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PBWは天動説、うちの子経済圏は地動説?

 ツイートだと流れちゃうのでnoteにも書きます。元ツイートはこちら。

うちの子、よその子、嫁に出した子

 ここでいう「うちの子経済圏」は、SKIMAとかSkebとか最近pixivも始めたイラストコミッションサービスのことです。SKIMAは「あなたのオリジナル小説に、SKIMAで挿絵をつけよう」を確か宣伝文句にしてた覚えがあるのでまさにド真ん中です。

 それで、ここで名指しは避けますが。PBWのイラストオーダーサービスをコミッション感覚で利用してイラストを描いてもらった場合、その絵を直接使わなくても元ネタとした創作活動の一切を「PBWの二次創作」とみなし、もしその活動がメジャーになった場合イチャモンをつけてきそうな企業が現れたので「個人的な考えとして」まとめたのが上記のツイートです。

 彼らにはまだ、自分の言ってることの意味が自分で理解できてない可能性もあるので、現段階での名指し批判は避けます。そういう配慮をするに値する立場だと、私が判断したからです。今やったら大人げない。

 オリキャラの「生みの親」の立場からすれば「うちの子」はオレのものであり、どこかのPBWでイラストを描いてもらったとしても「よその子」にはなりません。商業出版とかされたなら「嫁に出した子」になるでしょうが。嫁にも出してない段階、うちの子が可愛くて仕方ない状態で余計な口出しをしてくる企業とは、関わりたくない。そう思うのも自然でしょう。

PBW各社はどちらを選ぶのか?

 最初に謝っておきます。ごめんなさい。今ある商業PBWの世界設定やシナリオは私が知る限り、全てクソつまらない。どなたか面白いPBWがあったらこっそり教えてください。
 そもそも基準が違うので、商業映画や人気漫画とは勝負にもなりません。「魅力的なストーリー・キャラクター」という部分では。テーブルトークRPGやPBWは「自分の手でキャラを動かし、物語をつくる」からこそ面白い。PBWはそれが半自動化されていて、事前に文字数の限られた文章で指示するしかできません。当然マスターとの間に意思疎通の食い違いが出ます。私はそれが嫌だから、自分で小説を書くことにしました。

 私にとっての小説とは、プレイヤー=マスターであり、世界設定もキャラ設定もシナリオも臨機応変に変えられる、ひとりで完結するPBWなのかも。ひとりで、静かで、豊かな世界。孤独のグルメ状態です。こんな変態な人が増えたら、PBW各社は商売上がったりでしょう。ただでさえマスターのなり手が少ないのに、生きていけません。

 そこで、です。生き残るためにプライドをかなぐり捨てて自前の世界観とシナリオを「いくらでも魔改造OK」な素材あるいは、ユーザーの大好きな「うちの子を輝かせるためだけのステージ」と割り切るか。この道を私は「地動説」と呼びます。
 テーブルトークRPGは「卓の数だけパラレルワールドがあり」「ハウスルールという文化」もあるので、地動説寄りの立場と思われます。

 PBWは「インターネットが無い時代からあるMMORPGの原型」の末裔でとにもかくにも「中央集権」「公式設定以外は全部ダメ」の文化が根強い。私から見れば「天動説」の立場です。異端は排除。
 でもね、たとえば大ヒット漫画「鬼滅の刃」の吾峠呼世晴さんとか誰もが認める売れっ子作家が基礎設定を監修してるとか。「スター・ウォーズ」級に数十年の歴史がある人気シリーズだとか。そのくらいの「権威」がないと天動説ではやってけない世の中だと思います。
 世界設定は融通効かない、魅力的なキャラもいない、でふんぞり返ってる運営様は今に死に絶えますよ。何様ですかってなります。
 ドラクエウォークのローソンコラボがきっかけで見つけたローソン限定漫画「上杉鷹山 -米沢藩を救った男-」では、見る影もなく荒廃した農村の光景を前にしてなお、上杉謙信公以来の大藩として見栄を張り続ける家臣の姿が冒頭で描かれます。その有様に、治憲(のちの鷹山)は涙を流します。今や、PBW業界全体がこの「見栄っ張り家臣」なのです。

誇り高きラストサムライか、泥水をすすっても生きるか

 加工や商用利用OK、ただしクレジット表記は今まで通りの条件でコミッションイラストの受付を始めたPBW運営もあります。トミーウォーカーさん。こっちはたぶん、明確な主義主張や信念を持たない代わりにあらゆる手段を使ってでも生き延びてやるという意思が明白なので、名前を挙げてこの記事でご紹介します。彼らの今までの足跡を知ってるので、私には理解可能。

 立場が違えば、考え方もそれぞれでしょう。PBW事業から撤退しイラスト専業に鞍替えする企業、泥水をすすっても生きる選択をした企業。あるいは誇り高きラストサムライとして意地を貫く企業、まだ方針を選べる段階にはない生まれたての企業。現実から目を背け続ける企業。

 Skebの成功がきっかけとなって、イラストコミッションサービスの社会的認知度が増す中で、いつか彼らも何らかの選択をするでしょう。

私ってば何やってるの

 私の書いてる小説「悪い夢はネカ魔女がMODりますの(ワルネカ)」は、中央集権型PBWと比べれば、はるかに懐が深い方だと自負しています。
 小説で描かれる夢の中の世界があり、それと表裏一体の現実そのものの「そのまんまの私たちの住んでる地球」があり、新型コロナが世界的に流行してるところまで完全に一緒。それらとは別に、無数の異世界がある。
 
理屈の上では、どこの創作世界の誰が訪問してきてもおかしくない作りになっています。それでも譲れない部分はあります。だからこの道を選んだ。

 あらゆる世界の「夢を見る」存在は、眠っているときに精神が身体から抜け出して、自分の心が無意識に望む世界に飛んでいって目覚めるまで楽しく遊んでいる。その間に体験したことを「夢」と呼ぶ。

 ワルネカの物語は、新型コロナの世界的流行で夢の世界にも異変が起き、この自由な「夢渡り」が「ロックダウン」されたところから始まります。

 私の生きる道は、異端を排除する中央集権PBWではなく、誰にも居場所のある「うちの子経済圏」にあると思います。この世界で、生きるをする。


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