『勝手にしやがれ』日本語タイトルが素晴らしい
今月スイスで安楽死したジャン・リュック・ゴダール監督、昨年亡くなったジャン・ポール・ベルモンドが主演のフランス映画。主人公は自動車を盗み、追ってきた警察官を射殺。パリに着いたものの文無しで盗みを繰り返し、警察からも追われている。アメリカ人の恋人と行動を共にするが、警察に通報され、後ろから撃たれ、「まったく最低だ」とつぶやき息を引き取る。
フランス語のタイトルは『A bout de souffle』で、「息せき切って」を意味するようだ。英語では、『Breathless』なので、「息をつかせない」と同じ意味だ。日本語では『勝手にしやがれ』。映画にそのセリフはないが、ジャン・ポール・ベルモンドの投げやりな演技を実にうまく表現しているタイトルだ。
沢田研二の『勝手にしやがれ』という歌のタイトルはこの映画から拝借したらしい。ついでに聴いてみたが、「勝手にしやがれ」という節は一切出てこないが、歌詞からの情景がそのイメージ通りで、驚いてしまった。恐るべし阿久悠。
途中、映像が急に飛ぶことがあり、違和感を感じていたが、これテはンポを強調する編集技法の一種でジャンプカット手法と呼ばれているとのこと。上演時間短縮のための苦肉の策が、ジャン・リュック・ゴダール監督の特色となったらしい。フランス映画を観ると毎回思うのだが、ラストシーンが突然と終わる。ダラダラと説教じみたセリフがあるよりも、プツッと切れるように終わる方がいい。
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