時代の流れに合わせて成長していく「沢与建設株式会社」取材記録
《企業紹介》
1932年10月に設立し、90年の長い歴史を持つ沢与建設株式会社。
業務内容は大きく分けて二つ。林道やダム、下水道などの建設を行う土木業と、新築住宅やリフォームプランなどを取り扱う建築業です。
現在の従業員数は、正社員23人、パート2人、関連会社に所属しているのが3人です。その中で女性従業員数は3人。工事現場でのダンプや重機の操縦など、女性でも活躍できる場面がたくさんあります。
新築住宅としてはサイエンスホームを取り扱っています。サイエンスホームの特徴は柱が見える「真壁」造り。デザイン性だけでなく、快適に住んでもらえるように様々な工夫が施されています。
《経営者に聞きました》
「建設業でもコミュニケーション能力が必要な時代」
佐藤隆一さん(代表取締役)
佐藤さんは沢与建設の3代目社長。今の時代に合わせた働きやすい環境を作ることを心掛けています。以前は、職人が良いものをつくることが重要で、コミュニケーション能力は不必要だとされていました。しかしそれでは長く会社を続けられないと考えるようになったと語る佐藤社長は、年齢、性別関係なく、平等な目線で従業員の方々に接しています。年に2,3回は社内面談をしており、人間関係や転職の相談など適切に対応することに注力しています。
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《従業員に聞きました》
「達成感は何物にも代えらえない」
石舘貴憲さん(普通作業員)
石舘さんは高校卒業後、自衛隊として働いていました。その後沢与建設株式会社に就職。父親が沢与建設で働いており、現場での働きぶりはもちろん会社の雰囲気に魅力を感じたそうです。現場監督の資格を取ることが今後の目標で、自分がやれることをこれから増やしていきたいと話してくれました。
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「何でもできるスペシャリストになりたい」
佐藤委子さん(事務職)
震災前までは温泉施設で働いていましたが、津波の被害で仕事を続けられなくなりました。佐藤さんの父親は沢与建設株式会社の2代目社長。その頃には現場で女性が活躍できる場が増えてきたため入社を決めたそうです。事務職も現場工事もどちらも経験している佐藤さんは資格試験にも果敢に挑戦。仕事も資格試験も覚えることが多く、日々勉強に取り組んでいます。
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《インターン生が感じた魅力》
私は3日間沢与建設株式会社を取材し、いろいろな方々からお話を聞かせていただきました。工事現場へ見学させていただいた時には、現場の雰囲気が想像していたものとだいぶ違っていたことに気づきました。もっと緊迫とした雰囲気だと思っていましたが、実際は和気あいあいとした雰囲気だったのです。インタビューをした際にも「仕事上で大変だったことは何ですか」という質問に対して、すぐに回答が出てこなかったのに驚きがありました。仕事をやり遂げた達成感や従業員のみなさんが優しく安心して働ける環境のおかげで、大変だった思い出よりも働くことの楽しさのほうが強く出ているのだと感じました。
建設業の魅力
建設業はやりがいを感じやすい職業だということが分かりました。公共工事でつくった道路やダムなどは長くて数十年間残り続けます。地元に住んでいると一般道路などを見る機会が多いので、実際に工事に関わった職人は当時の仕事を思い出して誇りに感じるでしょう。営業職の人もお客様の反応を実際に見ることができます。そのお客様の反応を職人に教えてあげることで会社全体がやりがいを感じやすい環境になっていくのだと思います。
取材型インターンシップを通して
まずは、このインターンシップに参加したことで宮古市がいかに良いところなのかを知るいい機会になりました。自然豊かで海産物もおいしく、なにより地元の人たちの宮古市に対する思いが伝わってきました。沢与建設株式会社の佐藤社長は、会社の利益を上げていくだけではなく町全体に利益をもたらすために他の複数の建設会社同士で連携した合同住宅展示場の計画をしていました。今後宮古市が活性化するために、いつでも戻ってきて安心して暮らせる街になっていってほしいと感じます。
また、取材の際に学生へのアドバイスを聞いて、自分の今後の就職活動にも生かせそうなことも知ることができました。今後のキャリアを考えていく上でこの記事がヒントとなれば幸いです。
取材・記事執筆:瀬川純令
2023年9月15日
《企業概要》
企業名:沢与建設株式会社
所在地:〒027-0063 岩手県宮古市山口1丁目2-27
創業:1932年
従業員数:計28人(正社員23人、パート2人、関連会社3人)、男女比8:1
Webサイト:https://www.sawayo.co.jp/
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