私は水風呂に入れない。
夢の週4休みは中々実現しないが、
バッタが口から黒いものを出すような努力を
積み重ねて、週3休みまではこじつけた。
1週間のうち土日と平日に1日休み。
週末は子供とやり残した家事をぼちぼち。
合間で恋人と時間を共有している。
この頃、洗濯物を干したり、
おふろ掃除をしているだけなのに
幸せなキモチが去来することが増えた。
人間生活するだけで、満足できるつくりだったっけ?と思いつつ、胸いっぱいなのだ。
さて、話題は平日の中日、その休日をどう過ごすかで私は頭を悩ませていた。いわゆる美容dayも月にせいぜい一日、習い事は終わったあとに育児や家事が待ち受けてるとなると、疲れそう。
翌日が仕事となると、たとえ休みであっても
なんだか腰が重いものだ。
自分の特性と相談しながらたどり着いたのが、
「銭湯めぐり」である。
半日ほどは時間もとられない、
湯に入れば疲れが取れてスッキリ。
その後の育児もひょいとこなせるくらいに、モチベーションまで回復してくれる。おまけに、子供も大きいお風呂をまるでプールか!と言うくらいに楽しんでくれるのだ、震えるくらい有難い。
ただ、銭湯が好きな私が離婚するまでの間
浴場の中で立ち入らない場所があった。
それが「サウナ」だ。
まず、暑くて耐えられない。
あとは、子供を連れて入れないということ。
この2点が大きなネックとなっていた。
それよりも大きな問題だったのが、
どうやって利用したら良いのか分からない。
ということ。つまり、私は「サウナの正しい入り方」を全く知らなかったのである。
それだけではなく、おばさま達がひしめき、滝のように汗を流しながらなにかの境地を目指している空間に、何も知らずに立ち入ってしまうことが怖かった。私にとっては、サウナは浴場の中でも聖地のように感じられた。
そんな折、私は期せずして、恋人からあるテレビドラマを見せられることになる。
サウナ好きのサラリーマンが全国のサウナを回るというストーリーだった。実在するサウナが舞台となっており、主人公が行った先のサウナで思い思いに、感嘆しながら※「整う」までのシンプルなお話。ロードムービーのようなわくわくと、どうサウナを楽しむのか?という視点をいくつも提供してくれるドラマだった。
今まで生きてきて聞いたことがなかった、
整う、というワードに私の好奇心が逆立った!
期待と興奮で鼻息を荒くした私は、翌週の平日休みに早速、サウナを訪れるのだった。
つづく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?