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原体験を発見するためのプロセス

井ノです。

皆さんは原体験ありますか?今回は「原体験ドリブン」について紹介したいと思います。著者のチカイケ秀夫さんは「同調圧力をぶっ壊す」というミッションを掲げながら、自分の原体験を知ることの重要性についてパワフルな言葉で解説されています。

「同調圧力から自由になる」や「無意識の深堀りする」という考え方は茂木健一郎さんの著書である「孤独になると結果が出せる」でも主張されていましたね。

原体験って何?

原体験とは、自分のルーツです。
私たちのあらゆる行動、考えのもと、「一番の原点」あるいは「根拠」になりうる大きな体験です。

自分の原体験を知ることで以下のようなメリットがあります。

・自分の軸を持つことができる
・内発的動機によって同調圧力から自由になれる
・他人に振り回されずに自信を持って行動できる

著者はスタートアップ企業向けのブランディングとして原体験を活用しているようです。

原体験ジャーニーとは

原体験を発見するために無意識を深堀りしていくワークのことです。以下のような①~③の手順実行して無意識マップを作成して行きます。

①:紙とペンを用意する
②:基本となる5つの質問に答える
 1.今やっていることは何ですか?(仕事など)
 2.時間を忘れて没頭できることは何ですか?
 3.好きな言葉は何ですか?
 4.やりたくないことは何ですか?
 5.将来やりたいことは何ですか?
③:②の回答に対して5回の何故?で深堀りしていく

この手順を自己ワーク、ペアワークを通じて繰り返して出てくる価値観や言葉、納得感があるストーリーを探して行くことで原体験を発見して行きます。私はこの手順を見た時にキャリア構築理論に似ていると思いました。

キャリア構築理論とは

2005年に米国キャリア心理学会においてマーク・L・サビカスが提唱した理論。流動的で不安定な時代における職業人生を上手に乗り越えるために、過去の記憶・現在の経験・将来の抱負に対して意味付けや物語を生み出すことで、主観的なキャリア構築を実現するという理論です。

キャリア構築理論においては、個人の主観的な「ライフテーマ」によって人々の職業行動に意味を与えて、その仕事で働く理由を明確にしていきます。サビカスは「ライフテーマ」を導くために「キャリア・ストーリー・インタビュー」と呼ばれる次のような質問を用意しています。

◆キャリアストーリーインタビュー
①幼少期に尊敬していた人は誰ですか?
 =どんな自分になりたいか目指すべき姿
②好きな雑誌やテレビ番組は何ですか?
 =関心のテーマ、趣味、いたい場所
③あなたの好きな映画や本は何ですか?
 =問題発生時の解決策
④あなたの好きな諺やモットーは何ですか?
 =判断基準となる価値観や信念
⑤あなたのいちばん最初の思い出は何ですか?
 =より内面的に望んでいる、感じている事

このインタビューを他者から受けたり、自分自身で行うことで気づいていなかった内なる欲求や原体験とも言える「ストーリー」が明確になるため、自分が目指すべきキャリアや自己実現したい姿の指標にすることができます。

「原体験ドリブン」から学ぶべきこと

原体験を知ることの重要性は、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式のスピーチで話した「点と点は繋がる」においても表現されています。

「先を読んで点と点をつなぐことはできません。後から振り返って初めてできるわけです。」
スティーブ・ジョブズ

つまり過去(原体験)、現在(今やっていること)、未来(ミッション)、それぞれの点と点を繋げることで人生を切り開くことができ、理想の自分になれるということです。

原体験を知ることの重要性は著者の人生によって如実に体現されています。起業したり書籍を出版するという実績は、まさに原体験による内発的動機に突き動かされて周りを巻き込みながら行動し続けた結果だと言えるでしょう。

もはや突出した天才でなくても原体験の力を効果的に利用できれば誰しもが起業したり書籍を出版できる時代なのかもしれません。まずは本書で解説されているようなワークを通じて原体験を知ることから始めるのが良さそうです。

あとは内発的動機に従ってミッションを導くこと、ペルソナ(課題解決したい対象)を設定すること、既存の知を組み合わせて整理すること、自分の言葉で語ること、ストーリーで演出すること、というような一連の手順をフレームワーク的に活用することでやりたいことの形が見えてくると思います。

井ノβe太

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