HRキャリア探究のヒント - HRエキスパートの「能力の2層構造」について書かれたドキュメントを読み解く -
HRの専門家、と名乗るに値する能力とは何か?
自身のHRキャリア探究、そしてチームメンバーのキャリアを考える中でこんな問いにぶつかり、考える機会がありました。
そして良い参考資料も見つかり、シンプルですが割と本質的なものを見いだせた気がするので、どなたかの参考になればと思い、noteにも簡単に書き留めておこうと思います。
HRキャリアについては世界中で探究が進んでいた(ので大いに参考にした)
HRという領域は職能としても歴史があり、世界で従事している人口も多いのか、活動コミュニティ的なものも世界に点在しているようです。
HRのキャリアや能力構造を考えるときにもこれらの諸先輩方の知見が参考になるのではないかと調べていたところ、 SHRM という世界トップといっても過言ではなさそうな組織が、まさにそれという情報をまとめていました。それがこちら。
『SHRM Body of Applied Skills and Knowledge』というタイトルでPDFで公開されているので、一次情報として上記の情報にもぜひアクセスしてみてほしいのですが、このnoteでは概要をご紹介しつつ、個人的な考察・見解を添えてみようと思います。
個人的にヒットだったところは「2層」で定義していたところ
このドキュメントでは、HRのスキル・知識を「9つの行動コンピテンシー」と「14の専門知識」に整理しています。
で、この「行動コンピテンシー」というレイヤーが存在しているところがセンスメイキングだと思ったわけです。(※階層構造という捉え方はあくまで私自身の解釈で、ドキュメント内で「階層」という表現は使われていません)
ちなみにドキュメント内では以下のように説明されています。
実際は更に細かくいろいろ書いてあるのですが、この「HRプロフェッショナルは、専門知識だけでなく、それを実践に落とし込むための行動コンピテンシーを持っておかねばならん」という主張こそが示唆深いと感じました。
さらにそれらの行動コンピテンシーは、HR固有のものというよりは、ビジネスシーンにおいて極めて汎用的といえるような要素が言及されています。例えば、
リーダーシップ
コミュニケーション
事業解像度
データリテラシー
など。つまりは「ベーシックなビジネス戦闘力(=実践力)の高さこそがHRプロフェッショナルがそう在るための基盤要素である」という主張と理解しました。
これは自身の実践感覚からしても違和感がありません。確かに自身の専門性が高くなるほど、カウンターパート(経営や現場)との情報非対称性は高くなり、結果としてそれを正しく伝えたり、カウンターパートに理解・納得して行動してもらうためのコミュニケーションやコンサルテーション能力は高く求められると感じます。
また事業解像度やデータリテラシーなどについても、自身の専門知識を現場の課題解決(事業価値)に結びつけるためのキーパーツである感覚もあり、全体的に極めて納得感がある内容でした。
HRプロフェッショナルへの道は「専門分野の探究」と「汎用的なビジネススキルの磨き込み」の両輪で進んでいく
ということで、HRキャリアの探究の中で参考になったドキュメントのご紹介と、それに対する考察を簡単にまとめさせていただきました。
専門性の追求を考えるとき、どうしても「専門知識を身につける」という発想になりがちだよな、と自身を顧みても感じたのですが、専門知識と実践力を掛け合わせることが、専門性を発揮して事業価値につなげられる条件なのだなぁ、という気づきがありました。
この後自身のHRパーソンとしてのキャリアを探求していくうえでも、専門知識だけに傾倒し過ぎないようにできればな、と思いますし、HRメンバーのキャリア形成の壁打ちをする際などにも考慮しおけると良いなと思いました。
ということで、メンバーのキャリア支援をされているHRマネジャーの方や、HRパーソンの方々に少しでも参考になれば嬉しいです。
それでは!
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