- 運営しているクリエイター
#ベナ拡
ベナ拡:今後の連載について(2023/2/5更新)
目標が高いと、人は急成長できるホントに、マンガの主人公みたいな体験をさせてもらいました。
ジャンププラス原作大賞への応募作を書き上げた感想です。
ちなみに、タイトルのイラストは。
長年関わったPBWをネタにするのは、私にとって当然の「配牌」ですし、ご恩返しでもあります。良い点も悪い点も率直に伝えることで、今のRPG業界の課題解決につながると確信しています。
上のイラストの存在は、小説内で示さ
ベナ拡第11夜:石工のお仕事
恐ろしきチーズ?「ゾーラさん、あなたはもしや…」
「ふははは、我輩は大魔王ゴルゴンゾーラである!」
闇市の主、山椒太夫がなぜかゾーラから視線をそらしつつ、恐る恐る問いかけると。明らかに冗談と分かる返答で、場をなごませようとするゾーラ。
地球人プレイヤーの多くも、彼女を直視しないようにしていて。ゾーラは思わず苦笑いを浮かべた。
「大丈夫っすよ!ゴーグルで邪眼を封じてるっすから」
チカラを使え
ベナ拡第10夜:庭師の逆襲
愛の猪突猛進私が拡張現実の夢に巻き込まれた直後から、孟信とはいろいろ縁があった。追う者と追われる者。マキナの「宿敵」たちの包囲から外に出れば、どこかで再び対面するのは必然だったけど、この展開は予想外だ。
(やはり、想定外の状況に投入した弊害が出ていますね)
夜の松戸南部市場で、電柱の上から宮殿の窓を覗きこむ人影。ガーデナーの道化人形だ。視線の先では、孟信がユッフィーを口説いている。
「いきな
ベナ拡第9夜:ユッフィー、志を立てる
恋のライバル?「馬子にも衣装ではないか」
宴会場の奥から、大柄なイノシシの獣人がのっしのっしと歩み出て。小柄なユッフィーを見下ろした。身長差は倍近くもありそうで、手にした長柄の偃月刀がさらに体格差を強調している。ユッフィーの槍より、もっと長い。
「いや、馬子ではないな。ユッフィー姫だったか」
巫女服姿のドワーフ娘に向ける表情は、明らかに上機嫌だった。てっきり、格下に出し抜かれて雪辱に燃えてる
ベナ拡第8夜:強襲!ブラックマーケット
ブラックマーケット松戸市内のあちこちに点在する、不思議な空き地。
何のためにあって、なぜそうなったのか。それは人々の想像をかき立てる。
今はもう営業してない、飲食店の廃墟。かつての宅地開発の名残。それらは夜になると、夢の中で息を吹き返す。空き地に別の店が立つ。現実の夜景と重なった、拡張現実の夢ならではの光景。
「変な子ぉが住んでるぅ、変な街はぁ♪」
「カオスでマッドな、マッドシティ♪」
夜の
ベナ拡第3夜:ウサギとイノシシ(改稿版)
罠の谷へレックスシェルターとは、道路を挟んで反対側。邪神の神殿に変わり果てたパチンコ店の脇を通り抜けようとしたユッフィーたちは、突然足元をすくわれて交差点の前に戻された。道路に描かれているのは、一方通行の矢印。
「おおっと、一方通行だね」
「これって、ドラジャニのダンジョンにありましたわね」
顔を見合わせ、苦笑いを浮かべるご隠居とユッフィー。するとそこへ、聞き覚えのある声が響き渡る。
「我は
ベナ拡第2夜:ヒュプノクラフト(改稿版)
夢見の技「奴を逃がすな!」
「おっぱい揉ませろぉ!」
ユッフィーの首飾りを奪え。報酬の姫ガチャ目当てか、別の動機か。仮面のプレイヤーたちが逃亡者を追って、スーパー銭湯前の坂を駆け上がる。
「ユッフィーよ!ヒュプノクラフトで足止めじゃ」
「エルルちゃんが手鏡出した、アレですよぉ」
しゃべる首飾りのオグマが、胸元から叫ぶ。エルルも走りながら私を見る。
「これが明晰夢なら、夢はコントロールできる
ベナ拡第1夜:カオスな夜がやってきた(改稿版)
カラヴィアンの孤島にて「我は、願いの叶え方が分からない」
世界中の、多くの人に共通する悩みだろう。私だってそうだ。でもそれを、まさか幻星獣ケルベルスの口から聞くことになろうとは。
「我ら星獣は人の想いより生まれし、形を成した幻想。故に人の願いを叶えるが、汝の願いをどう叶えれば良いか見当もつかぬ」
巨大なリンゴの木に絡まる、三匹の大蛇。見上げるのは、それぞれ特徴的な三人娘。栗毛の娘だけが生身で
ベナ拡あらすじ(改稿版)
「私」は、頭の中が異世界なおっさん。日本でRPGの「代用品」が本物と誤解される現状を変えるため、作家の腕を磨いている。
2020年春、コロナ禍の不安が生んだ奇妙な夢の中。気づけば「うちの子」の美少女ユッフィーに変身していた私は、そこで様々な人々と出会う。
ヘイトで強くなる「悪夢のゲーム」に、地球人を誘う謎の道化人形。
ユッフィーのことを「家族」だと主張する、ハイパーアクティブ娘エルル。
ガチ
ベナ拡第4夜:ゲーム再開
ゲーム再開地球人は、夢を忘れる生き物だ。しばしば、日常の忙しさに流されて。
東の空から、今日も早回しで朝日が昇る。満員電車は今日も密で、駅から街のあちこちへ、マスク姿の人々が猛スピードで行き交う。
太陽が頂点に達する頃、感染防止のアクリル板を隔ててお昼を食べる人々。テイクアウトの人も多いようだ。
やがて西の空へ、陽が沈むと。また密な満員電車に揺られ、帰宅する人々。あたりが暗くなり、家々に明か