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〈CLASSICALお茶の間ヴューイング〉南里沙インタヴュー【2020.4 145】

■この記事は…
2020年4月20日発刊のintoxicate 145〈お茶の間ヴューイング〉に掲載された、南里沙のインタビューです。

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intoxicate 145


南里沙a

ジャズ・スタンダードに聴くクロマチックハーモニカの多彩な音色

interview&text:菅野聖

 “ひとつのジャンルに特化したアルバム”がコンセプトの『RISA PLAYS』シリーズの5 作目には南里沙が信頼するミュージシャンと演奏したジャズ・ナンバーが10 曲収められている。


 「クロマチックハーモニカを奏で始めた2008年からジャズも演奏するようになりました。それまでの私は中学1年から続けていたオーボエを大学で専攻していたのでクラシック一辺倒だったんです。でも、ハーモニカを手にしたことでジャズという自由な音楽にも出会えたんですよ」  


 1音ごとにマイキングを考え、呼吸の送り方や右手左手の使い方も工夫を凝らし、随所にこだわりを散りばめながらいくつもの技法を駆使して自らの音色を作り出している今作は、ジャズならではのアドリブにも力を注ぎ、各楽器のソロ・パートも意識的に盛り込んだと南は語る。


 「ジャズ好きの方にはクロマチックハーモニカの良さを、ファンの方にはジャズの魅力を知っていただきたいという想いで録音しました。それと人は楽しいばかりの日々を送ってはいないでしょう?ちょっと疲れを感じてしまうこともある。そんな時に寄り添える音楽を届けたいといつも思っていますが、新作は夜の四十万が似合う仕上がりだと感じているので1日の終わりにゆったりと味わっていただけると嬉しいです」


ブックレットにはシリーズ恒例のメロディ譜も掲載。


 「私が使っているホーナーのスーパー64Xには穴が16個あり、その穴番号も載せていますので楽譜を読めない方や初めてクロマチックハーモニカを手にする方でもチャレンジしやすいと思います。今、練習中の方でジャズ曲を吹いてみたくなった方も是非、トライしてみてくださいね」


 ソフトな雰囲気だが、発言から逞しさも感じる南は国内外のコンクールで数々の栄冠を手にし、日本は勿論、アジア各地からも演奏のオファーが絶えない。去年行った初の中国ツアーも大成功!まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進している彼女が今、描いている夢は?


 「演奏したい楽器のランキングでクロマチックハーモニカが1位になったらいいなあと思っています。そして、いつか1万人でハーモニカを奏でたい。この楽器は音色を聴けばその魅力が絶対に伝わると信じているので、これからも様々な活動を通してクロマチックハーモニカの普及にも力を入れていきたいと思っています。アーティストとしてはより色彩豊かな表現力を身に付けたいですね。例えば、赤にも明るい、暗いなど、様々な赤があります。その微妙な違いを音で描けるよう、自分の色をもっと増やしていきたいです」


南里沙j

『リサ・プレイズ・ジャズ』
南里沙(chromatic harmonica)
[キングレコード KICJ-838]


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