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teamgeekから学ぶエンジニア組織の文化形成

良いサービスを提供できる、いいサービスをローンチするためには良いエンジニア組織の文化形成は必要不可欠である。その文化形成には人との対話である「コミュニケーション」が大きなファクタを占めている。コミュニケーションはエンジニア同士はもちろんではあるが、どちらかというと摩擦が大きく発生する非エンジニアとエンジニアのコミュニケーションにも重点的に着目するべきだ。本書のteamgeekは、「模倣となる一例のエンジニア文化は何か?」、「エンジニアはどういった文化を好むか?」といった理解のために読んでくれればと思う。本ノートではそういった部分を掻い摘んでteamgeekを読むきっかけを与えれればと思っている。



基本となるHRT

HRTHumility (謙虚)、Respect(尊敬)、Trust(信頼)の頭文字をとった略語となっておりハートと呼ぶ。簡単に言えば、謙虚に振る舞い、相手のことを尊敬し、信頼して一緒に仕事しようということである。これを聞けば、「当然のことを何言ってんだ!」ってことになるが実際問題このHRTを欠く行動が散見されたりして、「言うは易し、行うは如し」となっている。今回はよく起きるHRTを欠く例について説明できればと思う。

自分の専門分野に関しての意見に謙虚さを欠く

これはよくある事例で、自分が一番そのコミュニティの中でその分野に精通している際におきるパターンである。例えば、データ分析などに関して「こちらの分析手法を使った方がいいのではないですか?」と意見を頂いたときに「わかってないなー、専門的にはここはこうなんですよ」と頭ごなしに否定してマウントをとるようなことある。

これは自分がよく理解して絶対に正しく、相手が未成熟で間違えていると思っているから発生する問題である。確かに自分の専門分野だと得意げになるのもわかるが、「ひょっとして自分は間違えているのではないか?」という可能性を少しでも持った方が自分の成長に繋がると思われる。また、そういった相手の意見を握りつぶしてしまうと心理的安全性が低下し、議論が生まれなくなり、より良いサービスができなくなる。

もし仮に相手が間違えていると思っていても、真っ向からそのまま否定するのではなく「自分はこういう考えがあり、こう思うのですがどうですかね?」と謙虚に問いかけて議論する姿勢が大事である。また、意見を受ける時だけではなく、意見をいう時も同じような問題が多々発生するので常日頃注意すべきである。

ただ注意点としては、卑屈にはなるなということだけを念頭において欲しい。謙虚=卑屈ではないので自信を持つことは大切である。

現状の問題点を指摘しまくり、作成者の敬意を欠く

これも良くあるパターンで新しくプロジェクトチームに配属された時に、現状ある問題点に対して「このサービスはここが問題でいけていない」、「プロジェクトの体制が整っていない」、「プログラムのコードが汚い」と指摘しまくることである。一見いいフィードバックをしているように感じるが、現状あるものには背景や理由が存在するのでそれを理解せずに否定する行為は相手の敬意を踏みにじることであり、それはただ自分の存在意義を認めてもらいたいがための行いにしかならない。

作成者自身問題があることは100も承知で、粗探しをしようとすれば無限におこなえるのでまずはしっかり背景を理解することが大事である。そして、もし疑問点や意見があれば「私はこう感じたんですがどうでしょうか?」と尊敬の意を持って謙虚に問いかけるべきである。

マイクロマネージメントしすぎて信頼を欠く

相手を信頼できていないパターンとして、典型的な例はマイクロマネージメントをするということである。相手を信頼できずに任せれないと感じ、何もかも詳細な指示をだし、相手をコントロールする振る舞いは信頼できていない。また、マイクロマネージメントすることで自律的な行動を阻止し、マネージャーの指示なしでは動けなくなり、マネージャーの仕事は一向になくならない、マネージャーのスキルにプロダクトは依存しキャップをかけてしまうと言った問題がある。

ただ、何から何まで相手に委譲するのはよくある丸投げパターンなのでそれはダメで適切なバランスをとるべきである。イメージとしては委譲するレベルをその人のスキルや状況に合わせてどんどん広げて行ければよく、それを委譲する側や委譲される側を認知していればより好ましい。具体的な解決策として、デリゲーションポーカーをやってみると面白いのではと感じている。


まとめ

以上、ほとんどHRTにしか着目せずにこの記事を書いちゃいました。本書は、絶対してはいけないアンチパターンや害を与えるメンバーや顧客とのコミュニケーションの仕方などについても掲載されているとても学びの多い本なのでぜひ一度読んで頂ければと思う。

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