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リファラル採用を継続的に成功させる、3つの秘訣とは

リファラル採用とは、自社で働いている従業員から知人や旧友などの紹介を受けたり、推薦してもらったりして実施する採用活動のことを指します。いわゆる“社員紹介”という採用手法であり、多くの企業で実施されているのではないでしょうか。

リファラル採用は、採用コストを大きく削減できたり、転職市場にいない人材との接点が生まれたり、優秀な人材を採用できたりと、数多くのメリットがあります。

しかし、「社員からの紹介が集まらない」「見当違いの人を推薦される」「継続的な紹介がされない」など、なかなかうまくいかずに悩まれる企業も多いと実感しています。

そこで今回は、リファラル採用で継続的に成果を生み出すための秘訣をご紹介します。大きく3つのポイントに分けて解説していますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

●執筆者プロフィール

InterRace株式会社VPoS(Vice President of Solutions)
木津和 弘祐

2007年リクルート入社。新卒・中途向けメディア、人材斡旋、RPO事業、事業開発に従事し、マネジメント(課長・部長)、プロフェッショナル職を経験。RPO事業を立ち上げ期より参画し、HR領域の戦略フェーズから母集団形成、選考オペレーションまでのプロジェクトマネジメント、プロジェクトリーダー、コンサルティングを経験。世の中に存在するHRサービスに広い知見と人脈を持つ。2022年にInterRace株式会社に参画。株式会社KITSUWAの代表取締役としても活動。



【 秘訣① 】
リファラル採用でも、求める人材のターゲットを決めよう

リファラル採用を実施している企業でよく聞くのが、「会社を設立した頃はリファラル採用がうまくいっていたのだけど、会社が成長するにつれて段々とうまくいかなくなった」という話です。それは、至極当然なことなんですよね。

会社の創業期や規模の小さいスタートアップであれば、創業メンバーの友人や知人が入社されることが多いと思います。彼らに対して会社にかける想いや熱意などを伝えることでリファラル採用はうまくいくに違いありません。それは、ぜひ入社してほしいという“本気度”が伝わるからです。

しかし、段々と会社・組織が大きくなっていくにつれて、「信頼できるあの人の紹介だから、内定」というわけにはいかなくなります。100名を超えるような規模感になると、さすがに全員の顔と名前は覚えられなくなるので、「うちの社員の紹介だからOK」という話ではなくなっていきます。また、これも当然の話なのですが「どんな人材を紹介すればいいのかわからない」状態で、自分の周りの友人や知人を紹介できる人はいないでしょう。

前置きが長くなりましたが…
だからこそ、リファラル採用においても、求める人材のターゲットをしっかりと決めることが大事です。これは基本的なことだと思われる読者の方も多いかと思うのですが、できていない企業が非常に多いのが事実。人材紹介エージェントやスカウトサービスと同じ様に、求人ニーズのある現場・部署からターゲットに求める要件・スキルを洗い出し、皆が分かるような状態にすることが大事です。

【 秘訣② 】
求人情報のすべてを、社内で徹底的に広報しましょう

たとえば、社内で「リファラル採用の協力をお願いします!」と伝えたとしても、働く社員の立場からすれば、自分が所属する部署以外の仕事内容も分からないし、どんな人を紹介すればいいのかも分からないのが本音です。だからこそ、募集している求人情報を社内で告知するようにしましょう。

従業員が毎日閲覧するような社内イントラネットやメルマガで広報するなど、大勢の人の目につく機会を増やすことで、リファラル採用への意識も変わっていきます。

社内広報する求人情報には、ターゲットに求める要件やスキル、仕事内容、想定年収などは絶対に明示するべきですし、募集部署で内定が出た人の前職経験などを載せると良いでしょう。募集しているターゲットのイメージが湧くようにすることが大事です。

また、「どのような採用選考を行なうのか」「面接ではどんな質問をするのか」など、紹介された人と採用担当者の間でどのようなコミュニケーションが成されるのかを、しっかりと明示することも大切です。明示することで、紹介者にとって「本当にその友人を紹介していいのか」を判断する材料になるからです。自身が紹介した友人が面接でボコボコに言われて選考で落ちてしまった…ということがないようにするためにも、選考方法を知らせておくことは大事ですし、紹介者と面接官の間で事前に情報交換のコミュニケーションが取れるようにしておくと良いでしょう。

【 秘訣③ 】
社員紹介がしやすい風土や環境をつくりましょう

●プロジェクトチームをつくって進める

リファラル採用がうまくいっている企業の中には、全社横断の推進プロジェクトで進めている企業も多いです。トップダウンで指揮していたり、定例の経営会議の中で採用状況を議題として取り上げていたり、KPI・KGIを設定してモニタリングできている企業は、リファラル採用で持続的に成果を出しています。企業の中には、社員満足度サーベイを実施して、会社に対する愛社精神や仕事へのモチベーションが高い社員に限定してプロジェクトを組んで、リファラル採用の推進をしている企業もあります。

最近では、リファラル採用に特化したプラットフォームやツールも多数ありますので、それらを導入することで、社員紹介の手続きを簡単にし、紹介情報の管理や追跡も効率的に行えるようになっています。ぜひ活用してみてください。

●人事主催のリファラルイベントを開催する

コロナ禍前は多くの企業が、「カジュアルランチ無料」や「飲み代無料」など求職者との接点にかかる費用の会社負担をしていました。コロナ禍になって、ご時世的にできなくなってしまったこともあり、インセンティブ制度を設ける企業がかなり増えた印象です。リファラル採用で入社したら、紹介者と入社者に●●万円を支給するというものです。しかし、入社後の活躍や定着のことを考えると、食事補助や喫茶代無料などの方が「会社理解を深められる機会になる」という点で必要だと考えています。そこでお勧めしたいのが、リファラルイベントの開催です。

月数回など定期的に、社員に会って話が聞けるイベントを開催するのは、仕事理解や社風への共感を生み出すためにも効果があります。社内の会議室で、ピザやお寿司などを食べながら、募集部署の社員の方にいろいろと質問できたり、話ができたりするのは、応募者にとって有意義な時間であり、入社の志望度を高めることにつながるでしょう。緊張感なく、ラフに話を聞ける環境をつくることがポイントです。

【 リファラル採用での注意点】

リファラル採用も採用活動の1つであるため、採用上の法律や規定が存在します。紹介者の知人や友人だからといって曖昧にするのではなく、法律や規定の遵守を徹底する必要があります。特に最近多くの企業が導入をしており、注意すべきなのが、さきほど少し例に出した「インセンティブ制度」です。

紹介手当を設ける際は、その詳細を従業員に明確に伝える必要があります。「入社時に●●円支給」「紹介した人が入社して6ヶ月経ったら●●円支給」など、インセンティブ支給のルールを明確化しましょう。隠れたルールや誤解を招く情報は、組織の信頼を損なう原因となりますので注意してください。

また、紹介のインセンティブ報酬が高額すぎると、紹介だけを目的とした行動が増える可能性があります。過度な報酬額は、入社者の所得税を増やすことになり、翌年の税金が大きく変わる危険性があることも理解する必要があります。報酬の適正化や条件を明確にし、紹介の質を維持することが重要です。

3つの秘訣を根気よく継続させることで、リファラル採用は成功する

今回は、リファラル採用を成功させる3つの秘訣をご紹介いたしました。

3つの秘訣を当たり前に続ける風土をつくることが、一番大事なポイントです。最初は難しいかもしれませんが根気よく続けていくことで、リファラル採用が効果的に運用されていくようになるでしょう。まずは社内でできることから始めてみてはいかがでしょうか。

最後に、今日からでも実践できるリファラル採用のコツをお教えします。

会社へのロイヤリティが高い社員の方が積極的に社員紹介を推進していく傾向があるのですが、“入社したばかりの人”は特に会社へのロイヤリティが高く、社員紹介に対して積極的に動いてくれます。新しく入社された方に「ご友人などで、いい人がいたら紹介してくださいね」とお声がけするだけでも大きな効果が期待できるので、ぜひ試してください。


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