2024年2月22日~2月24日 酒。読書。観劇。それだけ in 東京→大阪→東京

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやりな一文だが、それで充分説明に足りている。

たとえば、2024年2月22日から2月24日にかけて……

2024年2月22日

終業時間、速攻会社を出て、三軒茶屋に向かう。

18:30 舞台『う蝕』 @三軒茶屋・シアタートラム

20時20分頃終演。電車で京橋に向かい、行きつけの居酒屋で、なじみの常連さんたちと飲み。

このメンバーを含めたグループで、24日に青山の「ブルーノート東京」というジャズの聖地のようなライブハウスに行くので、皆で「楽しみだねぇ」と話し合う……が、このメンバー、私を含め、誰も当日の出演アーティストのことを知らないのであった(だから、「どんなアーティストなんだろうねぇ」という楽しみもあったわけだが)。
23時、「じゃあ、明後日」と解散。

2024年2月23日

天皇誕生日なんだそうである。
団塊ジュニア(ゴリゴリの昭和生まれ)としては、どうもピンとこないが、皇居が望める東京駅に向かう。

13:09 東京駅

3連休の初日。天皇誕生日と知ってか知らずか、多くの外国人や日本人が行き交う東京駅の人込みをかき分け、のぞみ号に乗車。
いつものようにビールを飲み、一色さゆり著『ユリイカの宝箱 アートの島と秘密の鍵』(文春文庫、2024年)を読む。

途中、寝落ち。

14:25 新大阪駅

終点なので乗客全員が降りる。
前を歩いていた中年男性が、若い父親に抱っこされた小さな子どもとハイタッチしている。その子はどうも、乗客とそうしたいらしく、男性が去ってもずっと手を挙げたまま。私もハイタッチしようと思ったが、そこまでフレンドリーな気分になれず(寝起きだったし)、彼の前で手を振るだけに留める。
それでも何だか気持ちが明るくなったので、元気よく御堂筋線で心斎橋駅へ向かい、ホテルにチェックイン。

道頓堀あたりまで散歩に出かけるが、あまりの寒さと人の多さに参ってしまい、どこにも寄らず、小一時間でホテルに戻る。
熱いシャワーで身体を温めて出てきたところで、Yちゃんよりショートメール(SNSの類はやっていないので)。

『18時半前にラウンドワンの前で』

一見、何の問題もない普通の連絡に思えるが、問題が二つある。
「18時半」とは? 一体、私はいつラウンドワンの前に行けばいいのか。
というか、そのラウンドワンはどこにあるのか? 私は少し散歩をしたとはいえ、2時間ほど前に東京から着いたばかりの「他所よそ者」なのである。
18時半……ラウンドワンがどこにあるのかは知らないが、まぁ18時ころにホテルを出ればいいか、と勝手に決めて、小一時間寝ることにする。

18:25 ラウンドワン前

果たして「18時半前」とは、18時25分であった。
とりあえず、ホテルを出てブラブラと道頓堀方面に歩いていたら、偶然にもラウンドワンを見つけることができ、無事Yちゃんと合流(「他にラウンドワンがないか心配だった」と言うと「ラウンドワンといえばここ」と断言されたが、そんなこと言われても、という感じ)。

無事合流できたのは良かったが、さて、3連休初日の食事どきの時間、一体どのお店に入れるのだろう?
とりあえず、ここから近い「鉄板神社 総本店」に行ってみる。
案の定満席で、30分待ちとのこと。他にお店を探しても入れるとは限らないので、30分後に再訪する旨を告げて、向かいのビックカメラで時間をつぶす。

19:00 鉄板神社 総本店

30分後に行って少し待たされた後、ようやく入店。

待っている間に表の看板にあったメニューを見ると、「シューマイ(の鉄板焼き)」が載っている。
Yちゃんと大阪で会うと大抵(支店を含めた)「鉄板神社」で「おまかせ」を頼むことになっているのだが、「シューマイ」なるものを一度も見たことがない。
「おまかせでもそんなに量食べないから、そこまで辿り着かないんだろう」と私が言うと、「そもそも、おまかせで出せないんちゃう? 人によって好みが分かれそうやし」とYちゃん。なるほど、一理ある。
ということで、いつも通り「おまかせ」でスタートしたのを途中でストップして、追加で「シューマイ」を注文。

21:30 道頓堀近くのバー(店名は書かない)

このバーに来ることが、今回の目的。
1週間前、3連休最終日に急遽閉店することに決まったとYちゃんから連絡があり、閉店日までに来られるのが今日しかなかったのでそれに合わせて旅の手配をしたら、Yちゃんもそこに合流してくれることになった、と。
このバーは、2023年11月、プロ野球・日本シリーズ第6戦の日に訪れて以来(以来、と言うほど期間は空いてないなぁ)。
その日、阪神タイガースは「アレのアレ」を逃したのだが、その話をしていたら店主が「道頓堀川に飛び込んだことがある」と言い出した。その顛末は、下記拙稿に書いた。

Yちゃんも事前に来店を知らせてはおらず、だから「サプライズだ」と、店主の驚く顔を思い浮かべてワクワクしながら、店のドアを開けた。
確かに開いた。が……
店主がいない!!
二人で店内を探すがどこにもいない……と、店のドアが開いて、コンビニの袋を提げた店主が入ってきた。
「いや、お客さんいないんで、この隙に買い物を……」
サプライズするつもりが「逆サプライズ」に遭ってしまい、何とも居心地が悪い。
とはいえ、お酒が入ってしまえば気にならない。

ものすごく「ヤラセ」っぽい

閉店の理由は店主曰く、「コロナ禍もあって売り上げも落ちたところで、知り合いから(北)新地で新しくオープンするお店の雇われ店長にと誘われたんですわ」。
大阪を去るわけではないとのことで安心した(とはいえ、さすがに北新地のお店は私にはハードルが高過ぎる)。
彼には頑張ってほしい。

ちなみに、先の拙稿において、『旅程を組んだ時には予想だにしなかった「大阪ダービー」から「アレのアレ」に(かなり直接的に)巻き込まれてしまい』、でも『直接的に巻き込まれた顛末については詳しく書かない』と書いた。
プロ野球関係の職場で働く、もう10年来の飲み仲間であるAさんという方が、初戦から最終戦まで日本シリーズに帯同するということを事前に聞いていて、では、と、7戦目の試合開始前の空き時間に飲むことにしていたのだが、前日、ちょうどこのお店にいた時に、「上司が7戦目の招待券(ペア)を持っているらしいけど、行く?」とメールが来たのである。

そんなわけで…
来たぜ京セラドーム!
ペア券だから、当然Yちゃんと観戦
「あと1人!」という、この写真を撮っている間に、頓宮選手にホームランを打たれた……
しかし、その後、「アレのアレ」達成!!!

そんな思い出話をしていて、どういういきさつだったか、このお店の1階にある遅くまでやっている個人経営の居酒屋の「土鍋」が美味しいという話になり、Yちゃんと食べに行く。

美味しくいただき、Yちゃんと別れ、ホテルに戻って就寝。

2024年2月24日

ホテルをチェックアウトするまでに『ユリイカの宝箱』を読了。

11:06 新大阪駅

新幹線改札内の売店でビールとお弁当を買い、のぞみ号へ。
今回、急だったこともあり個人手配のホテルを探すよりJR東海ツアーズのexパックが割安だったので、それを利用したところ、個人手配だと(私は)取らない11号車、東京寄り最前列のA席を指定された。
乗って驚いたのは、そこが車椅子やベビーカーなども利用できるユニバーサル的な車両だったことで、この最前列のA席も、他の車両(グリーン車を除く)では3列シートだが、2列となっている。

新大阪から一人でビールとお弁当を楽しんでいると、車掌さんが声を掛けてくる。
座席を間違えたのかと思ったら、「お隣に目の不自由な方が座られますので、ご承知置きを」とのこと(ちなみに、その後ろには車椅子の方が座られていた)。
つまり、目の不自由な方を案内するのに、最前列通路側は移動距離が少なく、より安全だということなのだろう。
京都駅で案内してきた方に車掌は「また名古屋駅の手前でお声掛けしますね。それまでお寛ぎください」と優しく声を掛けて去っていった。
名古屋駅で再び車掌に案内されて、その方は下車された。

その間も、その後も、私はビールを飲み、うたた寝をしながら、東京までの時間を過ごした。

13:33 東京駅

東京駅の改札内は、3連休の中日の昼間ということからか、それほどの混雑ではない様子(といっても、混んでいるのは確か)。
丸の内側地上改札を出ると、大きな広場。天気が良いこともあって、多くの人がそこからレンガ造りの東京駅を撮影している。
行幸通りを歩き、二重橋駅に向かう。ここから表参道駅まで地下鉄で移動。

14:00 表参道駅

一昨日飲んだメンバーたちと合流。
ライブは16:30からだが、開場は15:30らしい。
それまで、表参道駅の地下にあるフードコートで軽く食事(+飲み)。
「ブルーノート東京」に何度も行った経験があるOさんによると「会場の食事は高い」らしいのだが、それ以外の人は「そんなもんなのか~。まぁ高いのは嫌だから、ここで腹ごしらえしておこう」という軽い感じで、いつものように飲み始める。
話題は、今日のライブについてで、「ユセフ・デイズ」という名前の英ロンドン南東部出身の男性アーティストらしい(それも知らんのか!)、何でも昨日・今日・明日の3日公演だったらしいのだが、メンバーが到着できず、昨日のライブは急遽中止になったのだそう。
「じゃあ、今日が初日なんだ。ラッキーだね」と話すも、我々のような知らない人間より、本当に観たい人が行った方が絶対いいわけで、それを思って、一同、少し申し訳ない気持ちになる。
15時過ぎにお店を出て、このライブを楽しみにして、我々を誘ってくださったHさんとTさんという2人の女性と合流し、徒歩で「ブルーノート東京」へ。
普段こんなところを歩かない我々は「すごいね~」と辺りをキョロキョロしながら、先導してくれるHさんの後をゾロゾロ付いて歩いていたのだが、「ブルーノート東京」手前で彼女がはしゃぎ始めた。
何事かと思ったら、ユセフが開演前に散歩していたというではないか。
キョトンとする我々に「何で皆気がつかないの! ユセフだよ!」と憤慨しながらも、「手まで振ってもらっちゃった」と嬉しそうなHさんを見て、「本当にファンなんだね」と感心しきり(彼女は、昨日のチケットも持っていたらしい)。
そんなこんなもありながら、我々一行は、無事「ブルーノート東京」へ到着。

15:30 「ユセフ・デイズ」ライブ @ブルーノート東京

行ってよくわかった。さすが「ジャズの聖地」。
クロークに荷物と上着を預け会場に通されると、そこは別世界。
まさに「大人の社交場」。
そのテーブル席担当(らしい)女性に案内され(既に我々はオドオドしている)、メニューを渡される。
見てよくわかった、Oさんが言っていたとおり。
さすが「大人の社交場」。豪華な食事をしながら優雅に開演を待つ、と。
ワインを注文しようとすると、ソムリエがワインリストを持って現れる。我々は、HさんやTさんにお任せするしかなく、しかし、皆の表情には何となく(お金の)不安が浮かんでいる(ように見えるのは、私がまさにそうだから)。

16時半を少し過ぎたころ、ライブが始まる。
全く詳しくないのでちゃんとは言えないのだが、ユセフは、リムショットを多用しながら、タイトでかつ細やかなリズムを刻む、とてもスリリングなドラムさばきで、何も知らない我々も、息つく暇もないくらい魅了されて、1時間のライブを夢中になって観た。終わった時には、全員が夢から覚めたような表情をしていた(もちろん私も)。
(ブルーノートの公式ライブレポートは、こちら)

口々に「よかったね」などと言い合いながら会場を出て、Oさんが知っているというお店に向かう。

18:00 発酵居酒屋5

名前のとおり、発酵食品を使ったメニューを提供するお店。
ライブの感想などを興奮気味に語り合う。

日本酒だって発酵品だ!
ということで、おまかせ3種飲み比べ

表参道の交差点で皆と別れ、Aさんという女性と渋谷方面に向かう。
Aさんとは10年以上の飲み仲間(あれ?さっきも書いたような……)だが、つい先日、共に渋谷(神泉)の居酒屋「酒とさか菜」の古く(前身の「酒菜亭」のころ)からの常連だったということが発覚し、今回、折角の機会だから二人で行ってみようということになった次第。

21:30 酒とさか菜

Aさんはお店の方から名前を覚えられている常連さん。
私はお店には何度も通っているが、名前を知られていない(というか、どの店でも積極的に覚えてもらおうと思っていない。「よく来るお客さん」でいた方が楽だから)。
「二人が知り合いだったとは」と驚かれつつ、「これを機にお名前を教えてください」と、私も名前を知られた人となった次第だ。

そろそろ終電が無くなる時間。渋谷駅でAさんを別れ、帰宅。
この3日間、よく観て、よく飲んだ。
翌日は起き上がれず、横になったままグダグダ過ごした。


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