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23才の生活様式

二十歳の誕生日、カラオケで『私がオバサンになっても』を歌いながら己の「女ざかり」が過ぎゆくのを恐ろしく思っていた。それから3年と11ヶ月がたった23歳のわたしは高卒で、フリーターで、全然寝付けないことに苛立って明け方のベランダでタバコを吸っている。部屋着のショートパンツのままだとまだ肌寒い。わたしは体のどこかでねっとりと身を潜める睡魔の気配と、寒さとで、清々しい朝には似合わない険しい顔をしている。そして24歳は目前だ。

悲しいかな、二十歳の頃に思い描いた「23歳」と「現状」はまるで違う。けれど、白んできた曇り空に向かってぎこちなく煙を吐く自分は間違いなく23歳で、むしろあの頃思っていたのよりずっと等身大の、愛すべき23歳だ。と、自分ではそう思う。

世間が新年度を迎えたのと少し遅れてわたしにも新生活が訪れた5月。これからはもっとふらりと旅行に出たいし、本を読みたいし、映画を観たい。何より、感受して表現し続けることを絶対に諦めたくないのだ。

素晴らしきかな人生。愛すべき、不摂生な23歳の生活様式。
わたしはそれを感受し、表現し続けたいのだ。


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