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【オンラインによる個別型の探求学習(+学校の勉強も)のモニター募集】


●探求学習へのシフト

近年、「探求学習」が注目を浴び、小中高校でも取り入れている学校が増えている。文科省が「主体的・ 対話的で深い学び」をテーマに、このような学習スタイルを重視する方針を明示したことによるもので、中高の入試問題も、これに対応したものが増えている。

スイス発祥の国際バカロレアという教育理念も探求学習を取り入れており、文科省も我が国に2020年までに認定校を200校作る目標を立てているが、ほとんど目標に届いていない。現行の教育が国際水準からのズレが大きいからだろう。一方、民間の学習塾では、探究学習をする塾が急増し、大変、人気が出てきた。大変、望ましいことである。

●探究とは言っても・・・

塾で行う場合は、実験や歴史ものなど大人でも知りたくなるものが多いが、いずれも塾側が入念に用意したものだ。しかし、一律の集団型教育にならざるを得ないのは、教材の作成指導の点で個別対応が無理だからだろう。本来、探究とは、自分がどうしても知りたいと思うことに対して、明らかにするアプローチの方法を考え、自分自身で苦戦しながら疑問に対する答えを探りあてるものである。後から作られたストーリを、一斉に追体験しても、本当の感動や納得は得られにくい。

費用は1週間に1回2時間で数千円以上はかかるようだが、一定期間、探究的なことを続けたとしても、家に帰ればそのテーマでの探究心は薄れる。生活の中で自分に関わることへの探求を始めると、起きている間がずっと探求になるのだ。それによって、解答がすぐに得られなくても、考える力も調べる力も自然と高まる。

探究を楽しめても、気になるのは学校の勉強だ。塾での探究で大学生レベルにもなる高度な知識や事実を獲得しても、保護者や本人には、学校での苦手科目や遅れている部分を補強しなければ・・・という焦りがあるだろう。中学高校の知識は、やらされ感があるから学びたくなくとはいえ、探究学習をするにしても、これらの知識は、基盤として重要である。

●個別の探究は可能か? 大学生の場合

 私は、公衆衛生学の研究者として、大学で「健康の科学」の講義は10年ほどしてきた。その内容は、中高年に必要な生活習慣病対策がメインになる(ダイエットを除く)ので、学んだことを将来のために知っておくとか両親に伝える、とかという動機で終わりがちだ。

そこで、5年ほど前から、各自の関心に沿って、自分でテーマを設定し、アプリで自分の変化を測定し、結果を考察させるという、ちょっとした研究のスタイルを採用した。

設定されたテーマは、やはりダイエットが人気だが、それ以外では、朝起きにくい、眠りにつけない、便秘、肩こり、バイト過多による疲労、視力低下、お肌の手入れ、人間関係のストレスなど、毎年、今どきの女子が気になるテーマのオンパレードになる。

これらに対応して指導する側も大変だが、自分が気になるテーマだと熱心に取り組む。発表でも科学的な考察が出来ることに驚いた。

保育士などを養成する学科での「子どもの保健」の講義のレポート課題では、親向けの「保健だより」の作成としたが、従来のように、内容がわかりきっているために誰も読まないようなもの駄目だ!とした。

その代わり、自分の趣味や好きなことを基本にした「自分ごと」にすること、エビデンスの裏付けがあり、わかりやすい内容にすることを条件とした。すると、お笑いや旅行、音楽、お金のかからない美容法など、これまでにないテーマが乱立したが、いずれも自分ごとだと、よく調べ、うまく1枚にまとめた力作揃いとなった。

●中学生では可能か?

 最近、ある縁で、千代田区立麹町中学のある生徒さんの保護者の方から教育相談を受けた。この学校は『「学校の当たり前」を変える』で有名な工藤先生が6年間、校長をされていたところだ。

私も大ファンである工藤先生の教育理念に沿って、丁寧に育てられた生徒さんだけあって、しっかりと教えが入っている。そこで、さっそく私が考える探究型の学習を開始することとなった。

プライバシーの点とまだ開始して間もないため、詳細は記載できないが、自分ごとを起点とした探究テーマを提示し、中学校の教育方針に沿って進めると、今、すごく熱心に取り組んでくれている。

この生徒さんについては、先日、やや詳しくnoteに記載したので、ご関心がある方は、後で下記を御覧ください。

探究課題を調べる上で、学校で習う勉強(学習指導要領の知識)と関連あるものを自習してもらうべくyoutubeで探してみたら、大手塾の授業と比べて遜色がないいくつもの講義が無料で見れることがわかった。

ただし、動画だけでは、ドリル機能やテスト機能、進捗管理はない。その点は、オンライン教育の先駆けで、全国の公立私立の学校や塾で7万人以上が学んでいる「すららネット」を使うことにした。これは対話式で進むので、無料動画のようにただ観ているのではなく、こまめに回答していかないと先に進まないので、理解が定着していく。

すると、早速、探求学習の基礎となる学校で習う知識の動画(某大手の教育機関が提供)もすべて観てしまい、「すららネット」に毎日、アクセスし、単元のテストもすべて満点になるまで進めてしまったので、次の展開を考えているところである。

●指導者に求められるもの

探究学習を個別に進める指導をするには、研究計画の立案や実施中の計画の随時の修正、読み手をレポート作成術など、研究論文を作成した経験がそのまま活きる。これは、大学生のアルバイトはもちろん本物の研究者を経験し、それを後輩の院生などに指導をしたことがない塾の先生には厳しいだろう。

私は、たまたま公衆衛生学という、理系の医学ともに人間の暮らしや生活や社会を扱う文科系の学びも必要となる分野を専攻したが、もし、ある狭い分野だけを深く掘り下げる分野の専攻であったら、研究者とはいえ、なかなか個別の探究課題の設定やその継続的な掘り下げの支援は難しかったかもしれない。

●モニター募集

最近、家庭でこそ探求学習が最適だという記事をnoteに連載をしてきたところ、我が家でも取り組みたいので支援してほしいという相談が来ている。

上記の例は、まだ試行段階なので、その方法の検証をせずに、広く生徒を募集できない。小学生と中学生では、やや方法が異なるであろうことから、まずは中学生から方法を確立していきたい。

また、個別型の探究学習とはいえ、生徒と先生という家庭教師型よりも、生徒同士で、探究したことをプレゼンテーションして評価し合ったり、学校で扱う勉強も、得意になったことを教え合うことが、動機づけにも学びの定着にも極めて効果的だろう。

そこで、今、行っている個別の探究学習の方法を検証するため、また適宜、グループ学習での効果を発揮するため、4名程度の中学生をモニターとして募集することとした。

義務感でやらされる勉強にはない、自分ごとの関心に基づく本気の個別型の探究学習により、学びの楽しさを体験してもらいたい。

●生徒と保護者の募集条件

・他の塾の通学や家庭教師、通信教育との併用も可。
・中学新1年、2年生が原則。中学3年は高校受験と兼ね合いで応相談。
・不登校やオールタナティブスクールの生徒、ホームスクーリング実施家庭、発達障害の特性をもつ生徒も可。
・今、話題のオンライン会議システムzoomとメールで行うので、日本全国及び海外在住者も可。
・従来の学びのスタイルを保護者と相談し、場合によって改善できること。
・探求学習で学びの楽しさに火がつけば、学校の勉強も出来るようになるので、暫くは学校の勉強のことは焦らずに待てる保護者及び生徒であること。
・自宅内にインターネット環境とPC・タブレットがあり、生徒が自分で使えるようになるまで、保護者が支援できること。
・探求学習の経過報告をPDCAサイクルで繰り返して実施するので、キーボードによるタイピングやメールの受発信が既に可能であるか、その習熟の努力ができること。

●モニター受講料

モニター価格 1万円(税別)~ (週の回数や科目数による従量制)

1回は30分から1時間。最初は軌道に乗るまで、毎日、実施し、次第に間隔を開けていく。

1万円のコースでも、最低、週1回は実施する。また、メールでのやり取りは随時、可能。

●期間 

 原則、令和2年の4月中(月の途中の場合は開始から一ヶ月間)。延長は応相談。

 なお、すららネットの利用は、通常は月額9千円ほどかかるが、只今、すらら本社の配慮で、一斉の休校措置期間は無料で専用IDを借りられる。この機会を利用し、文科省のe-learning大賞を受賞した「すらら」ネットを活用する探求学習という、他に前例がない学びを体験して頂きたい。

●お申込み・お問い合わせ・事前相談の方法

 ①学年、②地域、③期待すること、④その他、お伝えになりたいこと

を記載して、ogahidefumi@yahoo.ne.jpまでメールをお送りください。

電話あるいはzoom、LINEなどで面談させていただき、趣旨を理解いただいているか、こちらが期待に応えられる支援ができそうかを熟考し、モニターになっていただけるかどうか、その後、ご連絡させていただきます。

●アドバイザー 

西幸代先生 岡山県の公立中学で理科を20年間、特別支援教育で20年間、教師を務めながら、障害児が親から毎月1時間離れ、地域で見守られつつ職業体験をするNPO法人「ぷれジョブ」という活動を全国に広め、定着された。社会思想と教育実践に優れた先生。岡山大学大学院終了。 

●主宰者 

大賀英史(おおが ひでふみ)

専門は、公衆衛生学・予防医学、教育方法学。大学講師。母が公立中学の教諭経験後、自宅で中学生向けの塾をしている姿をみて育つ。国立附属の中学、高校で受けた教育(山中伸弥京大教授の1年後輩)が実に自由かつ自律や協力を重視するもので、千代田区立麹町中学の工藤校長の教育改革に共通性を感じて、今年から中学生の教育に踏み出すことに。

東京大学・大学院で教育方法学(認知心理学・認知科学を研究)及び公衆衛生学を研究し、国立健康・栄養研究所で、健康増進のための行動変容、マインドフルネスなどを研究。厚生労働科学研究班の主任研究者などを努め、全国の医師、保健師の研修(疫学統計学)も長年実施。論文や著書、多数。早稲田大学や共立女子大、関東学院大学ほかの講師を歴任。博士(医学)、修士(教育学)、社会福祉士、保育士の有資格者。