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「お金が世界で一番大事」だと思ってた

小さいころから、親にずっと「貯金はしなさい」と言われ続けていた。

「なんで?」と私が返す暇も与えず、親は隙あらばお金の大事さを語っていた。

だからなのか、いや、それ以外にもいろいろ理由はあるんだけど。

私は「お金は大事」を通り越して「お金が全て」という考えを持つようになった。

世の中はお金がないとやっていけない。お金がないと人は動かないし自分の欲求を満たすこともできない。

だから私は書く仕事をするとき、一番にお金のことを考えていた。

この案件は時給換算でどれくらいだろう?

この仕事は安すぎるからだめ。

あの仕事を受けたいけど金にならないからやめておこう。

こうなってから、私は人の心をだんだん失っていった。

簡単に言うと、うつ病が悪化した。薬も減っていって、お医者さんに「よくなってきましたね」なんて喜んでもらえるほど寛解に近づいていたのに。

その頃の私は今月の給料見込みを見てはため息をつく毎日。こんなんじゃ足りない、もっとお金になることをしなきゃ、もっとお金が・・・

これは私の見当違いや偏見も含まれているのかもしれないけど、世の中はお金を持っている人=すごい人っていう方程式が存在していると思う。

私はその方程式にまんまと依存していたので、「すごい人」になりたくて、お金をとにかく稼がなきゃ、それで月末に収益報告をしなきゃと自分を追い詰めていた。

その結果、朝起き上がれなくなった。薬を飲んでも全然メンタルが回復しない。心配しないでほしいのだけど、死ぬ方法を何回も考えたこともあった。

Youtubeでは「生きるのが辛い」「うつ病 治し方」を何回も検索した。何回検索してどの動画を見ても、全然救われなかった。

生きるのが辛くて仕方がなかった。「死なないで」と言われても「頑張る」と返すしかなかった。生きるのすら頑張らなければいけないほど、追い詰められていた。

私にとっては、お金を第一に考えることは、自分の心を削る行為だったのだ。

そんな時だった。

もう仕事も趣味も生きることもなにもしたくない。その一心で寝転がっていると、ある思い出が脳裏によみがえった。

それは、去年の5月、私が書くことを始めたばかりの記憶だった。

当時はまだお金のことを今ほど一生懸命考えていなかった。というか書くことでお金を儲けようなんて1㎜も思ってなくて、ただただ書くことが楽しかった。

私はあるコンテストに応募した。1万文字を超える大作を、無料で一切の報酬なしで書いた。楽しみながら、夢中になりながら書いていた。(いるかわからないのですが、もし見たいという方がいらっしゃったときのために置いておきます。これです。正直かなりの自信作なので、読んで後悔はさせないでしょう)

結果として賞はまったくもらえなかったのだけど。もちろん賞金なんてなし。だけど。

私の文章に救われた人がいた。

「何回も読みなおしました」「すごくよかったです」「これからも文章を書き続けてください」そんなコメントを数件貰った。

特に何も言っていなかったのに、500円をもらったこともあった。正直、どんな大金をもらったときより嬉しかった。大泣きしながらコメントを読んでいたな。

待って、私。

お金が欲しいんじゃない。人を救いたいんだ。

気づいた瞬間、目の前が明るくなった。

私のやることはお金を稼ぐことじゃない。影響力を付けて、人を救うことだった。

もう収益報告をTwitterでするのはやめる。お金を稼いでいる人=すごい人っていう方程式もぶち壊してやる。

その代わり、人を救うことに全力を尽くす。

もちろん最低限お金がないと生きてはいけないし娯楽もしたいのでお金は稼いでいく。だけど、お金のためだけに文字を書き続けることもやめる。

そう決めた瞬間、真っ暗だった私の世界にスポットライトが当てられた気がした。

私は、これから輝ける人間だ。

PS.この文を読んでくださった方も是非、今やっていることが辛いなら本当にそれがやりたかったことなのか考えてほしい。もしあなたの新しい気づきに私の文章が貢献出来たなら、それほど嬉しいことはありません。

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