マッチ・しかけた

電波の交錯する中で、正しいマッチなどありえない。しけたマッチもサンキューベリーマッチだなんて戯けながら、みんな内心、がっかりしてる。小さな頃に、小さな掌に握りしめた小遣い銭が、小さなくじ引きの露店で、いとも簡単にスカスカの玩具に変わったあの虚しい感覚。そう、そんな感じよね。

マッチ売りは夢さえも売れない出会い系女子になった自分を恥じる。
「来たる季節に売れるのはそんじょそこらのラブストーリーと一線を画すこと請け合い。さあどうぞ、お求めください。」
電波と言う名のネットの上で今日もマッチをばら撒くの。だけどね、ここだけの話、時々、自分でも「ス」るのよ。もうすぐ冬がくるわ。たまには私だって、羽目を外していいはずよね。

ほうら、あの人のポケットが今年のクリスマスの私の狙いなの。安心して。そして馬鹿にしないでよ。私の目的は「お金」なんかじゃないから。


さて、仕掛けようかしら…

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