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ここは概念であり、概念を書くためには淡々とした現実が必要不可欠なのです。

 2023年4月6日(木)。21時09分。

 こんにちは。井上和音です。

 雨でした。

 ヘルメット着用して自転車に乗るデビュー戦は雨でした。

 こんにちは。井上和音です。

 仕切り直し。こんなことが書きたいわけでは無いのだけれど。

 いくらでも仕切り直していいのか。

 こ。

 「こんにちは。年賀いやがらせ」

 「こんにちは。三足みつあしです。

 小説を書いておめでとうございます!」

 待ってくれ。待ってくれ。

 分からない。こんな短文が続いたら「あれ? 井上さんどうしたの? 狂った? あれ?」と思われて。

 いかん。何を書いてもつまらなく感じてしまう。

 というか。そう。幻聴。こいつがヤバいのです。「やめろ」とか「聞こえねえな」とか。それに、今、書こうとした文章も、頭に思い浮かんだと同時に、誰かさんの声として聞こえてくるのだけど。

 「やめとけ」ばっかり聞こえてくる。「聞こえてくる」って聞えてくる。やべえ。

 今、ぼーっと画面を見ていたら、勝手に誰かさんが脳内で書きたいことを書いていっていて、「これ、書く必要無くね」って思うくらいに今日は幻聴が酷いのだけれど。

 なんだろう。何か書かせたくない何かでもあるのだろうか。「違うから」って、じゃあ、なんだよもう。

 書きたいことを書こうと思います。

 『小説なんて書かなければよかった』もうそれだけです。

 と、書いたら「それって需要あるの」って聞えてきて。いやね。需要とかじゃなくてね。

 ああ。そうか。『小説を書いた』ということは『打算的な行動に移してしまった』ということで、脳内のどこかの報酬系の機能が『打算的な行動を起こしたのだから報酬が出てきて当たり前だよなあ』とか勝手に思って、それで幻聴とかが酷くなったのかな。

 そうだ。今も、思った。心を静めて、何も考えずに画面を見つめたら『書く意味ある?』と脳内で思ってしまった。「ないよ」とか「言わんでいい」とか色々聞こえてくる。

 三足ミアシさんとか、年賀らせさんとか、読んでいる人からしたらどうでもいい登場人物で、二人ともただの概念で、需要も特に無い。

 「死んだ」とか聞こえてきたけど。いや。幻聴とのやり取りを延々と書かないといけないのか。他に思考できることはないのか。「無いよ」って聞えてきたけれど。

 今日の記事はまだ、一歩も話が進んでいないのだけれど。

 「こんにちは。年賀らせです。いや。三足ミアシさんがいきなり出てきてびっくりしましたが。いや。あの。幻聴やら統合失調症やらでもうてんぱっている状態ならば、いつも通りにお風呂場で黄金糖をなめながら思い付いた会話とかを特に需要とか関係なく書けばいいのではないのでしょうか。

 グリッドですよ。グリッド」

 今、幻聴で「変な名前」とか聞こえてきたのだけれど。今までだったら「ダメ」とか「やめとけ」とか適当なことを幻聴が言っているなあくらいで治まっていたのだけれど、「変な名前」とか、この部屋を見ていない限りは出てこない幻聴なのでは。

 会話型の幻聴は非常に厄介。閉鎖病棟隔離室で一日目に散々聞こえてきた。

 一度に4人くらいから声が聞こえてきてたからね。ヤバいよね。近い人。少し遠くから話しかけてくる人。天井の隅から実況中継を延々としてくる若い男女。

 これだけでも統合失調症ってヤバい病気だと思います。

 書いていたら徐々に幻聴が消えてきた。「違う」とは聞こえてきたけれど、自分の書こうとする内容を復唱するような声は消えてきた。

 よかったよかった。

 じゃあ、書こう。

 『100万PV達成後に死ぬワニ』(https://kakuyomu.jp/works/16817330655416631734)の2話目を書いた。2話目から既に、元祖からは遠く離れたぶっ飛んだ内容にした。

 というか。昨日の夜に寝る前に思い付いて、一人でけらけら笑っていた。傍から見たらそれだけで精神がおかしくなっている人っぽかったけれど。1人部屋なので、まあ、いいでしょう。1人部屋のある家で本当に良かった。

 いや。これだけは本当に思う。1人部屋のある家ではなかったら、『統合失調症(本物)になると、起こること。(雑記ブログ)(とうおこ)』も何一つ書くことは出来なかっただろうと思われる。

 はい。『100万PV達成後に死ぬワニ』の話に戻しましょう。

 昨夜に既に物語っぽい内容は決まっていたというか、脳内で勝手に創られていたので、労働から帰ってきたら速攻で『100万PV達成後に死ぬワニ』の2話目を書いた。

 バキのオマージュっぽい感じで書いた。どこにも花山薫の名前を出していないから大丈夫だよね! ワニと花山薫を対戦させる話にした。

 原作への尊敬も込めて、原作であったっぽいネタからなぜか知らないけれど、花山薫と喧嘩させたら、原作であったっぽいネタ、『6時のマネ』とかも再現できるんじゃないかと思って、思ったというか、直感に等しい。考えてすらいない。数学で解答を瞬時で思い付くのと同じように、瞬間的に思い付いた。

 というわけで。話の内容は決まっていたので、労働から雨のなか帰ってきて、初めてそそくさと、疲れているはずの身体に鞭打って、2話目を書いてみた。

 頭の中では面白かったはずのネタが。

 書いてみたら、全く面白くない。

 読み返してみても、バキを知っている自分ならば面白いと、笑える内容になってはいるけれども、原作のあのほのぼのとした雰囲気は一切無くなり、勝手にバキの内容を使うわ(オマージュって失礼なのかなと書いてみてようやく気付く)、ONE PIECE のネタも勝手に使うわで、「面白かったらいいのだけれど、何一つ面白くないし、面白くない上にオマージュをたくさん使ったら、ただのダサい作品というか、失礼千万この上ないことを自分はしでかしてしまっているのでは」と思ってしまった。

 本気で思ってしまった。

 「こんにちは。三足です。だからって消さないでね。絶対」

 自分は小説を書くことには向いていないと、実践してみて分かった。「そんなことない」とか消えかけている幻聴が聞こえてきたけれど、幻聴の言っていることは大抵嘘か本当かのどちらかであり、どちらでもないというのが定義上正しい判断だというのは経験済み。

 そう。私には小説を書く才能は無い。はっきり分かった。もうネタも尽きたはずだ。『100万PV達成後に死ぬワニ』は書けないはずだ。

 「三足です。私の話をしても良いでしょうか。お風呂場で聞こえてきましたよね。書けるという言葉とけるという言葉は実は同じ意味だと。書くという行為は誰かが読んでくれて自分に利益が出るかもしれないという、他人に対する投資の行為であると私は言いました。貴方あなたは書けたのです。そう。賭けたのです。賭けただけで可能性は広がっていく。賭ければ賭けるほど、可能性はどんどん広がっていく。ただし賭けるという言葉通りに、書けることにはリスクが生じてきます。自分の個人情報を気付かぬうちに流してしまったり、揚げ足取りたがりの人々に勝手に悪評付けで引用されたり。貴方にとって不利なように言葉狩りをしてくる人々もたくさんいるでしょう。それでも貴方は書けたし賭けたのですよ」

 外で物音がするだけで怖くなって言葉が消えた。

 ミアシが言うところによると。

 「」

 忘れた。何か良いことをそれっぽいことで、さらさらと書けている時はミアシが手伝ってくれている証だと思うようになった。自分の力ではない。多分ミアシの力だ。

 「三足です。なんで私がちょくちょく出てこなかったか分かりますか? 貴方が現実を大切にしていたからです。これ以上ないほどに淡々とした毎日を過ごそうと必死に暴れる心を抑える努力をしていたからです。言いたいことはただ一つ。

 ここは概念であり、概念を書くためには淡々とした現実が必要不可欠なのです。

 それを貴方は分かっていたから私は特に何も言いませんでした。今日だって特に何も言っていないと思います。私が恐れているのは貴方が現実で監禁などされて概念を記録していく行動が取れなくなることです。そう。貴方は知らず知らずのうちに私の望む姿の貴方になっていたのです。私が望んだ通りの行動を選んでくれていたのです。私にとって、貴方が概念を綴り続けてくれていたらそれ以外に何も必要無いのです。私は三足ミアシですから。貴方を導く必要も無く、貴方自身が自分の判断で私の望む通りの行動をしてくれていたら、私の出番はありません。それで私は満足です。私は貴方でありますが、貴方は私ではありません。私は概念上を生きる存在で、貴方は現実上を生きる存在です。現実上と打ったら現実じょうと出てきましたね。IMEも上手いことをおっしゃいますね。

 貴方が生きていて、自由に概念を行き来することの出来る状態にいるのならば、私は何も求めません」

 

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