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小道具製作とハンドメイドとDIYとの違いは何?

演劇を長年やって来て、役者ばかりでなく裏方としても色々やって来た。

その中で小道具の製作について語りたいと思う。

映画やドラマ、舞台での小道具の調達

あなたは映画やドラマで観るシーンにどれだけの小道具が使用されているかご存じだろうか。

少し前に流行った「私の家政夫 ナギサさん」の主人公の部屋が物凄く散らかっていたが、あれらも小道具として準備される。
これらは協力企業やタイアップ企業があって、ドラマで使われた家具とか服とか、それらが宣伝効果となって購買に繋がる
エンドロールとかに協力と言う形でクレジットされているのを見たことがあるだろう。
例えば上記のドラマだと、提供企業がドラマ撮影の裏側としてHPで宣伝していて、これはこれで面白い。

https://www.actus-interior.com/media/200714dramaset/

また、時代劇の小道具等になると、それが現代で売買される訳ではないから、上記のタイアップみたいな事は発生しにくい。御用提灯とか売れないだろうし。

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そんな場合には、高津装飾美術株式会社(https://www.takatsu-web.co.jp/)と言う大正時代からある小道具屋がある。
映画やドラマ撮影、舞台上演に際して、こちらから小道具を借りてシーンにしていくのは業界の一般的な方法だ。

だがしかし!アマチュアのお金の無い劇団がそんなところから借用したら、お金がかかって仕方無い。だから、自分達で準備するのである。

アマチュア劇団のおける小道具の調達

現代劇を上演するような時は自分たちで使えそうな物を持ち寄る。

椅子、ソファー、机、本棚など。これらは大道具に分類されるけど。
服や帽子、靴、アクセサリーなど。これらは衣装。
カバン、花、花瓶、コップ、植木鉢、携帯電話、ビン、絵・・・。キリないけど、多くが小道具。

でも、時代物とか、外国物、ファンタジーとか、設定によっては自分たちで作ったりすることも多い。

なので、私が創った小道具達を振り返ってみよう。

上演歴と小道具

1995年から市民ミュージカルに関わっているのだが、・・・と、思ったら写真撮る癖のない私は作品の画像が無い。
仕方ないので、あなたの想像力に訴えかけてみる。
因みに今回は市民ミュージカルの分だけ。それ以外はまたいつか。

先史時代

1996年 2月 第1回「宛名のない手紙」原作:宮沢賢治
1997年 2月 第2回「夏の夜の夢」原作:ウイリアム・シェイクスピア
1998年 2月 第3回「青い鳥」原作:メーテルリンク

ここまではやったとしても裏方のお手伝い程度。

黎明期

1999年 2月 第4回「クリスマスキャロル」原作:チャールズ・ディケンズ
2000年 2月 第5回「オズ~心の魔法」原作:L.F.ボウム 
2001年 2月 第6回「アルプスの少女ハイジ」原作:ヨハンナ・シュピリ

第4回からは自分が使用する小道具を作り始める。

クリスマスパーティーに参加するために持参するワイン
パーティー会場のお菓子
下働きをしている家の洗濯物
囚われている囚人の足かせ(これはゴムで重りと繋がっていて、看守がそのゴムを踏んで、逃げ出そうとした囚人が後ろ向きに引き戻される)

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活動初期

2002年 2月 第7回「モモ」原作:ミヒャエル・エンデ
2003年 2月 第8回「樫の木は歌う」 脚本:菊池准
2004年 2月 第9回「走れメロス」原作:太宰治 
2004年 12月 第10回「アルプスの少女ハイジ」原作:ヨハンナ・シュピリ

本格的に役者をやりながら小道具も製作し始める。

「モモ」では悪い側がブルー、良い側がグリーンのLEDライトを用いた道具を使用する設定にして、通信機器や捜索道具にそれらを活用。悪者が主人公を探し回る時に、今のapple watchのように腕時計式の道具からブルーのライトが発射され、それが照明を落とした舞台上から客席めがけ、四方八方に交錯する。一方、主人公を助けるいい人は,グリーンに光るペンダントを授け、何かあった時にその光で自分を守れと告げる。

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他にも、トイレットペーパーの芯を活用して、ダイナマイトもどき、スイッチを入れると、火が着いたように点滅するライトを埋め込んである物。
古代ローマ時代の道具を紙粘土などで再現。
「アルプスの少女ハイジ」では、春のお祭りのシーンで、娘たちが雪に閉ざされた冬の間、一つ一つ手作りした花のモチーフを寄せ集めて、大きな花のループが出来上がったようなイメージの装飾を作成。
その他にも、ハイジが習う教科書、クララが乗る車いす、オンジが使う山小屋での道具類など。

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活動中期

2006年 2月 第11回「不思議の国のアリス」原作:ルイス・キャロル 
2007年 2月 第12回「青い鳥」原作:メーテルリンク 
2008年2月 第13回「メアリーと不思議な冒険旅行」脚本:吉瀬妙子
2009年2月 第14回「アルプスの少女ハイジ」原作:ヨハンナ・シュピリ

この頃になると「小道具隊長」として統括するようになる。

作品ごとに必要な小道具をリストアップし、デザインや工程管理などを行っていた。中でも記憶に残っているのが「青い鳥」。

色々な世界を主人公たちが旅をするのだが、欲におぼれた世界での小道具。
権力、金、土地などを象徴する小道具を作り、パーティー会場に飾る。
実際に舞台仕込みの後それらを装飾したところ、プロの照明家が「これはその道具たちを際立てた方がいいね!」と言って、急遽プランを変更して、小道具を生かした照明を当ててくれた。

それは、ある役者の肖像画を点描で描いて、タペストリーにして飾った物だ。舞台終了後、そのタペストリーはその役者が持って帰った。

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活動中断期

2010年2月 第15回「チャンバラ☆ミュージカル 八犬伝」原作:曲亭馬琴
2011年2月 第16回「チャンバラ☆ミュージカル 早太郎伝説」
脚本:坂井宏光
2012年2月 第17回「音楽劇 宮沢賢治・宛名のない手紙」脚本:菊池准

本職で管理職になり、深夜業務が増えたため、お休み。

転換期

2013年1月 第18回「クリスマス・キャロル」原作:チャールズ・ディケンズ
2014年2月 第19回「?何がすごいのシェイクスピア!?~シェイクスピアを100倍楽しむ法~」脚本:三輪えり花 

2013年はプロの演出の、演出助手として参加。小道具だけでなく様々なスタッフ業について関与。
2014年は主役をやりつつ、裏方もやるという感じ。

2015年2月「くまねずみタータの冒険」脚本:今村妙子
2016年2月「桃から生まれた物語」脚本:上田亨

で、2015年にはついに舞台監督でした。この舞台はねずみが主人公だったため、ネズミ目線で人間の道具を作ったので、巨大な消しゴムとか空き缶とか、とにかく大きいものを作った。

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2016年はまたしても主役兼演出助手(ほぼ共同演出)兼色々で、わちゃわちゃしてた。

近年

2019年2月「はしれメロス」原作:太宰治
2020年2月「ピノッキオと白い悪魔」原作:カルロ・コルローディ

最近は小道具を作るのを後進に譲り、すっかり演出助手とかドラマコーチャーとかやるようになったなので、たまに作るくらいになってしまった。

締めくくり

と、なんだか自分史になったが、まだまだ作ったものは沢山ある

小道具を作る過程で作品が観客に言いたいことを、どう下支えしていくかを考える事が出来て、作品の理解に凄く役にたった。
それから、役者としてその役柄に必要な小道具をチャチャチャと作れたり、修繕したり出来るのも、かなり役に立った。

昔は今ほどDIYとかハンドメイドが流行っていなかったし、100均やHow to動画なんか無かったから、図書館に行って作り方を調べたり、安いお店を探したり、リサイクルできるものはないかと、日々虎視眈々と物を見ていた気がする。

その頃に比べたら、今は色々発達していいなぁと思う反面、手軽に手に入るので達成感として物足りないなぁとも思う。

ハードルが下がったと考えたら良いかもしれない。とにかく、自作できるということは、自分の思いを具現化できるという素敵な事だなと思う。

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”演劇の技で自分らしく楽々と人生を生きる” ライブインタラクション®コーチの斧研雅子です。”あなたの魅力を発掘”&”あなたの感性を研ぐ”そんなサポートをします!
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