見出し画像

『キネマの神様』脚本次第で日本映画のチャンスもある

 豚の角煮の下茹30分+30分蒸らす工程を3回繰り返す間に観れる映画ということで選んだ日本映画だが、もともとは志村けんが主演する予定だったもの。シネマはイギリス英語で映画を映画館を指し、アメリカ映画ではmovieだが、キネマは何だろうと調べてみたら、ギリシア語のkinematos(動き)に由来しているとのこと。この映画が往年の映画産業が盛んな頃の物語が中心になっているので「キネマ」はレトロ感が出ていて映画のイメージにぴったりだ。映画はブームになったものを追いかけて観るのもいいが、名もない観客動員も少なかったものから得られた感動は格別なものがある。もちろん、映画館で観るのが一番だと思うが、ChromeBookの小さな画面下で観るのもなかなか楽しい。

 私が生まれる前の話だが、どうやら私の父親は映画好きだったようで、自分の家が伊勢湾台風による長良川の堤防決壊したときも、田舎の小さな映画館で映画を観ていたようだ。あんな田舎にも2件も映画館があったので、ビジネスが成り立っていたのだろう。この映画でも表現しているように、優れた脚本があれば、お金をかけなくてもいい映画は作れるし、今だからこそコンテンとして世界中に配信されるチャンスもある。

 そういう意味では、公開時にヒットしなくとも、ロングテールの映画として長く観ることでトータル的に成立する映画も増えるのではないだろうか。当然制作費は限られてくるので、人間そのものを描いた映画が増えるはずだ。脚本次第で日本映画のチャンスもある、ということをこの映画は示してくれていると思う。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。