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【2023年CBL】丹波篠山版CSAをつくろう

9期CBL「丹波篠山版CSAをつくろう」が終了しました!

CBL「丹波篠山版CSAをつくろう」が、12月16日に全6回の講義を終えました。

講師は、株式会社 ナチュラリズムの大皿一寿さん。
神戸市西区で、先進的にCSAを取り組んでいる有機農家であり、全国各地から依頼を受けてCSAの講演活動もしていらっしゃいます。

このCBLでは、日本ではまだまだ取り組んでいる農家が少ないCSAを、実際に神戸市でCSAの先進的取り組みをおこなう大皿さんから、CSAの基礎や、その意義、実現のためのプロセスなどを学ぶことを通して、丹波篠山市でCSAを実現するための仕組みを計画していくことを目的としています。

当初は、篠山でならどのようなCSAができるのかの計画を作るまでを最終ゴールと予定していましたが、メンバーで農産物を栽培している人が多かったこと、そのプロセスやリアルな課題は実際にCSAに取り組んだ方が体感できるという大皿さんの意向もあり、メンバーでCSAのトライアルを実施するところまで講義内で取り組みました。

講義は以下の内容で進められました。


第1回(7/8)   :CSAの仕組み、意義、全国の事例
第2回(8/19) :神戸市西区にて大皿さんのCSAの取組の現地視察
第3回(9/9)   :CSAトライアルの計画づくり①
第4回(9/23)    :CSAトライアルの計画づくり②
第5回(11/11):CSAトライアル1回目のふり返り、2、3回目の計画づくり
第6回(12/16):まとめ(CSAトライアルを通した気づき、課題の共有)


第1回目

まず、第1回目はCSAとは...という基礎から始まり、その歴史、取り組む意義や全国の事例など、CSAに関する情報を盛りだくさんに紹介していただきました。

CSAとは「Community Supported Agriculture(地域支援型農業)」のことで、生産者と消費者が連携し、前払いによる農産物の定期契約を通じて相互に支え合う仕組みです。CSAは1980年代にアメリカで始まったとされ、近年、欧米を中心に世界的な広がりをみせています。
日本でも最近になってCSAという言葉が浸透してき始めているものの、兵庫県では、もともと有機農業運動における産消提携という、CSAに似た取組が先駆的におこなわれていた地域であるという歴史を持つそうです。

受講生の中には、このCBLで初めてCSAという言葉を耳にする方もいましたが、大皿さんが基礎から丁寧に説明していただいたおかげで、CSAに対する共通理解を深めることができました。

第2回目

第2回目は、現地実習として、神戸市西区にある大皿さんの畑に伺いました。
栽培している品目を紹介していただいたり、野菜の梱包作業場所やピックアップステーション(CSAの野菜を受け取る場所)となっている事務所を見学させてもらったりしました。
栽培場所から、CSAの受け渡しまでのプロセスを、実際に自分たちの目で見ることで、よりCSAのイメージが具体化されました。

第3、4回目

第2回終了後、メンバーが自分の畑や実家で栽培している農産物が多くあることが判明し、「それらを活用して、せっかくならCSAのトライアルをしてみよう」との大皿さんの一言から、メンバーでCSAのトライアルをおこなうことに。第3、4回は受講生みんなでCSAの計画づくりをおこないました。
メンバーが各々のスキルを活用しながら、スケジュール、価格、内容物、広報などがどんどん決まり、あっという間にCSAトライアルの計画が進んでいきました。

以下に、今回メンバーが実施したCSAトライアルについて少し説明します。
※トライアルの詳細は、メンバーが別途まとめて公開予定です!


【CSAトライアル】

丹波篠山「旬」のお届け-丹波篠山版CSA-

丹波篠山版CSAとして、メンバーでできるやり方を模索しながら、チラシの作成、参加者の募集、野菜の集荷、調整、ピックアップステーションまで、大皿さんのアドバイスもいただきながら、全てメンバーだけで1から計画・実施しました。

受講生が作成したCSAトライアルのチラシ

トライアルは全3回、9,000円の前払い制で販売。内容は、受講生自ら育てたり、その近隣農家に協力してもらった農産物が入った100%丹波篠山産が詰まったボックス。
ピックアップステーションも受講生の関わりがある場所を選定しました。

今回のCSAトライアルには、13名の方に申し込んでいただきましたが、全回円滑に実施できました。

みんなで集まって袋に詰める作業中
CSAトライアル第2回のセット

第5,6回

第5回、6回に、実際にCSAをやってみた感想や課題の共有をおこないました。
野菜の調整作業の煩雑さ、作業量の多さに対する収益性の低さなど、受講生それぞれで感じた課題が共有されました。

受講生からは、「自分一人でやろうと思うと中々できない」「実際のビジネスとしてやる時には、もっと収益のことを考えないと継続できない」というようなCSAに対する大変さや、「トライアルを通して、地域に貢献するヒント、近隣の農家さんの課題を知る機会が得られた」というような、今後のCSAの可能性を感じられるコメントがあがりました。

大皿さんからも、「この短期間で、これだけのCSAを実現できたのは本当にすごいことだと思う。今回成功できたのは、メンバーの元々持っている力が大きく、農家だけでなくいろんな人々が関わる新しいスタイルのCSAの可能性を僕自身も見出せた」という嬉しいコメントをいただき、全6回の講義が終了しました。

最後に

今回は、タイトなスケジュールの中、タイトル通り「丹波篠山版CSAをつくろう」を実現させるという、受講生にとってかなり大変なCBLになったかと思います。しかし、トライアルという形で実践をおこなったからこそ、CSAの課題やプロセスの大変さを実感し、CSAのリアルな部分を知れたり、丹波篠山でのCSAを自分ごととして検討できたのではないかと思います。
スタッフとしても毎回非常に楽しく、学びの多いCBLでした。
大皿さん、受講生のみなさん、本当にお疲れ様でした!!

今後、今回のCSAトライアルで得た知見を、現在篠山で農業をされている方、これからCSAを取り組んでみたいと思っている方々にも共有し、今後丹波篠山市でCSAの取組が生まれる思っております。
今回のCSAトライアルの詳細や、メンバーが実践して感じたこと、今後の課題などを、まとめた活動レポートを作成しており、今年度中にnoteで公開予定なので、ぜひ皆さんお楽しみにしていてください!

CBL「丹波篠山版CSAをつくろう」の講義スケジュールはこちらからご覧ください↓