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【映画】17歳の瞳に映る世界


17歳というから高校2-3年生なのだ。妊娠してしまった。この映画では父親は誰かが問題ではない。
(実際に最後まで父親らしき相手は出てこない)
(唯一一番最初のシーンで主人公の女性がコップの水を顔にかけた男かもしれないが)
彼女が住んでいる州では,中絶するには親の許可が必要。親に言えない彼女は親友的な従妹と二人で,親の承認がいらない州に行って処置をしようとするのだが…。

最初の診断が10週とか言っていたのに,正式な検査では18週という事がわかり,特殊な病院で二日に分けての手術になる。もともと高校生でお金も自分たちで工面して,日帰りで済ます予定が3泊4日の大ごとになってきた。金はない。親にも言えない。もちろんホテルなどには泊まれない。たまたま行きのバスの中で声をかけて来た同じ年頃の男の子に連絡を取りお金を借りるのだが,その代償は…。
そして不安な中手術代に上がり…。全てが終わった後に,また二人でバスで帰っていくシーンで映画は終わる。

この映画,中学生や高校生の性教育の映画に向いているのではと思った。学校で見てはいけないようなエッチなシーンは全くないし,本当に考えさせられるシーンがいっぱい。これ見たら(普通の感覚の人間なら)いい加減な気持ちで性行為するとも思えないし,もしする場合も絶対に避妊すると思う。男性も女性も。

あとカウンセラーの女性が手術前の女性にヒアリングするシーン。「Never Rarely Sometimes Always」「一度もない、めったにない、時々、いつも」。淡々と色々な質問をして答えは全てこの4つから選ばせる。これはヒアリングによるセカンドレイプを防ぐために実際にやられているとの事なのだが,あまりにリアル。それもそのはず。この映画でこのカウンセラーの人は女優ではなく実際のスタッフさんを起用したとの事。

映画の作りが,最終的に自分で結論を出しましょう…的に終わるので,とても重たい映画です。

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