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【5/23イノピーイベントレポート】それぞれの一歩 #0廣田恭佑氏「キーワードは『まち支え』

こんにちは。イノピー広報担当の岡川です。

5/23にイノピーのキックオフイベント『それぞれの一歩 #0』として
(株)PLASTの廣田恭佑氏にお話をしていただきました。

キーワードは“まち支え”です!

最大で62名もの方が参加してくださり、運営・広報として少し携われただけですが、私も大変嬉しくなりました。

大勢の方が集まられた背景として、現状からの変化を求めている・同じような想いを持つ人と繋がりたいと言う理学療法士・作業療法士が多くいるのだと思います。

まさに集まった方々はイノベーションを求めて参加している!

イノベーション・プロジェクトである“イノピー”の初陣となった廣田さんのお話は、参加者の疑問と不安に応える形になっており、勇気づけられ、背中を押してもらえた参加者も数多くいるのではないでしょうか?

本日は、このイベントのあらすじをイノベーション・ポイント(略してイノP←紛らわしいわ!w)を交えて紹介し、個人的な感想と今後のイノピーについて、という流れでご紹介していきます。


あらすじ

廣田さんの自己紹介から

(株)PLAST代表取締役社長
大正橋筋商店街の理事・デザイン企画部長
神戸学院大学の女子駅伝部のトレーナー
長所:新しいことを考えること
短所:多動、名前が覚えられない

続けて、廣田さんはこう述べます。

「こんな奴でも起業してるから大丈夫」
え?一体、どんな奴なのか?

廣田さんは看護師の母の勧めで理学療法士を目指すことに。
しかし、入学後スノボーサークルを立ち上げ、飲み会三昧。理学療法士になるのどうしようかと悩む日々。
そんな中、バーでバイト中、お客さんに「理学療法士みたいに資格を得られる仕事はいいと思うよ」と言われて再度理学療法士へ向かい出した。
…と言う学生時代だったようです。

ちなみに、今回のイベントに参加していた元同級生からは「陽キャ」と言われおり、廣田さんは学生時代に100人規模のサークルの運営もされていたようです。
この時点で、起業や運営の才能があるのではと感じてしまいますよね。

しかし、起業のきっかけの話になると、その想いの深さにどんどん聞き入ってしまいます。新しいことや人を集めるのが好きなだけではないんです!

起業のきっかけ

兵庫県の病院に就職した廣田さんはあるモヤモヤを感じました。
・自分の人生をちゃんと考えられていないのに、他人の人生を考えられるか?
・自分は20歳代、患者さんは80〜90歳。患者さんの目標を立てるって「おこがましい」のでは?

そのモヤモヤを払拭しようと、自己投資をして勉強し自信をつけていく廣田さん。そのうち「退院後のフォローがしたい」と考えるようになり、副業で起業するも、全然集客できず借金を抱えることに。
この頃は経営のことなんて何も考えずに初めてしまったようです。

それでも挫けず、退院後の患者さんのフォローをするためにどうすればいいのかを廣田さんは考えます。
導き出した答えが「リハビリ特化型デイサービスの起業」でした。

今でこそ、「リハ特」などと呼ばれるデイサービスは多く存在しますが、廣田さんが理学療法士になった頃(ちなみに私も同世代)には、「リハ特」は少なく、デイサービスと言うとレクリエーションとお風呂と言うイメージで、身体を良くする場所ではありませんでした。
*ここが最初のイノP『無いなら作る』です。

「退院後の患者さんの身体をフォローする場所がない」と言う課題解決のために、「リハ特のデイサービスを作る」という手段をとったわけです。しかも、この時には経営の勉強もしています。

やはり真面目で、『こんな奴』とは思えませんよ。

事業のデザイン

リハ特を運営する中で利用者さんからさまざまな声を聞くことになります。
高齢者は病気になり、歳を重ねた結果、諦めるていることが多くなるのです。

そこで廣田さんは「病院でできないことをする」をコンセプトに介入していきます。

例えば、
・一緒に釣りに行く
・山登りをする

一見、理学療法士としては度を超えた関わりに感じますが、廣田さんは言います「“人生、ワクワク”。それがキーワード。ピンピンコロリと死ぬのが難しい時代とはいえ、死について考えた時、『楽しめたからいつ死んでもええ』と僕は言いたい。だからみんなにもそう思ってもらいたいんです」と。

また、廣田さんは別の事業所で余命3ヶ月のおじいさんの最期の願いを叶えて寿命が伸びたケースを見聞きしたことで、より想いは強くなります。

『理学療法の先に幸せがない人もいる』
*これが2つ目のイノPです。

もちろん、理学療法がその人の未来を救い、幸せに導けることも多いはずです。しかし、全員がそうではない。

理学療法は課題解決法の1つに過ぎない。

廣田さんも最初は訪問看護→デイサービス→整骨院、と利用者の身体的な自立支援を目論んで事業展開を行う予定でしたが、多くの課題を目の当たりにしたことで方向性が変わり、現在では下記のように多様な事業展開をしています。
事業のほとんどは、利用者さんの課題解決から始まっているのです。


・訪問看護
・デイサービス
・短時間型デイサービス(予防領域)
・保育園
・児童発達支援・放課後デイサービス
・就労支援B型事業所(チョコレート工場)
・カフェ兼工房
・福祉用具貸与・販売事業所

私はこの柔軟性と行動力がとても素敵だな、と感じました。

“まちづくり”ではなく“まち支え”

さて、ここからはこのイベントのキーワードでもある“まち支え”についてです。

“まちづくり”は多く耳にする言葉ですが、“まち支え”は聞き馴染みがありませんよね?これには廣田さんの仕事に対する考えが影響しています。

「自分たちの仕事は、出てきた課題から事業を構築しています。だからまちの土台を支えているのではないかと考えて“まち支え”と言っています」

なるほど。
確かに、私たちの仕事ってものづくりのように何かを生み出すわけではなく、出てきた課題に対して解決していく仕事です。それは臨床で1人の患者さんを診ている時も同じかと思います。それをまち規模で見ているのが廣田さん達。
のちに廣田さんは「もぐらたたきのように出てきた課題をポコポコ打ちまくってる」とも言っていました。
打ちまくった結果が、これだけの多事業展開であり、それがまちを支えているんですね。

廣田さんは(株)PLASTのミッションを、

「私たちがやらない限り世に起こらない価値を創造し提供する」

と言っています。

そのためにはひととまちの課題を探し続けなければなりません。
課題を解決することで価値が生まれるからです。

*そのための方法が3つ目のイノPです。
『理想を知ることで課題が見える』


理想と現状との差が“課題”です。

まずは相手の理想を知る。
そのためには目標と目的を分けて考える必要があるようです。
目標は道標。目的は的、つまり最終地点である理想の状態です。

「目標と目的を分けて考える。目的は抽象度が高いけど、それを一緒に探ることがセラピストとして重要なのではないか」というのが廣田さんの考えです。

ここまでの話を聞いていたので、そう言うのも納得しました。

というのも、私もよく患者さんに「どうなりたいか?」と聞いても「良くなりたい、歩けるようになりたい」としか答えてもらえないんですよね。
「なぜ良くなりたいのか?なぜ歩けるようになりたいのか?」は、患者さんは当たり前すぎてわからないんですよね。だから、退院したりリハビリが終わってもこれまでの日常に帰れない人が多くいるのでしょう(これは私の意見です)。

最後に、今後どんな会社にするかについても答えていただきました。

「私たちが、高齢者になっても、障がいを持っても、自分がワクワクすることができ、支え合える仲間が集う“まちを支える”会社。日本一面白い医療・福祉の会社」

それが(株)PLASTの目指す会社像とのことでした。

同世代として、自分も頑張ろって思えましたね。

質疑応答

ここからは質問タイムで様々な質問がZOOMのチャット機能で飛び交いました。

進行の喜多さんが手早く質問をピックアップし、真摯に応える廣田さん。

それでもお時間の都合上、質問に答えられなかった方がいれば申し訳ありません!

なにせ廣田さんの人柄と熱い想いに触れて、多くの参加者がチャットに質問やコメントを残してくれていましたので・・・

定刻をすぎて20分ほどの延長戦でも質問タイムを続けましたが、ものづくりをしている学生さんや起業を目指す作業療法士さんなど、多様な背景の方々が熱心に質問してくださいました。ありがとうございます。

今後のイノピー

さて、イノピーでは、今回の廣田さんのように「1歩先を行くセラピスト」をお迎えした座談会と、参加者同士の交流会を4ヶ月という密な期間に凝縮し、交流を図るいうのが魅力です。

詳しくはこちらのリンクより。

https://note.com/inopeee/n/n49d77091d604

今回参加していただいた方はもちろん、参加できなかった方も大募集です!

今回の廣田さんも特別なことをしたわけでなく、利用者さんの声から課題を見つけ続けた結果が“まち支え”となる多事業展開だったということです。

イノベーションは1日にしてならず。

本当に良いお話が聞けて、良い時間を過ごすことができました。
廣田さん、本当にありがとうございました。

このような充実感を多くの方と共有したいです!!
ご興味のある方、ご参加お待ちしております!

今回の記事を書いた人
理学療法士 岡川(35歳)
訪問看護で働いているので、利用者さんの状態によってはリハビリらしくないこともしますが、今回の廣田さんの話を聞いて「そうだよね!」と背中を押してもらった1人です。

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