで、後事を誰かに託さねばならない、我々のよく知るクソニス無我との間で、哀しい戦いがあった。本物無我を消した後、ヤングで元気な純子に全てを丸投げして、クソニス無我は沈んだ。 #犬界主

そして…ピュアたまの心象風景の中で、ピュアたまとアスちんの、最終決戦が始まる。「お前の…偽りの謝罪に「許す」と言ったのは本心だ」多分そうなのだろう。今までピュアたまは、歯向かってくるアスちんを、それでも何度か許してきた。そして、もう、ピュアたまは手加減しない。 #犬界主

「最後に聞かせてほしい アスだってピュアの世界を認めているんだろう 施療院長にかけた言葉は 本心だったはずだ」ピュアたまにも聞こえていた。「貴女に託します」ピュア信奉者の院長に、自分の故郷、バンシー牧場を託したのだ。 #犬界主

なにやら雨漏りのする待合室で、自分だけが濡れて、おそろしく塞ぎ込んだ目で、アスちんが言う。「お前を信じたのではありません 彼女を信じたのです」「同じことだろう」「違います」 #犬界主

善良で、素晴らしいものを見ており、素晴らしいもの以外への解像度は低い。そこは同じだが、院長はピュアたまほど世界に対して侵襲的ではない。ピュアたま、「お前のようなユニークな存在を許容しておる」ソロモンより苛烈だ。保守派と革命家の違いだが、俺はどっちにも与したくないなあ。 #犬界主

そう。ピュアたまはアスちんと戦うのではない。その背後のソロモンと戦うのだ。最後までアスちんは、正しく苛烈なピュアたまの世界を認めなかった。雨に降られているアスちんに、ピュアたま、ふられたねー。稀男だけではなく、アスちんとも相容れなかった。ガッカリするピュアたま。 #犬界主

そして…話を始める。アスちんに語り掛けているというより、「その昔…ひとりの王がいた」ソロモンを煽るためだ。ピュアたまも知る、ソロモンの顛末。それは。 #犬界主

「王は現世でやれることをやり尽くし 孤独な宮殿で無限の退屈に倦んでいた」水を張った城壁に浮かぶ、壮大な宮殿。(歴史上のソロモン神殿か? 『胎界主』ではソロモンの住む宮殿であることになっている? 悪魔たちを労役させた第一宮殿と、民を労役させた第二宮殿がある?) #犬界主

「王はただ 高揚と多幸感を貪る為に なんの痛みも覚悟を懸けることも無く 存在級位を上げては その結果だけを麻薬の様に貪り続けた」目に見える巨大な象徴を作ることも含め、それはソロモンの存在承認を上げることにつながったはずだ。 #犬界主

ソロモンは、民にも悪魔に恐れられ、偉大な建造物を作るなどして、存在級位を高め、つまりは偉大になり、それが彼に高揚と多幸感をもたらした。彼はそれを貪った。もうそれしか思いつかなかった。それしかなかった。ひりつくような快楽はあるが、ひりつくような不幸であるようにも思える。 #犬界主

「だが頽廃はすぐに追いつき その度に際限なく引き上げられていった 存在級位の「重み」は やがて生成世界での許容量を超え 世界を食べ尽くした王は 『原典』世界へ堕ちて行った」…存在級位の恐るべき副作用。重みゆえに、この世界にいられなくなる! ワーオ。とんだトラップでしたね。 #犬界主

飽きた→レベルアップ→飽きた→レベルアップ→飽きた→レベルアップ→飽きた→レベルアップ→飽きた→レベルアップ→カンストレベル999→飽きた→(中略)→レベル?→飽きた→レベル?→飽きた→飽きた→飽きた→飽きた→飽きた→貴方はバンされました→うぎゃああああああ(ひでーたとえ) #犬界主

心象風景の外は、豪雨だった。そして…ピュアたま、ソロモンをバッサリと断じる。「ソロモン お前はただの 存在級位中毒者だ」うおおおお言い方! 火の玉ストレート! そして…ソロモン! 煽りにキレ散らかしながら、顕現! 「だああああああああから どおおおおおおおした」 #犬界主

ピュアたまはソロモンを完全に認識し、その上で喧嘩を売って来た。ソロモンとしても、ピュアたまを全部奪うのだ。正面衝突はどのみち必至だった。今、事ここに至っては、待ったなしだ! やってやろうじゃないか。正面衝突、頂上決戦、開始! #犬界主

「ああああああ アイっ ソオオオオオオオ ポスっ! デコイなんぞでワシが釣れると思ったか ましてや ワシの精神を破壊するだと? バカめがっ! まんまと誘い込まれたのはお前の方よ」…ソロモンの精神を破壊する? ピュアたまのこころの小端末、デコイに封じて、どうにかするとか? #犬界主

「自身の胎界でなら ワシに勝てると思ったかぁ? これまでの功績に免じて 楽に逝かせてやろうとしたのに もうよいわ 無限の奈落に落ちろっ ピュアあああああ」…まあ、瞬間湯沸かし器のソロモンにしてみれば、途方も無く我慢した方なのだろうが、発言がもう完全に悪役全開すぎる… #犬界主

フルフルと震える紅顔の美少年、ピュアたまを、もう悪役以外の何物でもない表情を浮かべたソロモンが、処す! 待合室の底を押し下げる! エレベーターに乗ってる時に、「上のワイヤーが切れて落下したら超嫌だなあ」とは思う。『チェンソーマン』でいうと落下の悪魔的発想だ(何そのたとえ) #犬界主

『胎界主』では八層までしかない地獄だが、ソロモンのこれは無限にやれるようなのだ。原典堕ちの恐怖が反映されているのだろうか。そうでなくても落下は根源的恐怖だもんね。…しかし。気が付くと床とピュアたまは元通り。何も変わらず。無限落下くらいでは即無力化されてしまうようだ。 #犬界主

今までソロモンが無限落下で処して来た人たちが、いっぱい降って来る。血塗れ! 大惨事! 中には骨になるまでこれをされた人たちまでいる。何年落下し続けてきたんだよ。暗殺師サセボさんもいる(あーいたよな)。投げるソロモン。ピュアたまの目の前で止まり、白い粉末になって崩壊。 #犬界主

無限落下を跳ね返されたので、ダメージがあるソロモン。口から血を流す! 「を~を」さすがにそう簡単には行かないようだ。「それでは…ほんの少ぉ~し 本気を出してやるか」指を立てる。そして。待合室を丸ごと吹き飛ばす! #犬界主

そして。ソロモンとピュアたま、奇妙な場所にいた。光指す主流の源泉を背負った、亀。その亀は、宇宙の海を泳いでいる。「ほおおおれっ! 怖いぞ怖いぞ お前が小便もらした 無限の宇宙空間だっ」実際にはピュアたまの心象風景の宇宙だけどな。 #犬界主

「無限落下がお気に召さぬのなら 光速による無限飛行を堪能してもらおう」そして…光速でピュアたまを投げるソロモン! 「どうだ この 無意味に広大な空間は」勝ち誇りながら、ソロモン、奇妙なことを言う。 #犬界主

「だが ここには 何もおらん 現存するのは原生生物ばかり どこまで探索しようと 知的生命体などいなかったのだ」…ああ。探していたんだね。自分と同等の人間がいない世界で、未知の素晴らしい何かを。できれば、賢い知的生命体を。もっと言えば、たましいのある人間のような誰かを。 #犬界主

そしてそんなものはいなかった。その声に、深い失望を感じるのは、俺の気のせいであろうか。「路上の水たまりと同じ 極大と極小は同じ 世界にも宇宙にも 何も無かったのだ」胸の痛む話だナァ~。 #犬界主

そして、「まやかしだが最上位の悦楽 存在級位沸騰に付随する歓喜に溺れて なにが悪い 他に出口があるものか」…ソロモンが快楽を追ったのは、世界になにも素晴らしいものはない、という、あまりにも無価値な現実に、ヤケになっていたからだ。ソロモン、ピュアたまを恒星に叩きつける! #犬界主

そして、五行山ならぬ恒星の前に聳え立つ、お釈迦様ならぬおっかないソロモン! 「「ピュアは人間に絶望していない」だとおお? その愚かな人間が創る世界 その礎を創ったワシが謂う 「絶望すら無い」 「何も無い」わ! この手の中に何を見る? 何も無いわ!」 #犬界主

あのう、ソロモン? アンタ、人間を支配する悪魔より強いだけでしょ? 人間のために何か礎になってやったのか? 銀の法則で悪魔と戦う術を与えた? 現在、悪魔が隠然と支配するソロモンヘイムで、それ、事実上機能しとらんやんけ。別に人類のために何もしてやってなくない? #犬界主

虚無に囚われ、ヤケクソになりながら、それでも小賢しいピュアたまにヤキを入れんばかりの勢いで、ソロモンはピュアたまの顔を掴む。「だが見るがいい 全てはワシの手の中にあるのだ」掴んだ! #犬界主

「この存在級位! デコイではない 本物だ!」本腰を入れてきたピュアたまを、今度こそ掌握する! 「あ…ありえない…こんな 違う ちょっ ちょっと待っ…」「ははっ ははははははははははははははは」しかし。別の笑い声。「ははは」「は?」再び、待合室。そして、ピュアたま! #犬界主

「あ…ありえない」じゃあ、目の前のこいつは…「…こんな 違う!」ソロモンの補助人格。聡明なる頃のワシ! すり替えておいたのさ! …ええー。そんなに存在級位高かったのかお前。が、こんな手に引っかかるとは…ソロモン、本気モードになりすぎて、用心を怠ったな。 #犬界主

「『原典』を覗ける人間は お前だけじゃない ましてやその手の中に象を 『原典』の全てを乗せたなんて嘘は ピュアには通じないよ お前が翻訳できたのは 『原典』のほんの一部」冷たく切って捨てるピュアたま。とはいえ、「もちろんピュアもね 等しく盲人さ」そこは謙虚だ。 #犬界主

「だが お前の語る「象の鼻」は すでに観ていた」封印場でブチギレて顕現しかけていたソロモンの心象風景の中に、ピュアたまは紛れ込んで見ていた。どういう風に原典を見ていたかは分かる。あふれんばかりのたましいの濁流。確かにそうではあるが、それだけのもんじゃないだろう。 #犬界主

「ピュアの翻訳 「象の尻尾」を この一瞬で理解できるかな?」謙虚なようでいて、圧のある言い方。ソロモン(と周囲のたましいたち)、ピュアたまに手の操縦を奪われ、それを自分の顔に押し当てる。「ちょっ ちょっと待っ…」「とくとご覧あれ ソロモン それが真実だ」 #犬界主

原典から生まれ出ずるものの中でも、意味と価値が分けられない特殊な対象、本物と呼べるものが、主流を作るためには必要だ。ピュアたまが翻訳した原典、「象の尻尾」とやら。それは、原典から生まれ出ずる本物そのもの、つまりは文句なしの真実であろう。 #犬界主

それを、ソロモンは、喰らう! それが世界の真実ならば、例えば修道僧や神学者や哲学者だったら、さぞ大喜びだろう。なんて素晴らしいんだろう。だが、ソロモンにそれを味わっている余裕はない。ソロモン…ダウン!!! #犬界主

あの、本当におっかない脅威であるソロモンを、無力化できた! これでピュアたまを止める者はもういない。これで一安心。…が…ピュアたま、気付く。ソロモンの様子がおかしい。これは…? #犬界主

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といったところで、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編内、vsピュア後編、一旦中断です。ソロモンの絶望と、快楽追求と、自暴自棄と、暴君っぷりが、全部伝わってくる回でした。稀男のと違って、心象風景バトル、絵的にも迫力がありますね。

というか、これがお外の物質世界だったら、司神たちはさぞブチギレて「ソロモンの野郎、結局身勝手に顕現して来やがったぞ! もー知らん! 俺らも好き勝手やらせてもらうわ」になるからな。あくまでピュアたまのこころの中での心象風景バトルでよかったよな。 #犬界主

話は変わるが、ソロモンが「世界には何もない」というの、今在る意味しか見ないからじゃないかな。確かに大昔には面白いものはそんなにはなかっただろうが、秩序の信奉者として国をよく治めて、もっと臣や民を栄えさせて、いろんなものが創られていけば、きっと世界は面白くなっただろう。 #犬界主

でも、ソロモンにとっては、長い時間の果てに成ったソロモンヘイムも、大して面白くないんだろうな。愚かな人間たちにより、ゴミしか作られてこなかった。でも、それでもソロモンヘイムに帰りたいのだ。分かりますが、「故郷が依然ゴミにしか見えないなら、帰ってくんな」とは正直思う… #犬界主

そして、もうその頃には、どいつもこいつも自分と同等じゃなくなっていたから、同じ程度の敬意を払うべき仲間、人間には見えなかったようなのだ。紀元前の王に、他人をそういう同じ人間扱いする感覚は、特段備わってはいまい。だからしょうがないといえばそうなのだが、未だにこうでは困る。 #犬界主

まあ分かってはいたが、ソロモン、だいぶエゴイスティックなやつだったんだなあ。自分のためにやることに飽き、素晴らしい何かや誰かとの出会いもないなら、赤子たる臣民と後世のためになんかしてやってもいいかな、とか思わなかったのか? 秩序の信奉者を自称する、真面目な王だったんだろ? #犬界主

ともあれ、ソロモンは、ザコとみなしたやつらのために、何もする気になれなかった。ザコにしか見えない衆生のために、世界書き換えの後に、一緒に素晴らしいことをして人間世界をやっていこう、と考えたピュアたまに、この方面ではどうにも劣る。難しいですねえ。 #犬界主

とはいえ、ピュアたまの路線も、疲れ果てた人にとっては、「休むな? やれ? しかもダメージは自己責任で被れ? 煽動の責任は負わない? クソか?」あるいは「ピュアたまの指針以外何も考えたくていい。自由意志、迷いの源だ。要らない」となる話だから、これじゃダメなんだよな。 #犬界主

ソロモンの野望は潰えた。が、ピュアたまの野望は潰えてない。世界は書き換えられる。誰もこれを妨げられない。純子? 一蹴されるだけだろう。しかし、どうもまだ先がありそうだが…? といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主
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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、29冊23頁以降、vsピュア後編とでも呼ぶべきパート、再開します。ダウンしたソロモン。の、中で、何事かが起きようとしている。ピュアたまの光彩が、穏やかな緑から、燃えるような赤に変わる。そして…

きれいなソロモン! 思い出した。いた。ソロモンの中にいる、ベールゼブブを壊せる、謎のあいつ。車窓は真っ白。司神降臨時のごとく。ピュアたま、警戒する。(『タロット・アス』に潜んでいた『ソロモン』 その『ソロモン』の背後に まだ…まだ何かが潜んでいる) #犬界主

トト・ロック・カード、ソロモンのタロットの『世界』の、四隅の四大司神の中央。カポックで居並ぶ死の神獣たち相手にプレゼンしていた時に、ピュアたまにも何かが見えようとしていた。見えなかった。「お前はあの時の…………?」…きれいなソロモンが反応する。 #犬界主

足を持ち上げて、近づこうとするだけで、待合室に大きな足跡を残す。(まずい!)存在級位が異様に高い何者か。とにかく、脅威である。近づかれただけでメチャクチャにされてしまうだろう。ここまで来て、それはたまらない。何とかせねばならない。 #犬界主

(「問え」ば「答え」を返される 言葉で縛られてしまう 答えの数だけ侵入を許してしまう 問うてはならない)話すと縁ができてしまう。近づかれて、接触されて、おそらくメチャクチャにされてしまう。だから、何者か、確認のしようがない。 #犬界主

これ以上近づかれては困る。(さてどうするか 見ているだけでもこころを奪われてしまう 見ているだけで…………)服に穴が開く。こころごと侵食されてしまう。形を失ってしまう。目をつぶるピュアたま。しかし、(駄目だっ! かえって意識してしまう) #犬界主

(中心視野をぼやかし 周辺視野へ焦点を散らして思考しよう)見ながら、見なければよいのだ。他の事を考えろ。(タロットカード「世界」の中央に描かれた「何か」 その目的はおそらくソロモンと同じ)原典にいる『何か』が、生成世界に降臨してこようとしている、ということだ。 #犬界主

(だとすれば……)そこまで考えたところで、きれいなソロモンが近づく。(考えに及ぶだけでも侵蝕してくるのか!)まずいぞ。他の事を考えろ、どころではない。考えてもダメ! ならば…(対象を特定せず 状況を「仮設の事態」として捉える) #犬界主

目の前のきれいなソロモンを、現にあるものとして視や思考を向けると、その程度での存在承認でも侵蝕されてしまう。そうではなく、これは存在しない、「もし」「たら」「れば」の架空の何かだと思え。それなら架空の何かは現にある自分に関わりがない。 #犬界主

(仮定< >を中心に置いて展開しつつ 「ピュア自身の防衛手段を講じる」という 周辺思考に切り替える)きれいなソロモンについては、もしいたらおっかない、よく分からない何者かだとして、とにかく今は自分を守ることに注力し、きれいなソロモンについては未確定状態のまま扱う。 #犬界主

これできれいなソロモンについては、見てもいるし考えてもいるが、存在が確定するほどの存在承認を与えはしていないし、関わりも無い。関わりの無い存在は、存在し無いも同じだ。奇しくもクソニス無我の本物無我処理に似たところがある。初期化はできないが、きれいなソロモン、止まる! #犬界主

ホッとするピュアたま。とはいえ、そもそも、ここはピュアたまの夢見界、こころの世界だ。ピュアたまはソロモンが大暴れしようが、最終的には掌握し、制圧し、修復できた。今、それはできていない。きれいなソロモンを押さえようとしているが、押さえ切れていない。近寄られつつある。 #犬界主

今は止められたからいいものの、ここからどうするのか? もし、きれいなソロモンに、押し切られたとしたら…? そこへ。「こころは」きれいなソロモン、喋る! 単に反応するだけではない。自ら、働きかける! …じゃあ防ぎようがないじゃんか。 #犬界主

(仮に…! 仮にソロモンよりも高い存在級位を有する< >がいた場合……< >が喋った場合!)きれいなソロモン、続ける。「目覚めなければならない」ベールゼブブの時とは異なる言葉を、口にする。 #犬界主

(その声は…『たましい』…が……奪われるような…)自分は、これを聞いた時点で、たましいから出た存在承認を、このきれいなソロモン相手にしてしまう! そうしたら、近寄られてしまう! 「目覚めないこころは 沈み込んでしまう」 #犬界主

窓の外に、乗客たちがいる。終点に着いたのだから、降りたのは道理だ。だが…様子が明らかにおかしい。白い何かを、おそらくは沸騰したたましいを、頭から、目から、口から、噴き出して、狂い笑っている。歩かない彼らも、錯乱したら初めて歩けるのか!? (だいぶひでーこと言ってるな) #犬界主

復唱する乗客たち。「目覚めないこころは 沈み込んでしまウッ!」…きれいなソロモンが壊した、ベールゼブブまでいる。からだもいのちも終わったが、こころはここにあったのか!? 以前ピュアたまの列車に乗ったからか? それともきれいなソロモンが吸って掌握したからか? #犬界主

「目覚めて浮かび上がるこころは 本物だけを見ている」近づくきれいなソロモン。「本物だけを見ているうううう」走る乗客たち。「本物しかない 輝かしい まがい物なき世界は」その先は、言われなくとも、ベールゼブブは知っている。「なんてっ なんてっ なんすばっ すばばばっ」 #犬界主

ベールゼブブの後ろに、さらに誰かがいるようだが、よく見えない。ピュアたまは震えている。ヤバイヤバイヤバイ。きれいなソロモンは詠唱を終える。「なんて素晴らしいんだろう」…ピュアたまのワン・インチ距離で停止! #犬界主

(だがその台詞に意味は無い)ピュアたまはこれへの処理を行う。待合室の窓が閉まる。うるせえ乗客たちの復唱は止まる。それは信奉者たる彼らを見捨てたということであるが…関係のないベールゼブブはともかくとして。 #犬界主

(存在を承認させる為の誘い水 侵蝕手段に過ぎないのだから)クソニス無我が井戸ーズと共に本物無我の存在承認を奪った手法。きれいなソロモンは、乗客たちやベールゼブブを使い、ピュアたまにきれいなソロモンを認めさせるためにこれを使った。 #犬界主

んで、(その言葉に意味は無い)聴いてやる必要もない。聴こえなくした! きれいなソロモンは、そこから近寄れない。足踏みをしている。とはいえ、このままでは済むまい。(さすがに無理だ 完全に意識しないのは不可能だよ 侵蝕を止められない このままでは時間の問題 すなわち) #犬界主

(ピュアの勝ちだ)…えええ!? ナンデ!? (高すぎるんだよね 仮にソロモンよりも高い存在級位を有する< >がいたとしたら 顕現し続けるだけでも相当な無理を強いられる そのギリギリの狭間から行われる侵蝕 この侵蝕スピードなら < >の顕現限界まで耐えられる計算はついた) #犬界主

…つまり。きれいなソロモンはソロモンよりさらに「重い」ので、いずれ速攻「自重」で原典に沈む! (かといって 許容量を超えた強行手段に出た場合 ソロモンが杞憂したように 原典世界へ直行するだろう)許容量を超えて活動していいのかよ、となった司神たちの付け入る隙にもなるしな。 #犬界主

だから、きれいなソロモンが、自重や、さらには許容量の問題で、原典に沈むまで、耐え切れれば良いのだ! (さぁ次はどうする 歌うか? 踊るか?)余裕を取り戻すピュアたま。そこに…きれいなソロモンが、奇妙な仕草をする。ピュアたまに向けて、指を差す! #犬界主

本物無我に運ぶ力で消されることを恐れた井戸ーズと違い、ピュアたまは指を向けられてもひるまない。車掌制帽を脱ぎ捨てる。受けて立つ! ピュアたまの作法を、きれいなソロモンはやろうとしている。こうすればより近づけるからな。勝てばなおさらだ。即ち…あっちむいてホイ! #犬界主

ピュアたま、初撃を避ける。そして、次は、自分がきれいなソロモンを指さす。おおお。こっちに近付くべく相手が乗った以上、勝利条件も敗北条件も、相手は呑んだものとする。よろしいな。きれいなソロモン、奇妙にも、指を降ろす。乗るようだ。 #犬界主

己の存在を賭けた、あっちむいてホイ勝負…! (福本伸行漫画風に言うなや。『カイジ』でも『天』でも『アカギ』でも『銀と金』でもこんなことやらねえよ)ピュアたま、反撃! あっちむいてホイ! 二発連続! ピュアたま~、お前ってやつは~… #犬界主

だが、共に不発! マジで!? ピュアたまの夢見界で、ピュアたまの運ぶ力で、ピュアたまの得意技が、通じない!? …きれいなソロモン、またしても指を向ける。ピュアたま…指を降ろす! 乗る! あっちむいてホイ! 三連発! 生還! #犬界主

ひりつくような限界状況での高揚感。頬を染めるピュアたま。ムクムクと硬くする突起物。(ちにゃ~)(やめろ!)(というかどういうヘキだよピュアたま)(というか鮒寿司先生のヘキだよなこれ) #犬界主

構えるピュアたま。あっちむいてホイ! 一発! 二発! 効かない。ややあって…三発! やはりこれも効かない。タメの後、最後の…四発目! …できませんでした。うおおお… #犬界主

当然、きれいなソロモン、構える。ピュアたま、そろそろ限界だ。そして、予感がある。(あっ 負ける)…おい…!? #犬界主

五連発。一発目。で、ピュアたまはきれいなソロモンの指し示す方位に頭(こうべ)を向ける。…いきなり負けた。ピュアたまのルールで、ピュアたまの自由意志の選択で、ピュアたまが負けた。完膚なきまでの負け! #犬界主

「うっ うわああああああ」物凄い顔で目を見開くピュアたま。きれいなソロモン、ピュアたまを、撃破…! こんなことって、あるか!? #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編内、vsピュア後編、一旦中断です。ピュアたまがソロモンに食らわせた、原典の中の真理。本物。主流の源。それは、ソロモンをダウンさせる程のものだったが、きれいなソロモンを目覚めさせる呼び水にもなってしまった。そんなんありか。 #犬界主

というか、どうも、ピュアたまの見た、原典の中の真理と、原典からやってきたきれいなソロモンは、また性質の異なるものらしいのだ。もしそうならもっと容易く手を打てたはずだが、ピュアたまのムーブは、完全に未知の何かに対するものだった。 #犬界主

原典には未解明のところが膨大にあり、きれいなソロモンの体現しているそれは、ソロモンの見た象の鼻とも、ピュアたまの見た象の尻尾とも、大きく異なるようなのだ。じゃあ、きれいなソロモンが体現している原典の側面とは、いったい、何なんだ…? #犬界主

そして、ピュアたまときれいなソロモンの戦いは、ピュアたまのおなじみ、あっちむいてホイだった。ソロモンの大立ち回りに比べれば静かだが、読んだ時の切れ味はむしろ鋭い。ピュアたまの運ぶ力の及ばない、掛け値なしの真の真剣勝負! #犬界主

そして、ピュアたまはそれに負けた。こんな負け方、あるか!? ソロモンの野望は潰えたが、ピュアたまの野望も、ここで潰えるのか!? こんな形で!? といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、30冊14頁以降、vsピュア後編とでも呼ぶべきパート、再開します。ピュアたま敗北! …だが、そうはならなかった。奇妙なことが起きている。事象の巻き戻し。あっちむいてホイの逆再生。車掌制帽が浮く。ピュアたま、被る。

(この場の胎界主権限により 防衛措置を講じさせてもらった 敗北確定前の状態へと自動で復元されるよう……)…ラスボス決戦前のここを事象節として、セーブポイントとして、勝負を白紙に戻したというのだ。 #犬界主

…確かにそれだったら負けないけどさあ。いんちき! まあ存在と野望がかかってるから、やらん訳がないんだけどさあ。とはいえ、これはノーリスクではないようだ。(だが 保険をうったことで 勝負を歪めた 本質的に勝つ流れまで閉ざされてしまった)…おい? #犬界主

ソロモンがデカトンを誘導しようとして、失敗しまくったことを思い出す。今やってることはほぼそれだ。ただ、今回は、力の差の傾きは、設定を施した側のピュアたまより、施された側のきれいなソロモンの方が強い。だから、思い通りにすることは、ほぼ不可能である。 #犬界主

ピュアたまは困っている。(何度やろうと同じ「結果」を繰り返すだけなんだよね……)そして、今回はハオウ君はダウンしている。外から何か新しい、都合の良い不確定要素が介入してくることは、およそ期待できまい。現状、手詰まりである。 #犬界主

そして、別解。きれいなソロモンがこちらに関わって来ようが、ピュアたまが存在承認しなければ、存在しないも同じだ。影響はない。傷一つつかないで切り抜けられる。つまり…? (ならば「原因」を 勝負自体を消し去るまで)自分に指を向ける。何をする気だ!? #犬界主

「ピュア お前は 何も見なかっ たっ!」認識ロック!? 自分に!? そんな運用が!? 世界が回り出す。きれいなソロモンが、手を広げてピュアたまを追いかけようとするが… #犬界主

ピュアたま、きれいなソロモンとの勝負から、逃げ切る!!! うわーーーまたまたこんなのかよ! さっきからとんだいんちきばっかりだな! でも、まあ、やらんでいいし、やったら負けるだけの勝負だったら、逃げるに決まってるわなあ。 #犬界主

…目が覚めると、ソロモンが、びっくり箱から生えた老境の王冠をかぶったソロモンらしきばね人形に、構えを取っていた。ははーん。「だが見るがいい 全てはワシの手の中にあるのだ」の時点か。 #犬界主

あの時、ピュアたまがソロモンを操作して、セシャト=ムネモシュネの記す力で、ソロモン自身の情報を開示させたのか。そして、ソロモンが掴んだのは老境のソロモンのばね人形そのものだった。この老境のソロモンのばね人形が、聡明なる頃のワシ補助人格に、直結していたのか? #犬界主

ソロモンと、聡明なる頃のワシ。おかしい。これは、なんかさらに脅威が存在して、ピュアたま自身が保険をかけたのが、実際に作動したから発生している状態であろう。それは何だったのか? 少なくとも、(いない……)他に、脅威らしき存在の影は、特段見られない。 #犬界主

自分の頭を触る。勘付く。(認識ロック かけたのはピュア自身……?)どう考えても、認識ロックをしないとヤバイレベルの脅威があり、だから認識ロックをしたのだと考えざるを得ない。それが何なのかは、もはやピュアたまには認識できないし、理解もできないのだが。 #犬界主

今、アスちんも、ソロモンも、自分と対抗できる状態ではない。事象としては時間停止中である。だから…ピュアたま、お外に出ることができる。脅威は外にあるのかもしれない。調査する必要がある、目を覚ます! #犬界主

ピュアたまは目を覚ましたが、目の前でハッキングしていたアスちんは、目を閉じたまま動かない。(タロット・アスも消えた……?)…ちょっと待てやオイ。今、アスちんのこころは、どこにあるんだ!? ピュアたまの夢見界の待合室で止まったままなのか? #犬界主

それと、精神ハッキング攻撃、通信が切れたら強制ログアウトして帰って来れるのか? 来れないなら、アスちんも、ソロモンも、きれいなソロモンも、待合室で置き去り? 「残念だが お前を助けることは出来ないだろう」…ってコト? 図らずも? やめてくれよそれ。 #犬界主

デカトンの赤い結晶片の残骸。アドニスの赤い結晶片の残骸。死んだハッグの帽子。リースのからだは自分がガメて、ここにある。稀男は? ルーサーは? 他の面子は? そして、さっき疑った、何らかの脅威は? ピュアたま、形ある命の緒を伸ばし、浮き上がる。高高度から見る。 #犬界主

(いない)何らかの脅威があるはずだが、いない。稀男もルーサーも見えない。(誰もいない風景……)空が一瞬暗くなり…目を覆うほどの白さに変わる。そう。司神の穴! 唖然とするピュアたま。そして。満面の笑み! 「やっぱり手強いなぁ 稀男くんは!」 #犬界主

純子は、クソニス無我の丸投げプランを、それでもやったらしい。リースを奪回するためだもんな。どんな細い可能性でも、やらん手はないわな。 #犬界主

そして、ピュアたまはそれがどういう性質の策かも理解した。要は、何らかの手段で、稀男の運ぶ力を使って、司神を呼び戻したのだ。今度の召喚者は稀男だ。そして、召喚者権限で、もう一個願いを叶えさせようと言うのだ。自分を封じ、リースを戻す、そんな願いを。 #犬界主

ピュアたま、最後まで足掻くクソニス無我としての稀男の打った手に、表情を輝かせる。メチャクチャ嬉しそうに、しかし容赦なく対策を取る。「でもやっぱり最後のツメが甘い」手から生やしたのは…稀男、即ち、我々の知るクソニス無我の頭! …ホンマコイツ…#犬界主

「見えるかな?」司神マート=テミスに届くように。「『たましい』は違えど これで充分思い違いさせられる」召喚者の判定は、召喚した者のこころとからだに帰属するようなのだ。稀男ヘッドに喋らせる。「「還れ」 『マート・テミス・テット』」…司神の穴、広がる。おかしい。が、#犬界主

「悪いけど マナの無駄遣いだったね」次の手がある。井戸ーズヘッド! 一度会ってるから使える。「「還れ」 『マート・テミス・テット』」…司神の穴がどんどん広がる。おかしい… #犬界主

稀男、否、クソニス無我が、あえて召喚せず、井戸ーズに言わせる工夫をした可能性はあった。もし稀男が召喚したとしても、ピュアたまがこうして稀男を模倣して声をキャンセルする手が取れるからだ。それにカウンターアタックとして備えるのなら、選択肢としては在り得る手だ。 #犬界主

もちろん、それがダメでも、こうして井戸ーズの声でキャンセルすれば同じことだ。しかし、これも空振り? それはどうもおかしいぞ。何故? 実は、クソニス無我も、井戸ーズも、沈んじゃったから、召喚のしようがないからなのだが… #犬界主

(他の誰かに 召喚を委託したか? いや さすがにそれは 正式な召喚方法から外れすぎている 寝呆けた司神でも応じないだろう)呼んだのはおそらく十中八九、運ぶ力で事態をここまで引きずり込める、凡蔵稀男その人であろう。ただ、こころ、即ち人格が異なるのだ。 #犬界主

(可能性としては『凡蔵稀男』の中にまだ…まだ『何か』が潜んでいる)ピュアたまは確か純子と会ったことはないし、本物無我のことは知る由すらなかった。本物無我は初期化され、今司神マート=テミスを呼んでいるのは、おそらく純子だ。で、じゃあ、ピュアたまには分かる訳がない。 #犬界主

そして。これがピュアたまの中の、脅威への鍵穴に触れてしまう。中に潜む『何か』。脅威。それは、ソロモンの中に潜むきれいなソロモンだ。そして、それを認識したら、またきれいなソロモンの接触を避けられなくなる! だから認識ロックは解除できない。 #犬界主

ピュアたま…己が使える最大生命戦力を呼び出す。「『バハムートヘッド』」…『バハムートヘッド』!? お前…やっぱり、生体金庫バハムートを奪取しようとして、目視できるところまでは来て、でも管理者や六王がいるので、指を咥えて撤収したことがあるのか? #犬界主

そして、ピュアたま、象る力で、実質的に生体金庫バハムートを(本物よりはちっちゃいが)もう一体作れるのか!? 幾何学だけでなく、問答無用の力学までカバー!? さ…最悪すぎる…! だが、ピュアたまは今それどころではない。認識できない脅威に、脅えている! #犬界主

(状況が読めない 認識ロックを解くか…?)ふつうならそうするのが一番だ。認識できない脅威は、一般に極めて危険である。が、今回は事情が違う。脅威対策として認識ロックをかけたのだとしか思えない。だったら、解いた瞬間、脅威からの被害を喰らうはずだ。 #犬界主

脅威は認識できること「により」もたらされるので、認識ロックをかけたら脅威ではない、という、本来の答に、たどり着けなくなっている。(駄目だっ! 同じ「結果」 同じ失敗を繰り返す)そこは分かるようだ。が、当然違和感を抱く。(繰り返す? いつ繰り返した? 分からない) #犬界主

(いつから見えなくなった? 流れが……風景が……)主流が見えなくなり、風景が色あせて見えた者達。概ね、惨たらしく死んだ。…まさかのピュアたまが、そうなりつつある。認識ロックが効き過ぎた。ピュアたまにはもう主流が見えない! …そんなこと、ある!? 肝心のお前がだぞ!? #犬界主

しかし。バハムートヘッドの目は、何者かを見つけたようだ。向いたその先には…本来、安全だったはずの場所。愕然とした顔のカリテさん。ボコられても全然目覚めない情叔父さん。こちらを指さすオニオングさん。ダウンしたハオウ君を掲げるルーサー。チズ君を庇うハンバーグ先生。 #犬界主

ピュアたまの目には、小魚にしか見えない者達。その、小魚の中の小魚であるハンバーグ先生が、息子を庇っている。誰から? 自分からだ。つまり? 自分は脅威に立ち向かうつもりだったが、その自分が、少なくとも、親が子を守ろうとするくらいのレベルで、小魚たちの脅威になっているのだ。 #犬界主

脅えながら、内なる脅威を認識できないまま、お外で特大物理力をふりかざすんじゃねーよ。ピュアたまよー。そういうのが一番ダメだって、アスちんもリースも散々言ってきただろーがよー。 #犬界主
そして、さすがにピュアたまも自ら動揺している。自分は何をやっているのか? 己のやるべき主流か? これが? 血を流す傍流ではないのか…? #犬界主

きれいなソロモンに負かされかけたせいで、そして負けないために自分が自分にかけた認識ロックのせいで、勝ち筋を、価値を、主流を見失った。「視」えていた主流が「視」えなくなった、というのは、ピュアたまの動機からすれば、もうどうにもならないレベルでヤバイ。 #犬界主

元からピュアたまにはロックヘイムにある現実の人々を見ないところがあった。が、形象素をこの俗世で振るい、ロックヘイムを再びデザインすることが目的である以上、主流まで「見えなくなった」ら、何やってもデタラメになる。これではどうにもならない。アカン。それもこれは致命的だ! #犬界主

ニキやアドニスみたいな「物事が見えていないのにやたら強くて人々を破滅に巻き込む」行為を、ピュアたまは絶対に容認できない。全能であっても全知どころか無知だったら、ただ単に世界をメチャクチャにするだけだ。地雷も地雷だ。そんなことをするために、こんな力を手に入れたのではない! #犬界主

そこへ。ハッグの箒を使い、飛び来たる者あり。稀男のからだの…純子! と、闇の司神アポピス=オピオンの、へそをくわえた三半規管状の胎児めいた四大神獣! ピュアたまとバハムートヘッドの注意を、自分の方に引き寄せる! #犬界主

きっと皆唖然としただろうなあ。治療を受けたが気絶したままの稀男が、なんか急に動き出し、ハンバーグ先生の神獣石を勝手に奪い、勝手に司神降臨に使い、再覚醒した四大神獣を勝手に引っ掴んで、ハッグの箒の使い方を誰かから教わり、ハッグじゃないのに勝手に飛んで行ったんだから。 #犬界主

クソニス無我の脳天気なプランが、ここまでは「運良く」全部図に当たった。きっと、死んだ罰犬が憤慨するほどのマナを、メチャクチャたくさん使ったのだろう。さて、ここからが難所だ。ピュアたまの妨げに直面せざるを得ない。バハムートヘッドが…口を開く! #犬界主

そして…巨大な人間の手に変わり、稀男、否、純子の方を向く。ピュアたまは何もしない。手を降ろす。確かにこれは、稀男の中の、知らない人格だ。で、自分はこいつを、どうするのだ? #犬界主

そして。一番大事なところだが。自分が何をしようと、それで事態をよりよくできるのか? もう自分にはそれは出来ない。そういう目利きすら失われたのだ。自分で分かっている。では。そんなことして何になる? #犬界主

「いや…これはもう 望まれた風景ではない」自分がやろうとしたこと。自分が手に入れた力。自分が失った目利き。今の自分が、天地創造デザインをやったら、どうなるか。どう考えても、目利きが命の世界なのだ。それがワヤになったら、およそ望ましい結果にはたどり着けない。 #犬界主

それどころか、やろうとすればするほどメチャクチャなことになるだろう。世界を、小魚たちを巻き込んで、破滅をもたらすのだ。じゃあ。やめるしかないだろう。「ピュアの負けだ」…う、うおおおお…ピュアたま、まさかの、敗北宣言! 自ら! よもやこんな結末になろうとは…! #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vsピュア後編、一旦中断です。まさかこんな決着があろうとは…稀男とピュアたまとアスちん、三人のそれぞれの精神世界での戦いと、ピュアたまの断念によって、終戦! 生体金庫の時より恐ろしい大破壊があるかと思ったが、そうはならなかった。

というか、ピュアたまとソロモンの、あるいはきれいなソロモンとの戦いが、物理的にどうこうという形をとっていたら、マート=テミス以外の司神も「それがアリなら俺らも勝手にやらせてもらうわ」とガンガンやって来て、ロックヘイムはまた大惨事だったはずだから、これでよいのでしょうね。 #犬界主

ピュアたまは、自分の目的、救世のために、世界を書き換える能力を手に入れたのだ。だが、じゃあ、世界とそこに泳ぐ小魚たちを救うどころか、救われるべき世界の小魚たちを損なうようでは、解釈違いもいいところだ。 #犬界主

目利きが狭く、また最後の方では目利きが悪くなりもしたピュアたまだったが、そこは断固として見誤らなかった。そして彼は「戦略目的の達成のために戦い」「目的が達成不能になったら絶対的優位であろうと敗北宣言する」やつであった。ここが本当に立派。現実にもなかなかあることではない。 #犬界主

それと、原典を見たソロモンとピュアたま、そして原典からやってきたきれいなソロモンについていろいろ考えると、思うところがある。ソロモンの見たそれは、たましいのはたらき、力溢るる白い濁流であった。ピュアたまの見たそれは、海よりは狭く、退屈だが澄み切った、真理の主流だった。 #犬界主

ソロモンにしてみればそんなものは、たかが自分の従えた司神マート=テミスに寄せた、狭い原典の解釈に過ぎないのだろう。が、その方面における解像度は、ソロモンよりピュアたまの方が遥かに高い。というか、ソロモンは正す力に、都合の良い法則制定以外の価値を特段認めなかったようだし… #犬界主

そして、機能(はたらき)の濁流とも、法則(きまり)の清流とも異なる、なんかとてつもないものが、きれいなソロモンにはある。それは、ソロモンにとっては認識不可能であり、ピュアたまにとっては理解不可能な何かだ。 #犬界主

きれいなソロモンが、ピュアたまの世界観に、ある程度の志向性を示していたのは、「本物しかない 輝かしい まがい物なき世界は なんて素晴らしいんだろう」という彼の呟きから概ね明らかだ。(ピュアたまはそれどころじゃなかったようだけど) #犬界主

とはいえ、きれいなソロモンと、その存在の基盤は、単なる力でも、ましてや真理でもなさそうなのだ。それは何だ? …という話は、きっと第二部では明かされないんだろうな。これは第三部待ちですね。しょうがない。 #犬界主

それでも、分かることがある。たかが(とは言いたくないが)狭い真理や真実は、もっと広い様々なものによって攪乱される。狭い真理や真実にはちゃんと意味も価値もあるが、それだけあれば足りるというものではない。 #犬界主

ピュアたまの見ている真理は、ソロモンの扱う力を、届かないようにすることができる。だが、原典から来たなんかであるきれいなソロモンと、その存在の基盤、真理とは異なる何かによって、メチャクチャにされる。その程度のものだ。 #犬界主

そして、ピュアたまは、きれいなソロモンから、さらなる原典の何かしらを吸う気はなかった。自分の救世だけなら、そこまでは要らんからだ。そして、きれいなソロモンに破壊されそうになり、既に吸った原典の真理を、自ら見えなくせざるを得なくなった。それが敗因だった。 #犬界主

つまり。本当に負けないためには、保険をかけるだけではなく、要らなくても、きれいなソロモンと渡り合うために、さらなる原典の何かしらを吸わねばならなかったのではないか。 #犬界主

あっちむいてホイで負けた瞬間、ピュアたまがメチャクチャになる可能性はかなり高かった。だが、そこで、ベールゼブブと異なり、真理を存在の基盤として、踏ん張って、さらなる原典の何かしらを受け止めていれば? #犬界主

ひょっとしたら、ピュアたまは、きれいなソロモンから、己の救世にプラスに寄与する、さらなる知見を得られたのではないか? あるいは、荒療法の救世ではなく、もっと安全で有益な手段を見出すことができていたのではないか? #犬界主

きれいなソロモンは、ピュアたまに対して、何らかの志向性を持っていたようだし、ひょっとしたら何かいいことを教えてくれたり、何なら力になって助けてくれたりしたかもしれないのだ。 #犬界主

…うーん。自分で言ってて何だけど、やっぱりふつうに、すごい原典の何かしらで、たましいに根性焼きされて、ピュアたまも狂い笑って壊れてしまう顔が思い浮かんでしまう。俺がピュアたまだったら、そんな博打は打てないなあ。だからこうなるのも、残念ながら当然なのかもしれない。 #犬界主

それと、きれいなソロモン、顕現時の存在級位の自重と、事象の時間的拘束には、やはり抗えないようなのだ。ここから逆に、きれいなソロモンの存在の基盤の制約、そしてその正体が分からないか? …ムリでーす! (2秒で諦めた)これも第三部待ちだな。んじゃあ、待つしかないわなあ。 #犬界主

ともあれ、ピュアたま、敗北宣言。やはりここは背筋がジーンと震えましたね。重たい決断。長い長い、救世の野望、断念…! といったところで、次回、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、vsピュア後編、最終パートに続きます。ご清聴ありがとうございました。
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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、31冊2頁以降、vsピュア後編、再開します。これがここの最終パートです。宜しくお願いします。敗北宣言を行ったピュアたま、奇妙なことを始める。己の複躰を創っている。なぜ…? 引力圏外球体間移動対策? それとも…?

司神の穴から、司神マート=テミスが顔を覗かせる。稀男のからだの、純子のやることは、ただ一つ。「つっ 追加!」マート=テミスが、こっちに反応する! まさか…イケるのか!? 「さっき定めた法則に追加 「ピュアは『形象素』を司っている」」そして。「「ただし」」付帯条項! #犬界主

「「その確定権だけは 凡蔵稀男の『たましい』を持つ者に委ねられている」」ピュアたまのからだは、まだ確定していない。リースだかピュアたまだか分からない状態にある。これをリースに書き換え直せば、リースは元に戻る。そういう付帯条項だ。「リースを返せ!」 #犬界主

しかし…闇の司神アポピス=オピオンの四大神獣が、銃で撃ったのでもないのに、破裂する! やはり、本来の仔ではない四大神獣を通じて、本来の親ではない司神マート=テミスの権能、法則制定をさせようとすると、無理があるのか!? だとしたら。 #犬界主

今の法則の付帯条項が、本当に制定されたかどうだか、分かったものではない。それに、「待って まだ……」…付帯条項「とは別に」、法則をさらに上書きする必要があったようなのだ。だが、これでは間に合わない! #犬界主

ピュアたまは複躰を切り離す。元のからだが、膨れ上がり、ものすごい変形をしている。これは…? 司神マート=テミス、声の媒介である四大神獣(よその仔)が破裂したので、還る。もーいーだろー。帰っていいですねー。そして… #犬界主

純子、箒を鉄棒のように掴み、己が身を前方に放り投げる! 喜色を浮かべながら! そう! 破裂した元のピュアたまのからだから出てきた、リースのからだに向かって! おおおお…! 司神マート=テミスの願いが成功しようがしまいが関係ない。ピュアたま、自ら、リースを返してくれたのだ! #犬界主

純子はリースのからだを抱きしめ、感涙する。ピュアたまはそれを、少し哀しげに見届け、そして…水面に落ちる。純子も、リースも。…犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、vsピュア後編、ここで終了です。 #犬界主

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ピュアたま、野望が終わったら、自分の落とし前を付けてくれた。自分が殺した相手の中で、リースは本当に関係ない、ただの犠牲だ。これは何としても生き返さねばならなかった。生き返してくれたらしいのだ。大盤振る舞い! ここも、やはり、読んでて背筋がジーンと震えたところですよ。 #犬界主

さて…次回、vs.ピュア終編とでも呼ぶべきパートになります。長い長い胎界主第二部も、これで終わりです。長かった。本当に長かった…(まずはそういう感想が頭に浮かんでしまう。もちろんちゃんとした感想も後で書きます)それでは、皆様、ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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