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少子化と育児休業について

令和3年6月に育児・介護休業法が改正され、令和4年10月1日からは「男性版産休(産後パパ育休)」とも呼ばれる「出生時育児休業制度」が創設され、会社勤めの夫の業務と育児休業の調整がしやすくなるよう義務付けられます。

筆者の勤める会社では入社したころには既に「育児休業(育休)は性別を問わず取得できる」と「次世代育成支援対策推進法」に基 づく企業の行動計画で策定された案内が社員に掲示され周知・啓発が行われていました。

近年、男性も育児休業を取得して産後の妻のケアを強化したり育児に集中する人も増えてきましたが、日本全体では男性が育休を取得して子供の面倒を看るという選択ができている人の割合はまだまだ少ないと思います。

今回、国が主導となり「出生時育児休業制度(産後パパ育休)」が義務付けられた理由には約5割の女性が出産・育児を理由に勤めていた会社を退職しているという現状があることが挙げられます(厚生労働省_育児・介護休業法の改正について)。

約5割の人女性が出産・育児により退職している

厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」の資料では、出産前に企業に勤めていた人の内53.1%の女性が出産・育児のため退職しているという現状が分かります。妊娠・出産を機に退職した理由には、仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めたという人が最も多く1日24時間しかない中で仕事と子育てを両立される難しさは容易に想像できます。

「ワンオペ育児」という言葉が2017年のユーキャン新語・流行語ノミネートされたこともありましたね。今もTwitterなどで行き交う「ワンオペ」ワード。個人的に、少子化が止まらない日本で男性の育児参画をバックアップする制度の強化はもっと早くスタートできなかったのかな?と思います。

出生時育児休業(産後パパ育休)の創設について
※令和4年10月1日施行

出生時育児休業は、出産する女性以外の男性・養子を迎える女性が、この出生後8週間以内に4週間まで取得ができます。通常の育児制度とは別に取得できる育児のための休暇制度も設けられました。

世の中にはさまざまな働き方がありますが、会社勤めのパパは育児休暇が取得できる制度があるのですから積極的に利用し、子育てを協力的にする風習を日本全体に作り広めていくことが大切だな、と思います。

※1 雇用環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられている内容を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができます。
※2 具体的な手続きの流れは以下①~④のとおりです。
 ①労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申出
 ②事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示(候補日等がない場合はその旨)
 ③労働者が同意
 ④事業主が通知
 なお、就業可能日などには上限があります。
 ・休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
 ・休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満
※3 1歳以降の育児休業が、他の子についての産前・産後休業、産後パパ育休、介護休業または新たな育児休 業の開始により育児休業が終了した場合で、産休等の対象だった子等が死亡等したときは、再度育児休業 を取得できます。

子育てにはお金もかかる!?

子育てに積極的に参加する男性のことを「イクメン」と言い、2010年より厚生労働省からも「イクメンプロジェクト」サイトが開設され、「男は仕事、女は家庭」といった昭和モデルの家庭は少なくなっていると思います。
しかし、両親が共に子育てに協力的であり、子育てしやすい環境が作られていったとしても、子どもが大学を卒業するまで1,000万円以上の教育費が必要なんて話もあったりしますね。

「子育てにはお金がかかる」だから現実的に出産、子育ては厳しいという人もいらっしゃいます。不妊治療への保険適用もスタートしました。出産費用ゼロに向けた政策も検討が進んでいるようです。

しかし、子供は産むだけではなく、育てていかなければいけません。大きな負担となっている子育て費用のケアも充実してほしいです。

子供が欲しい人が費用の心配する事なく安心して子供が産めて子育てしやすい環境でのびのびと子育てができる社会になればいいですね。

子育て費用に関しては、現在も国の補助に加え、自治体の補助なども各自治体によってもさまざまです。各自治体のホームページなども確認してみましょう!

少子化と言われても・・・

少子化対策として、子供を産みなさい、育てなさいと言われてもなかなか個々の事情があります。制度が充実し、子供が産みやすく育てやすい環境が整った社会であることが理想ですが、国のために子供を出産するわけではないですから、難しいこともあります。

多様な生き方やワーク・ライフ・バランス、結婚や子育ての価値観やスタイルなどを認め合う世の中ですから、少子化をネガティブにとらえるだけでなく、どんな人も認め合い支え合えあえる社会であってほしいと思います。そして、どんな人も暮らしやすい社会は作っていけると思います。

ちなみに筆者は2017年に放送されていたゼクシィのCMが好きです。
『結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです』
ゼクシィのキャッチコピーなので、「結婚」がテーマですが、何にも強要されずに自分の意思で選んで生きていく強さを感じてとてもお気に入りです。

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