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【イントランス】サウジアラビアの観光戦略

こんにちは、株式会社イントランスのIR担当でございます。
前回に引き続き、より幅広い「観光・インバウンド業界の情報」等についてご提供しております。
本日は、観光事業に力を入れており、世界でも観光客数が激増しているサウジアラビアの観光戦略の話題についてお伝えしたいと思います。


1.サウジアラビアへの観光客数は激増中

中東、アラブ諸国において、有名な観光地といえばドバイ(UAE)を想像する方が多いと思います。
ですが、最近ではサウジアラビアへの観光客が大きく増加しているようです。

サウジアラビアは以前まで、イスラム教徒の巡礼や商用目的など、限られた外国人だけが入国できる「閉ざされた王国」でした。
しかし、2019年9月に観光ビザが解禁され、日本人を含む一部外国人の入国が可能となりました。
さらに、2022年からイスラム教の聖地メディナへの観光客受け入れも解禁され、今では世界でも注目の観光地となっています。

そして最近、サウジアラビア観光省は、2023年の国内外からの観光客総数が1億620万人を記録したと発表しました。
この数値は、2019年比で56%増、2022年比では12%増となっており、2017年7月に発表した脱石油依存を図る国としての開発計画である「ビジョン2030」において設定した「2030年までに年間観光客数1億人」との目標を7年も早く達成したことになります。

また、2023年の観光客総数の内、外国人観光客数は2019年比で56%増、2022年比で65%増の2740万人となっており、海外からのサウジ渡航が大人気となっていることがうかがえます。

サウジアラビアの掲げる観光戦略「ビジョン2030」では、観光業のGDP割合を30年までに10%へと引き上げる目標が掲げられており、2023年の観光消費額は2,500億リヤル以上となり、すでにGDPの4%以上に達しています。

なお、年間観光客数1億人の達成に伴い、サウジアラビアでは新たに「2030年までに年間観光客数1億5000万人」との目標を設定しています。

2.サウジアラビアの観光戦略

サウジアラビアは、観光を重要な産業と位置付け、これまでに様々なプロジェクトに計8,000億ドル(約120兆円)以上を投資しており、観光事業を育てる試みに強い意志を感じますね。

サウジアラビアと聞くと、多くの人は砂漠や油田を思い浮かべ、灼熱の国をイメージしがちですが、数千年前の古代遺跡、手つかずの大自然といったものから、首都リヤドのようなグローバルシティ、サンゴ礁、アートなど、様々な体験ができるそうです。私も機会があればぜひ行ってみたいと考えています。

このように、サウジアラビアの観光事業の成長目標を高く設定して投資に邁進する姿勢は、目を見張るものがあります。
サウジアラビアの外国人観光客数は、2023年で2,740万人と、2023年の日本の外国人観光客数である2,500万人をすでに上回っており、2019年の観光ビザ解禁から、わずか3年超しかたっていないことを考えると極めて驚異的なスピードで観光事業が盛り上がっているといえるでしょう。

こうした状況を見ていると、日本の観光投資に対する意欲やスピードはまだまだ低いのかなと考えてしまいますが、ぜひとも日本政府や観光事業の関係者には、サウジアラビアの観光事業への取り組みを見習っていただき、今後、日本の観光事業をより高い水準まで高める努力をしてほしいと考えます。

3.世界初となる『ドラゴンボール』テーマパーク建設

そしてこの度、サウジアラビアのQiddiya Investment Companyが進めるギガプロジェクト「Qiddiya(キディヤ)」にて、世界初となるドラゴンボールのテーマパークがサウジアラビアで建設されることが発表されました。

ドラゴンボールテーマパークは500,000㎡を超える広さであり、7つのエリアで構成された敷地には「カメハウス」「カプセルコーポレーション」「ビルスの星」など作品を象徴するさまざまな建物が再現されるそうです。

また、TVシリーズ「ドラゴンボール」から「ドラゴンボール超」に至るまで、作品内で描かれた数々の世界に入り込み、まるでアニメーションに登場するキャラクターになったかのような気分で孫悟空たちとともに冒険を楽しむことができるとのことです。

アトラクションは5つの画期的なライドを含め合計で30以上にもおよぶラインナップとなり、また、ランドマークとしてパーク中央に据えられる全高約70mの「神龍(シェンロン)」には、その内部を通り抜ける大型ジェットコースターが設置される予定だそうです。

(出所)Qiddiya YouTube channel (World's Only Dragon Ball Theme Park)

(出所)Qiddiya、集英社・東映アニメーション

ここ数年、すさまじい勢いで観光客を増やしてきたサウジアラビアですが、世界で人気のアニメでもあるドラゴンボールのテーマパークが建設されるとのことで、さらなる観光客の拡大につながりそうですね。

この発表では、テーマパークは、東京ドーム10個分以上の広さとなるそうです。
公開された映像では、「ドラゴンボール」に登場するキャラクターやアニメの世界観が描かれ、作品内で描かれた数々の世界観に入り込み、まるでアニメーションに登場するキャラクターになったかのような気分で孫悟空たちとともに冒険を楽しめるそうです。

アトラクションは、5つのライドを含め合計で30以上あり、加えて、パーク内にはホテルやレストランも完備し、1日中、ドラゴンボールの世界に浸ることができることができるそうです。

日本のアニメーションが世界で話題となることは素晴らしいと思いますが、ドラゴンボールは日本のアニメであるからこそ、日本が主導でこうしたテーマパークを作ってほしかったなという気持ちもあります。

いずれにしろ、サウジアラビアの魅力や期待値はテーマパーク建設により、さらに高まることは間違いないでしょう。繰り返しになりますが、私もぜひ行ってみたいと思います。

4.まとめ

現在、日本ではインバウンドが活況であり、外国人観光客が増えていると言われますが、世界規模でみるとそれ以上に盛り上がっている観光マーケットがあるということが分かりますね。
また、そうした国は観光戦略が明確で優れており、投資規模も日本としてはうらやましくなるくらい膨大なものであるということがわかります。

日本は2030年にインバウンド観光客を6,000万人という目標を設定していますが、世界で成功している観光都市の戦略をより研究して、自然、文化及び食事のみならず、こうしたコンテンツ資源を徹底的に活用していくことができれば、さらに日本の観光マーケットを盛り上げいくことができるのではないかと考えます。

こうしたことが実現できると、現在掲げている2030年の目標数値は前倒しで達成され、より高い目標へ移行できるのではないでしょうか。

ぜひ、日本の観光戦略をよりスピーディーで卓越したものとし、世界の観光都市と切磋琢磨しながら、真の観光大国となってくれることを期待しています。

                                             以 上

今回の「サウジアラビアの観光戦略」の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも、イントランスをよろしくお願いいたします。


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