スポーツ分野とMBAについて

久々に、MBA関連の相談を受けた

相談相手は、私のエッセイカウンセラー(というよりおしゃべり相手、英語の校正おじさん)からの紹介で、なかなかピンポイントなスポーツ分野に興味を持っている女性。(Aさん)

Aさんは、ピンポイントなスポーツ分野にまつわる仕事がしたい。でも、その道のりとして、留学をしようか、転職をしようか、決まっていない。

今の仕事も長く続けていて、居心地もいいし、やりがいもある。でも、多分ちょっと飽きてるんじゃないかな、とも思う。(推察)ただ、スポーツとの関わりはゼロ。

そもそも、留学といっても、MBAもあれば、Master of XXXのような他の修士もある。多分私が知らない他のスポーツ関連の学位もいっぱいあると思う。

スポーツの仕事とMBAの関連ってあるのかな

そのスポーツ分野に行くために、MBAがベストなのかな?そもそもMBAってどんなところで、どういうキャリアチェンジが考えられるのか、考えなくちゃいけないことってたくさんあると思う。決まった行きたい分野があるのなら、転職しちゃえばっていうのももちろんあるけれど、現職と違いすぎるから、そのステップ的な感じで、留学したいのかもしれない。確かにMBAってキャリアチェンジの何かに思われることも多いと思う。嘘でもないし、確証もない。

現実的な目線で言うと、MBAはスポーツ分野には直結しないケースがほとんどだと思う。そして、お金も時間もかかるのは確かだから、本当に行きたい分野がスポーツの仕事だとしたら、MBAがその分野に達する最適かつ最速な選択だとは言えないかなと、自分の経験からは思う。留学中にインターンをスポーツ関連でして、そこのコネを使って仕事探し、とかはあるかもしれないけれど。それだとMBAよりいいスポーツ関連の学位がきっとあると思ってしまう。

ただ、スポーツの仕事も、本当に幅広い。アスリート、それを支えるメディックとかカウンセラー、エージェントもそうだし、スポンサー側もそうかもしれない、AssociationとかFederationとかそっちら辺だってある。エンジニアとか、データアナリストとか、測定機材みたいな関連もスポーツ分野には近くなりうる。スポーツ関連のゲームとかアプリもあるよね。スタジアムとかクラブの運営とか、放映権ビジネスとか。最近の私のように、メーカーでのマーケティングやブランディングもそう。この中で、MBAでの勉強やコネが直接関連するものは、正直多くはないと思う。多分リーグの運営とかだったら、少し引っ掛かってくるかもしれない。でも、なんか知らんがMBAにやっぱり興味があるのなら、たくさん調べてみて、納得するなら心を決めて突き進むのだって全然いいと思う。だって私のMBAの先輩で、スポーツ業界で活躍されている人、何人もいるもの。

"自分が最も欲しいものが何かわかっていない奴は、欲しいものを手に入れることが絶対できない"

私が大好きな村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」の言葉を借りると、
自分は結局どうなりたいの、どうしたいの、を自分の中で腹落ちして、他の人に明確に伝えるには、それなりの苦行(とも思えるかもしれない)や深い思考やいろんなプロセスが必要だと思う。

Aさんは一見シャイというか少しおとなしい感じで、自分が思っていることを言葉にしてペラペラ話すのは、いきなりは難しいタイプなのかなと思っていた。でも、少し打ち解けて、たくさん似たような質問を繰り返していくと、性格だとかと言うよりは、自分の頭の中の想いや考えがまとまりきっていないから、うまくアウトプットできないのかなと思ってきて。Aさんにとっては少し苦しいプロセスだったかもしれない。私は自分が他人に割とガツンと問い詰めがちなのもわかっている。初対面で、そういう風に圧迫面接めいたことされたら、ヨヨヨ、、、ってなるのもわかる。ただ、自分がそこにきちんと対峙してクリアに何かを言えないということは、突き詰めて考える必要があるポイントが浮き彫りになるということだから、そのトピックの整理の機会になればいいなと思った。私はMBAの受験しか知らないけど、少なくともそれで言うと、インタビューってめちゃくちゃ大事だし。就活の面接にしても、堂々と、聞かれたことにパシッと全体の一貫性を見えるように話せると、いい方向に進むと思う。別にそれが多少ハッタリでも構わない。

Aさんの想いはとてもよく伝わったけど、それが1時間、2時間も話してわかるのは、まだ色々ぼんやりしているな、って上から目線みたいで申し訳ないけど、ちょっと思った。Aさんが、そこからいっぱい私以外の人と話したり、何か自分年表とか作って自分と向き合ったり、何にワクワクするのか改めて考えてみてくれればいいなと思う。

ワクワクしつつ、THIRD DOORをこじ開ける

固い話ばかりしてたわけでもなく、二人で盛り上がったのが、LinkedInで色々探ること。これはぜひキャリアを模索する人にはおすすめしたい。
今の自分が目指したいキャリアの人を探す。例えば私だったら、一時期時計業界のブランディングをしたかったので「ROLEX / BRAND MANAGER」とかで検索すると、世界中のそういうポジションについてる人、ついていた人が出てくる。その中から、色々見ていて、その人はどういうキャリアでそのポジションに行き着いたのか、どういう学歴なのか、色々見ていく。
探していくと傾向が見られたり、希望が持てたりすると思う。ここから、前にも書いたTHIRD DOORをこじ開けることにも繋がると思うけど、直接コンタクトしてみるのはどうだろう。無視されるかもしれないけど、そんなもん投げてみないとわかんないから、自分はこういう人間で、こういうことに興味がある、ぜひあなたの話を聞きたい、とかなんでもいいからコンタクトしてみるのも一つだと思う。(この時のAさんが本当にコンタクトしたかはわからない。私がこの時ノリで出したとあるリクエストは、承認された。味を占めたので、引き続き私もこのLinkedInで面白いコネクションを作る予定)

MBA以外のことはよくわからないけれど、Aさんと一緒に調べていくと、どうやらAさんのしたいことの分野は、イギリスの大学院が一番可能性があるような感じだね、ということにふわっとおさまった。(気がする)
混沌として、自分でもよくわかんなくなって不安になった時は、いろんな見方、視野からの意見を取り入れるのがいいと思う。助けて、って言えるのは何かの力だし、そこでサポートをしてくれる人、してくれない人、いるかもしれないけれど、結局その一声を出せるか出せないかで、人生変わるのかもしれない。

まとまりのないまとめ

MBAに限らずだろうけど、ぽわーっとでも、留学したいと思ってるって誰かに話したら、「何で留学したいの?」って聞かれるはず。その理由はたくさんあっても、辻褄が合わなくても、後で変わっても、別にいいんだよ、と思う。私だって、MBAの留学前の時に、何かMBAに行きたい理由の綺麗なストーリーを言ったかも作れていたかも覚えていない。そして多分そこで語ったことに、スポーツの分野は含まれていなかったとも思う。でもMBAの機会があったからこそ、MBA前とは違う形でスポーツに関わる仕事をできたことは確か。そこからさらに、いろんな縁やタイミングの重なりが、自分の奥底のスポーツに関わっていたい思いとリンクして、なぜか仕事としてこの数年スポーツによりダイレクトに関わっている。MBAに行ったからスポーツの仕事をしたことは、結果論だと思う。スティーブ・ジョブズが言ってたように、"You can't connect the dots looking forward, you can only connect them looking backwards." であって、MBAに行かなくても、留学しなくても、そのスポーツの分野に行く道も絶対あると思うから、自分の中の北極星のような何かを信じてみてほしいなと思う。

余談だけど、スポーツ業界の仕事は、華やかに見えるかもしれない。確かに仕事を通して感動することもある。でも、本音を言えば、チケットを買って、お客さんとして試合やイベントに行って、何のストレスもプレッシャーもなくその場の雰囲気を楽しんだり、テレビとかで家族や友人とかと試合を見て盛り上がるのが、純粋にスポーツをエンジョイできるんじゃないか、、、とも思う。
ないものねだりなんだけどね。あれだけ自分がズタズタになった経験を持ってしても、私はいつかまた自分が一番好きなスポーツの仕事に戻りたいと思っているし。

可能性があって、今と違う環境で、今と違う何かを目指す。
素敵なことだし、その悩んでる時間すらも、色々味わってほしいな、とも思う。私だって別に人生そんなにまだ長く生きてるわけでもないし、毎日ままならない会社員としてジタバタしているだけで偉いこと語れるような人でもないけれど、自分が通ってきたプロセスと似たようなプロセスにいる人を、素直に応援したい。



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