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【経済】アンネの日記が落札される未来は来るのか?

 2022年9月9日(金)。仕事が終わってからすぐさまブログを書くようなスタイルをやめて、ご飯を食べて風呂に入って頭が冷静になってから書くように変えた、2日目の夜。

 眠い。

 珍しくタイトルから書いているが、『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』のようなタイトルにしている。先ほど高校生クイズを見ていたらこの本のタイトルが解答の問題があった。映画『ブレードランナー』の元となった小説だとは知らなかった。小説をめちゃくちゃ持っていた大学時代にも、この本は微妙に高くて持っていなかった。古本にも巡り合わなかったし、SFの小説を仮にも書いていたのならばSF小説を参考にしろよと今なら思いたくもなるが、まあ、終わったこと。

 自分が作家になることは二度とない。

 というか、このブログのタイトルは危ない気がする。

 資本主義の成れの果てには、タイトルのような未来は来るのだろうか。

 例えば、マイケル・サンデル『それをお金で買いますか?』では「ノーベル賞をお金で買うことはできるだろうか。答えは否だ。お金で買うと威厳が損なわれ、そこに価値は無くなる。価値のなくなったノーベル賞には評価が付くことも無くなり、お金の価値も下落していく」(原文ママではありません)ということが書いてあったような気がする。

 話を区切ると。

 ウクライナ侵攻の際に「オリンピックの金メダルを競売にかけてウクライナの支援のための寄付金にする」ということが行われた。素晴らしいことだと思うが、果たしてオリンピックの金メダルがお金で買える時代になってしまったとも言える。買っちゃダメだという人は一人もいない。あれとこれとでは話が違うと言われるかもしれないが、オリンピックの金メダルが競売にかけられる時代が、しれっとやってきたことになる。買った人は寄付として購入することを決めたのか、それともオリンピックの金メダルが欲しくてお金を出したのか、定かではないが、とりあえず、『特別な能力を持った人だけが手に入れることのできる唯一品』を、お金を持っている人が買うことのできる資本主義の時代がやってきたのだなあ、と半年前は考えていた。

 ヒカキンさんがポケモンカード一枚に5000万円を払ったことも、資本主義はここまできたのだなあと思い知らされた。別に嫉妬でもなんでもない。ただ、ヒカキンさんはパフォーマンスで買わざるを得なくなり、それでYouTubeの広告料を貰い、更に経済を回していく。結局は投資ということになり、購入した『かいりきリザードン』が欲しかったわけではなく、『ポケモンカード一枚に5000万円を払う動画』をYouTubeにアップするために5000万円を使ったことになる。もしも、動画を撮る企画が無かったらポケモンカード1枚に5000万円を使うことは更々無かっただろうと思われる。

 話すと長くなってきた。アンネの日記は人類の負の遺産であり、無くしてはならない物であるが、それが個人所有の美術館などに競売にかけられる未来はやって来るのだろうか。ドイツが攻められた時に、アンネの日記の所有者がドイツに寄付金を渡すために、もしくは保管場所を変えるために競売にかけられることなど、恐らくない。分かっている。アンネの日記は文化財だからだ。守られるだろう。

 話が逸れすぎて、というか書きたいことが書きだせなくてなかなか悩ましいことだが、アンネの日記は日記である。なぜ価値があるのかというとユダヤ人がナチス政権下で抑圧されていた時代の生々しいユダヤ人の少女の記録として遺してあり、二度とナチス政権のような差別的・非人道的な政権を誕生させないために文化財として守られているのだ。

 ようやく本質に入るが、私のブログもブログというより日記に近い。それで統合失調症当事者が書く生々しい日記だと思っている。負の感情も、社会に疲れたことも、嬉しかったことも、何もかも書いている。アンネの日記と比べるなどおこがましいにも程があると思う。しかし、統合失調症患者が《《毎日、校閲なく綴る》》という点においてだけは、ほんの少しでも価値はあるのかなと思う。今までのことをまとめて書くのではなく、気持ちの浮き沈み、疲れたこと、忙しいこと、諦めたこと、挑戦したこと。その時々で感じたこと。

 それを記録するのは意味があるのだろうか。恐らくあって欲しい。そう願う。

 何者にもなりたくない。垢バレもしたくない。校閲のない自由な書き方で、統合失調症患者当事者がどのように考え、なぜそのように感じ、なぜそのような行動をとったのか、生々しく書いていきたい。

 私の価値はそれしかないような、そんな気持ちが少しはある。お金にならなくても、少しは価値はあるのかもしれない。人間としての能力や価値は無くとも、自分が遺してきた文章には、誰かに影響を与える価値があるのかもしれない。生々しさを書くには毎日書くことだ。

 私にはそれしか価値が無い。そんな運命でしかないと思う。

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